まぁ、業務用なんですかね。という言葉で終わってしまいそうだが、Digital Music Score GVIDO です。グウィドと読みます。
iPad でも、紙の楽譜の見やすさにかなわない
僕の iPad にはかなりの数の楽譜が入ってる。楽譜は曲集になると意外に重い。1つの曲集だけあればいいってことはまずない(1冊持ち歩くならハノンだ)ので、持ち歩くのは結構苦労するのだ。楽譜をほとんど使わないジャズの世界でも REAL BOOK というスタンダードがわんさか入った分厚い楽譜があり、これも重い。
iPad ならかさばらないし重さも許容範囲。突然、「あれ弾きたいぞ!」となっても、クラウドにあげてあるので iPad さえあれば大丈夫。非常に助かる。
が、そううまくはいかない。楽譜を使ったことがある人には分かると思うが、多くの楽器の場合、iPad では微妙に小さいのだ(iPad Pro の大きい方は持ち歩くには大きい)。2面表示だと絶望的に小さい、まず使えない。楽譜にはある程度の大きさが必要で、ピアノの楽譜では A4 より少し大きいサイズのものが使われる。楽譜に限らず紙の代替に iPad を使う時に思うのが、いろいろある紙のサイズには意味があるんだなぁ、ってことだ。
楽譜の見やすさを大切に設計した GVIDO なのだが
で、この GVIDO 。大きい。非常によさげのサイズ。電子ペーパーは楽譜の表示にはもってこいだし、タブレット式で文字も書き込める、寺田倉庫の新事業だったり、Sony Reader の野田さんが作っていたり、VAIO が製造していたりとワクワクさせられるデバイスだが、予定価格が税別 1,600ドル(173,000円)。さっきのワクワクが瞬時に萎む。
詳細は 西田宗千佳のRandomTracking / 完成近づく電子ペーパー採用楽譜専用端末「GVIDO」。発売は9月に に詳しい。詳しい取材だけに、上げ足取りにならないように前後も引用する。
冒頭で述べたように、GVIDOは1,600ドルを予定しており、後述するフットペダルとセットで20万円を切るところを狙っている。これでもずいぶんがんばった価格、と関係者はいうが、一般的には決して安い価格ではない。しかしそれでも。プロやこだわりのあるアマチュア演奏家が、楽器と同じように「本気で使う道具」とみれば十分納得できる価格である。
だからこそ開発陣は、実演奏者からの要望を徹底的に聞き、開発に採り入れようとしている。専用でなく、マスを狙うものでもないので、使ってもらいたい人々に寄り添う製品をめざしているのだ。
僕、トランペットもピアノもベースもやるけど、楽譜の表示装置に 20万円は払えないよ。いくら楽譜が重要ってったって、練習では読み込むけど最後には暗譜しちゃうし。20万円あれば楽器や音楽そのものに使う。もちろん価値観は人それぞれだけど、「税金払うくらいならいいものを」というプロユースならともかく高いと思う。
言われなくても分かってるよ、と関係者は心から思ってるんだと思うけど、「価値が分かる人へ」なんていってたら中国メーカーにあっさり負けちゃうよ。本当に残念だけど。
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発売が決まりました。10月10日より発売開始、¥180,000(税抜)。直販サイトのほか、店舗では、山野楽器本店が独占販売。店舗では 9月17日より予約受付開始。