Elixir(エリクサー)というギター・ベース弦ブランドがある。主には、コーティングを施したストリングスで有名なブランド。弦は使っていると錆たり、弦が劣化することで音質やサスティンが悪くなるのだが、コーティッドストリングは、通常の弦の表面にコーティングを施すことで、弦への水分や汚れの侵入を防ぎ錆や劣化を防止する。結果、弦の鳴りも寿命も長持ちする、というもの。コーティングしているので手触りはツルツル。買ったばかりの弦でもフィンガーノイズが出にくい、という特長もある。
さてこの Elixir 、弦のバリエーション、ラインナップがよく分からない。本家のページにもきちんとまとまってないし、セットだと弦のバリエーション・組み合わせがややこしいので、自分用にまとめておくメモだ。
コーティングの種類:NANOWEB vs POLYWEB
ベースの弦を選ぶなら NANOWEB 一択だろう。実際、ベースの POLYWEB 弦は見たことがない。POLYWEB より薄いコーティングを実現したのが NANOWEB で、POLYWEB はウォームなサウンド、NANOWEB はブライトなサウンド、ということになっている。
弦の材料:Nickel vs Steel
弦の素材はニッケルとステンレスがある。銅もあるがこれはアコースティック用。一応、ステンレスは音抜けがいい(ハイが出る)、ニッケルは中音域が良い、と言われている。
実際はニッケルとステンレスは好みの問題で、両方使ったことがあるが「どちらがどう」ということはないように感じる。弦自体のサウンドも大切だが、弦の太さの方が影響が大きいと思うし、自分の場合は Sadowsky のアクティブ回路でどんな音も出ちゃうから。注意したいのが、.095 のような SuperLight はニッケルにしかラインナップがなかったりする。
ニッケルはパッケージのトップと数字デザインが「緑」、ステンレスは「シルバー」となっている。ほら、これで見分けられるでしょ。
※ これ最近のデザインみたい。数字が緑でトップがシルバーのステンレスがあったりした。
弦セットのバリエーション:SuperLight → Light → Light/Medium → Medium
さぁ、ややこしいのが弦のバリエーション。弦はゲージにより、SuperLight → Light → Light/Medium → Medium の4種類で構成される。が、SuperLight はニッケル弦にしか用意されていない。また、ニッケル弦にはエクストラロングスケール版のセットがある。下記の表はオフィシャルサイトの情報の誤りを修正したり、現在のラインナップにはないが流通しているセットを追記している。
標準セットで4弦・5弦用のセットが用意されており、6弦やローBではなくハイCを貼りたい場合、ローBの SuperLight を選びたい場合はバラ売りで買うことになる。
NANOWEB ニッケル弦
Part No. | Gauge | G-1 | D-2 | A-3 | E-4 | B-5 |
---|---|---|---|---|---|---|
14002 | 4-String Super Light, Long Scale | .040 | .060 | .075 | .095 | – |
14052 | 4-String Light, Long Scale | .045 | .065 | .080 | .100 | – |
14077 | 4-String Light/Medium, Long Scale | .045 | .065 | .085 | .105 | – |
14102 | 4-String Medium, Long Scale | .050 | .070 | .085 | .105 | – |
14202 | 5-String Light, Long Scale | .045 | .065 | .085 | .105 | .130 |
14207 | 5-String Light/Medium, Long Scale | .045 | .065 | .085 | .105 | .135 |
14087 | 4-String Light/Medium, Extra Long Scale | .045 | .065 | .085 | .105 | – |
非常に分かりにくいのが、4弦セットの Light と5弦セットの Light のゲージが微妙に違うところだ。A-3 / E-4 は4弦セットの方が細い。自分の Sadowsky MV5 は A-3 / E-4 の音量が大きいので面倒だが、4弦セットの 14052 を買っている。B-5 はあまり張り替えなくてもいいしね。でもよく読むと、Medium で G-1 / D-2 を太くするという選択もあるんだね。こっちの方がいいかも。
NANOWEB ステンレンス弦
Part No. | Gauge | G-1 | D-2 | A-3 | E-4 | B-5 |
---|---|---|---|---|---|---|
14652 | 4-String Light, Long Scale | .045 | .065 | .080 | .100 | – |
14677 | 4-String Light/Medium, Long Scale | .045 | .065 | .085 | .105 | – |
14702 | 4-String Medium, Long Scale | .050 | .070 | .085 | .105 | – |
14777 | 5-String Light, Long Scale | .045 | .065 | .085 | .105 | .130 |
14782 | 5-String Light/Medium, Long Scale | .045 | .065 | .085 | .105 | .135 |
14877 | 5-String Medium with Super Light B, Long Scale | .045 | .065 | .085 | .105 | .125 |
これは現行商品ではないのかもしれないが、Medium with Super Light B という不思議な組み合わせがある。Medium といいながら4弦部分は .045-.105 という Light 構成だ。んがー分からん!
結論:好みの弦セットを覚えて買うべし
摩訶不思議な Elixir のベース弦セット。以前は Sadowsky の純正品や ghs を買ってたのですがベース弦は高いのよ。切れることは滅多にないし。しかもコーティッドストリングスは新品張りたてのあの金属的な響き音がずっと持続するので気持ちいい。私のチョイスはニッケルの 14052 Light かステンレスの 14702 Medium 。ニッケルがいいかな。
ということで、好みのゲージのセットを覚えて買い続けるのが良いです。2セット品とかたまにあるからね。
👉 アマゾン Elixir NANOWEB 国内正規品コーナー
コメント