Mac で多重露出・比較明コンポジット合成
Mac って SiriusComp みたいな比較明コンポジット合成をやるソフトってないじゃないですか?という話を聞いた。いや、ありますよ。使ってます。ということで紹介しておきます。天体写真で星の軌跡が流れているような写真を作る比較明合成アプリケーション、StarStax です。
比較明合成、比較明コンポジット合成を簡単に説明すると、複数の写真を合成する際に明るいピクセルを選択して合成する処理のことです。全く同じ場所から撮影した写真を合成する際に明度が高いピクセルを優先して合成していくと、夜空に輝く星を構成するピクセルが優先されて合成されていくので、星の軌跡が現れる、ということですね。
シャッタースピードを遅くして撮影する写真との違いは、長時間に渡り、明るい対象物があっても白飛びしな写真を作ることが出来る、ということ。上の例では、スローシャッターを使うと、東京ゲートブリッジの電飾が明るすぎて真っ白につぶれた写真になってしまいます。そこで比較明合成を使う訳です。花火の写真にも使えますね。
Mac で比較明合成をやるには Photoshop なんてものもあるんでしょうが、簡単に比較明合成できるアプリケーションがあります。StarStax です。これは処理する画像群をドラックすれば、あっという間にバッチ処理してくれますので非常に便利。それでは簡単な使い方を。
StarStax の使い方
StarStax をダウンロードします。2014年3月時点で Version 0.60。OS X Mavericks に対応した、Mac OS X version (experimental), 10.9 (OS X Mavericks) が出ていますね。0.70 は targeted for spring 2014 とのことなので、もうすぐ登場するのかもしれません。
StarStax の紹介なので写真の撮り方云々は省略して、合成する写真を用意します。
東京ゲートブリッジの写真では ISO 100、f/14 で 15秒から30秒の写真を40枚程度使っています。カメラを連射モードにしておいて、飛行機が飛んでくるたびにレリーズでシャッタを切りっぱなしにという感じです。
① 合成する写真を StarStax の左列 Drop Images Here の部分にドラッグして登録。② 合成する写真をチェックして必要がないものがあればチェックボタンを外します。③ 左上、4つ目の樽のようなアイコン Start Processing をクリックすればガンガン処理していって完成です。3ステップ。実にシンプル。
右サイドの Preferences ではいくつかのオプションが選択できます。明比較の逆、暗いピクセルを優先することも可能です。Comet Mode というオプションがありますが、これは天体写真などで合成した星の軌跡の端をフェードさせるエフェクトをかけてくれるものです。
左上2つめのボタン、Dark Frame Subtraction は、カメラ撮影した真っ暗の画像(レンズキャップを閉じて撮影する)を読み込ませれば、センサーノイズやセンサーピクセルエラーを軽減してくれるモードです。
バッチはあっという間に終わりますので、いろいろ試してみて下さい。
結論:夜景撮影するなら持っておくべし
個人的にはスローシャッターが好きで、「いろいろやると写真じゃないじゃん」という理由でこのアプリはあまり使っていなかったのですが、今年は街の夜景の写真を比較明合成してみようと思っています。最近は暖かくなってきたので楽しみです。
コメント
Version 0.71 (bugfix for Mac OS X only)
Support for Mac OS X El Capitan (10.11)
Fixed a bug where saved TIFF images were all black when dark frame subtraction was used
Fixed a drag & drop bug on Mac OS X 10.10 and 10.11