Beyond the Beginning / EL&P

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Beyond the Beginning EL&P
溜め込んでいたレビューが続きます。 EL&P のこれまでのライブ映像、インタビューが目一杯収録されたキャリアの集大成 DVD、Beyond the Beginning / EL&P です。昨年の時点で「キャリアの集大成となる DVD を作成中」とカールパーマーがインタビューで答えていたので、それなりに期待していたのですが、期待を多きく上回る出来。というか、 EL&P の映像作品の中では最高点であること間違いなしです。

僕は EL&P のマニアですので、それなりに作品はたくさん持っているのですが、例えばビデオなどは時代が古いだけに、「録音状態も映像品質も演奏もいい」なんて作品はほとんどない。演奏が凄いと映像がメタメタ(展覧会の絵)、映像がいいと演奏がダメ(再結成時代)、映像がレアだと編集がメタメタ(某ブートレグ)なのですが、この作品は凄い。

ブートレグ、もしくは このエントリーで紹介した Works Orchestral Tour: Manticore Special の YAMAHA GX-1 時代の「庶民のファンファーレ」がノーカットで収録されている。つい最近まで某ブートレグでしか見れなかった「空中で回るグランドピアノを弾くキースエマーソン@ CALIFORNIA JAM SESSIONS 1974 」が放送番組の録音でなく、ちゃんとした映像で見れる。「ワイト島の大砲ぶっぱなしシーン」もちゃんと収録されている。なんと、作曲風景やリハーサル風景まで収録されている。グレイト!!

DISK 2 には「誰でも EL&P 博士になれる」1時間のドキュメンタリーも収録。これもよく出来ていて、 EL&P の誕生から解散までが、メンバー本人達の最新インタビューで綴られるのだ。 DISK 1 には生前のモーグ博士のインタビューも収録。

これまでにない密度、これまでにない完成度だ。というか、これ以上の EL&P の映像作品は今後、制作されないと思う。そんな作品だ。これ1本あればお腹いっぱいだ。

メンバーのインタビューによるドキュメンタリーは本当によく出来ていて、当時のメンバーの野心、軋轢、解散への道程が克明に語られている。やっぱり、キースエマーソンの性格が問題だったんだろうなぁ。例えば、グレッグは最後までタルカスが嫌い(今でも好きでないみたい)だった話は有名だが、実際、ライブではあのハイテクノロジーな組曲をプレイしていたのだから、ミュージシャンとしてのテクニックもさることながら、性格的な面も人一倍苦労したんだろうな。グレッグもグレッグで勝手にラッキーマンをレコーディングしたり、マネージメントサイドにこだわったりと、癖があったんだろうけど、キースほどエキセントリックではなかったんだろう。

グレッグとカールは室内でのインタビュー録り(しかも各2カ所)なのに、キースはステージ裏で立ち話、というのが本人達の意気込みの違いをよくあらわしている。要するにキースは(自分の)音楽以外には興味がないんだろうね(笑)。

コメント

  1. N@ より:

    昔のEL&Pの映像って、どうしても寄せ集め感がありますよね。例えば、Ladies & Gentlemen のライブ映像があれば、それだけでいいんですが、最初から最後までちゃんと映像で残っているものが少ないです。
    このDVDも「集めました」という感じはあって、一貫性はないですが、クオリティは高いと思いますよ。

  2. Quattro より:

    こんばんわ。EL&P、自分も好きです。マニアってほどでもなく、持ってる音源も初期の頃の3枚だけなのですが、Tarkusが特に大好きで。映像作品、そこまでベタ褒めされると気になってしょうがないです。

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