今日、仕事で朝日新聞社に行ったのですが、壁に「ベルリンの至宝展」のポスターが貼ってありました。その中になんとアーノルドベックリンの絵があるではないですか。来ます。いや、来てます。「ヴァイオリンを弾く死神のいる自画像」が。
東京国立博物館によると、世界遺産・ベルリン博物館島の作品が来日するようですが、その中に旧国立美術館の「死神のいる自画像」が含まれている模様。ベックリンは好きな画家で機会があれば見に行くようにしています。海外で見る機会も数回ありますが、なんせベルリンには行ってません。それが東京は上野に来るんですから見に行くしかありません。
ちなみに残念ながらベックリンの絵は1枚のみです。1枚だろうとホンモノが来るのですから見なければなりません。巨大でいくつものバージョンがある「死の島」の1つでも来ればありがたいのですが。この「死の島」はギーガ(エイリアンのギーガ)も全く同じモチーフで描いているのですが、すべてがエイリアンのボディ状で笑えます。
開催期間は2005年4月5日(火)〜6月12日(日)です。
コメント
えー、観てきました。ベルリン博物館島も行ってみたくなりましたが、展示の方法が絵には悪すぎです。強烈なスポットが油絵にあたっており、表面がテカっちゃって観にくい観にくい(涙)。
ギャラリーはなぜかおばさんが多かったのですが、「死神のいる自画像」はポピュラーなマネの「温室にて」におされていました(笑)。みな口々に「不気味ねー」といって通り過ぎてたり。
いわゆる「神がおりてきた」瞬間なのですが、ベックリンの場合は死神なんですね。これはもともとベックリン一人の自画像だったのを、画商が「おまえは何に耳を傾けているんだ?」と尋ねたところからインスピレーションを得て死神を付け加えたという話があります。画商がコメントしたのが、どのタイミングなのかは知りませんが、確かに構図が不安定です。左肩の線も気になりますが、死神もバイオリンの音色を聴かせるポーズにしては不自然です。
でもやはり、無理な構図であるからこそ、ベックリンの顔と死神の顔があそこまで接近したのであり、画商の逸話が本当であればうなずけますが、もしこの逸話が後の作り話ならば、とんでもない構図で描く人ということになりますね。
ちなみにベックリンは右利き。鏡を見ながら自画像を描く人はどのように左右を入れ替えているんでしょう?
前回の「死の島」が来日したのは僕が学生の頃だったと思いますが絵の前で5時間ねばりました。あれは凄いです、深いです。
ベックリンの展覧会は以前、見にいった記憶があります。昔、机の上にひいていた下敷き(?)に『死の島』のポスターをはさんでました。たぶん、福永武彦の同名小説の影響で興味を持ったのが最初の出会いだったと思います。
時代がバラバラですが、マグリッド、ブリューゲル、ボスなんかと並んで好きな画家の一人です。