第5の権力 Google には見えている未来 – Eric Schmidt, Jared Cohen はコネクティビティ(ネットワーク接続社会)の到来による新しいパラダイムを主に、政治、紛争、セキュリティといった側面から論じている(「Google」は日本の出版社がつけた、単なるアイキャッチだ)。引用は、ネットワーク接続社会にも明るい希望はある、と感じさせる一節だ。
コンテンツ提供会社に勤めていると、「インターネットは何でも無料」「受益者負担ではなく全部、広告で」という風潮にゲンナリしていたのだが、オープンイノベーションが語られるようになって数年、やっとインターネットに接続されている「個の集団」が作り出すコンテンツの価値やその検証能力が評価されるようになってきたと思う。インターネットのコンテンツとは「企業が作り出すものを無料で使える」ものでは全くなく、個の情報評価能力のネットワーク経済性の結果に他ならないのではないか、と。
オープンイノベーションの可能性は別の機会に書くとして、コネクティビティが実現した社会では情報リテラシー教育が非常に重要になる。事実、若者は外部情報や扇動的な情報の影響を受けやすく、テロや犯罪組織プロバガンダ、または宗教による偏向性の高い情報にどう取り組むか、一人の親として結構考えさせられる。
コネクティビティ社会の到来は避けられないものの情報業に携わる者として、それは幸せなことなのか、複雑になるだけではないのか、という新たなゲンナリな気持ちが湧き起ってきたのだが、この引用の一節に少し気が軽くなった。
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