アナログシンセサイザー CV/Gate コントローラーのベストチョイスは?

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Arturia BeatStep Pro
CV/Gate コントロールについて。昨今のアナログシンセサイザーや KORG Volca シリーズなどアナログガジェットがブームだが、実際、CV/Gate 信号によるシンセサイザーのコントロールをどうするか、という話です。

KORG minilogue xd や Arturia MicroFreaks (厳密にはデジタル・アナログハイブリッドだけど)など鍵盤やシーケンサーを搭載しているアナログシンセサイザーや、BEHRINGER Model D や Neutron、Crave のように MIDI 端子を搭載しているセミ・モジュラーなら問題ない。

しかし、最近手に入れた Reon driftbox R Limited のように、「鍵盤もシーケンサーもありません」というタイプのアナログシンセサイザーや、アナログシンセサイザーに多く搭載されてきているパッチベイに信号を送ろうとすると、CV/Gate コントローラーが必要になってくる。

波形研究所で、最近 CV/Gate コントローラーを吟味・導入したので、オススメのものを紹介しておく。なお、汎用性・価格から Eurorack タイプなどモジュラーシンセサイザーのシーケンサーユニットは対象外とした(DOEPFER DarkTime とかすごい高いし)。

条件としては、「鍵盤かパッドがあること」「シーケンサーを搭載していること(これがないと、アナログシンセサイザーのノブコントロールに手が足りなくなる)」「MIDI を搭載し、CV/Gate への変換ができること」を指針とした。

KORG SQ-1 : チョイスに困ったらこれを買っとけ、という超定番

KORG SQ-1

まぁ、これが最初にくるんだろうなぁ、という定番商品 KORG SQ-1 です。特長は「機能はそこそこ、とにかく安い」。Volca シリーズの元祖ともいえる製品で、CV/Gate が必要になったら買っとけ、という商品です。

構成としては、8ステップのシーケンサーを 2系統搭載。なので 2機のアナログシンセサイザーをコントールできる。8ステップというのは心もとないが、A/B 2チャンネルのシーケンサーを連続させて 16ステップにしたり、シーケンスの流し方をリバースやランダムに設定することでかなり面白い使い方ができる。

また、MIDI やシンク端子を搭載、MIDI → CV/Gate の変換が可能。MS-20 の CV 仕様にも対応する万能プロダクト。またチョイスとしても KORG SQ-1 からスタートするのは効率が高いと思う。「SQ-1 でできることはやり尽くした」と思うまで、とにかく楽しめるだろう。

個人的には Emerson Lake & Palmer の悪の教典 の最後のシーケンスパターン、24ステップがステップシーケンサーの性能最低ラインと考えているので、この製品はチョイスしなかった(また、ピッチコントロールがノブオンリーなので、ピコピコシンセを鳴らせる域を越える演奏は難しいかな、とも)。

KORG-SQ-1 front

Arturia KeyStep : ポリ対応ステップシーケンサー搭載で鍵盤コントロールなら最強

Arturia Keystep

結局、Arturia の製品を買うことになるのだが、最後までチョイスで悩んだのがこれ、Arturia KeyStep 。デザインがパッとしないが、質実剛健、CV/Gate キーボードの理想形である。「コンパクトな MIDI キーボードが欲しい」と思っていたらこれに決まりだ。鍵盤は 32鍵あり必要十分。USB MIDI、MIDI端子、クロックシンクに CV/Gate 端子を搭載している。よって CV/Gate でコントロールできるアナログシンセサイザーは 1台となる。

こいつが優れているのは、アルペジエーターとシーケンサーを搭載していること。特にシーケンサーがポリフォニックに対応している のが素晴らしい。ステップ数も 64ステップと十分だ。シーケンスパターンにポリフォニックなコードを入れ込むことができるので、可能性が断然広がる。また、鍵盤でシーケンスをリアルタイムにトランスポーズできるので、パターンシーケンサーとして最強と思う。

チョイスとしては最後まで迷った。最初に買ったシンセ、KORG POLY-800 のステップシーケンサーを思い出す。正直、この KeyStep の Black Edition がすぐに手に入ったら、これにしてたかもしれない。Arturia MiniLab Mk2 に CV/Gate が搭載されていたら最高だったね。

Arturia BeatStep : CV/Gate 対応、USB MIDIやコンピュータでの管理も

Arturia BeatStep

日本ではディスコン製品になっているのかな。海外では現役商品。次は Arturia BeatStep。後述する BeatStep Pro の姉妹製品。KORG SQ-1 のノブにパッドも付いたと思えば分かりやすい。ノブでピッチを指定できるし、ドラム音源ならパッドでパターンを入力できる。ベロシティ対応の 64ステップシーケンスを 16パターン記憶できる。

USB MIDI、MIDI の CV/Gate 変換も搭載。MIDI Control Center というアプリケーションで、設定やシーケンスを管理できる(これは非常に便利)。価格も安いので機能バランスもよくリーズナブルだ。

ただ、シーケンスが1チャンネルということと、ディスプレイがないんでテンポ指定もテキトーだ。ドラム・パーカッションコントローラーとしての位置づけが強く、アナログシンセサイザーのコントール機能として物足りない。最低限の機能、リーズナブルな価格が特長だろう。

Arturia BeatStep Pro : メロディ 2系統+ドラウム 1系統(マルチ)の最強グルーブセンター

Arturia BeatStep Pro
今回、チョイスしたのが Arturia BeatStep Pro。ちょっと値段が高いが機能は満載だ。「CV/Gate でアナログシンセサイザーを鳴らしたい」という次元をはるかに越え、アナログシンセサイザーや DAW を集中コントロールするグルーブセンターとの位置づけの商品。

構成は 2つのモノフォニックステップシーケンサー+16トラックドラムシーケンサーを搭載。アルペジオパターンのシンセ、ベースシンセ、そしてドラムトラックを一台で演奏できる。マジ凄い。

操作系もリアルタイムなパフォーマンスを意識した作りで、シーケンスの入力も非常に直観的。Roland TR-808 のように発音パターンをボタンでパタパタ入力できるし、ピッチをノブで適当に入力したり、パッドで鍵盤(+オクターブキー、これ秀逸)入力もできる。Arturia KeyStep で説明したシーケンスのトランスポーズも対応、トランスポーズするシーケンスを個別に指定もできる。ドラムはポリリズム対応(シーケンス個別に小節幅を変えられる)。

beatstep-pro-connections

そして、ルーパー/スライサーのストリップも搭載しており、1/4 1/8 1/16 1/32 でループやスライス演奏ができる。また、シーケンスに変化を加えるランダマイザーも搭載。これらでかなりシーケンスに幅が出る。演奏していても楽しい。前述の MIDI Control Center で Mac でのパターン作成、シーケンスやプロジェクトの管理も可能。背面は USB / MIDI / シンク / CV/Gate アウトでめいっぱい。もう、全部入り、アリアリの逸品だ。

BeatStep Pro Looper

惜しむべきはシーケンスがモノフォニックだ、というところ。まぁ、考えれば CV/Gate でコントロールするシンセサイザーは基本、モノフォニック。BeatStep Pro では DAW のマスターにもなるから、細かいことは MIDI でやればいいか、と思ったので、この BeatStep Pro をチョイスした。また、運よく、Black Edition と出会ったのも何か縁かな、と。

Twisted Electrons Crazy8 : 日本でみかけないけど

Twisted Electrons Crazy8

フランスの Eurorack 中心にモジュラーシンセやセミ・モジュラーシンセを販売するメーカー、Twisted-Electrons のシーケンサーボックス Crazy8。8トラックシーケンサー(CV/Gateアウトは4つ、MIDI トラックが4つ)、ポリフォニックにも対応!が心躍るのだが、16ステップと読める。「チェインして 128ステップまでイケる」と書いてあるが、基本、チェインとかは信用してない(苦笑)。何より、日本で見かけない。€255.00、3万円強か。

似たもので Crazy8beats という商品もある。

そのほかいろいろ

そのほか、Social Entropy Engine(日本で見かけない)、Squarp instruments Pyramid mk2(€619,00、高い、コントローラーではなくスタンドアローンシーケンサーだ)などを検討した。生産完了している Roland A-01 はシーケンサーは搭載していないので除外、ヤフオクでもあまり見かけない。まぁ、いろいろあるよね。

ここまで紹介したコントローラーをまとめておきます。どれを買っても失敗はないラインナップ。

KORG ステップ・シーケンサー SQ-1
KORG(コルグ)
¥9,758(2019/11/20 15:40時点)
MS-20をはじめとした様々な機器を接続してコントロール可能。
ARTURIA シーケンサー機能搭載 キーボード・コントローラー KEYSTEP
Arturia
¥12,816(2019/11/20 15:40時点)
音楽的演奏が可能な、ポータブルUSB MIDI コントローラー。
ARTURIA BEATSTEP ステップシーケンサー&パッドコントローラー
Arturia
¥12,100(2019/11/20 15:41時点)
アートリア ポータブル・パッドコントローラー
ARTURIA BeatStep Pro コントローラー&シーケンサー
Arturia
¥24,342(2019/11/20 15:41時点)
モノフォニック・ステップ・シーケンサー×2。ノート、ベロシティ、ゲート・タイムを1ステップごとに入力可能。

Arturia BeatStep Pro、こう使ってます

ということで Arturia BeatStep Pro を選択したのだが、CV/Gate のアナログシンセサイザーお含め、ウチの配線アイデアも紹介しておきます。シンクマスターは BeatStep Pro にしながら、オーディオは MASCHINE にルーティングする構成です。

  • Seq 1 は Reon driftbox E Limited をアサイン。いわゆる上物として。
  • Seq 2 は BEHRINGER Model D か MASCHINE の Monark をアサイン、ベースパート。
  • Drum は MASCHINE のキットを指定、打ち込みは BeatStep Pro。
  • MASCHINE にシンセ音源をアサイン、キーボードでコードやソロを弾けるように。
  • オーディオは MASCHINE Mk3 に集約、ディレイやリバーブなどエフェクトを個別に設定できるので。
  • シーケンスマスターは BeatStep Pro に集約。ルーパー/スライサーを使いたいから
  • 出口に Pioneer RMX-500 を設置、これは好み。

という感じ。これでコンパクトながら BeatSte Pro のリアルパフォーマンス系の良さと、MASCHINE などの DAW のまとめ感を両立できていると思う。演奏するとこんな感じです。ご参考に。

Reon driftbox & Arturia BeatStep Pro

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