ロンハワード監督、ラッセルクロウ主演のビューティフルマインドを観た。2001年頃の作品。
この映画は経済学の「ゲーム理論」の礎となった「戦略的非協力型ゲームにおけるナッシュ均衡」を考案した数学者の人生を描いたものだ。映画が放映された頃は全くノーマークで、最近になって「経済学のジョン・ナッシュかー」(正確には上述の理論を考案した数学者)というアプローチで観ておこうと思っていた作品。
映画としても素晴らしく、アカデミー賞を4部門も獲得したらしい。間違っても、同時期に何作か公開されたタイプのミステリー作品ではない(笑)。キャッチコピーの通り、「実在した天才数学者ジョン・ナッシュの絶望と奇跡の半生を描いた、アカデミー賞4部門に輝く感動のヒューマン・ドラマ」なのだ。
観てよかった。実にいい映画だった。映画の内容をコメントするとネタバレになってしまうので書けないので、ジョンナッシュについて書いてみる。僕は文学部卒なので経済学や数学は全く持ってダメで、間違いがあるかもしれない。
ゲーム理論とは、経済活動におけるプレーヤーの行動は外部の単なる動かない変数に対する反応ではなく、他のプレーヤーの行動(動的な変数)の影響を受け、それぞれが戦略的な意志決定を行っている、というもの(書き方悪いけど、通じる?)。プレーヤーが結託せず、非協力なプレイをする場合の意思決定原理を定式化したのがナッシュだ。プリンストン大学の大学院生だったジョンナッシュが1950年に書いた「非協力ゲーム理論」はまさに後の経済学を一変させてしまったのだ。
ナッシュの非協力ゲーム理論は経済学、経営学、政治学、企業戦略、マーケティングなどあらゆる分野で活用されている(そりゃ、そうだよね。世の中の動きを数学で表せるなら、大筋未来を予測できちゃう訳なんだから)。ナッシュをはじめとしたゲーム理論において貢献した学者には1994年にはノーベル賞を受賞している。
ま、そんな難しいことを知らなくても、ナッシュが実に「天才」で、途方もなく絶望的でかつ感動的な人生を歩んできたかは伝わると思う。「そんな凄い理論を提唱した学者が、そんな人生を(涙)。」という感じ。経済学やマーケティングに興味のある方はぜひ。そうでない人にもお薦め。
コメント
個人的に大好きな映画を取り上げていただいて嬉しいです。
前半のサスペンス調はドキドキ、後半はシンミリ・・・という流れも良いですし、まさに「事実は小説よりも奇なり」という感じですね。
「天才」ならではのお話・・・というところでしょうか。