ROLI が BLOCKS シリーズの新デバイス、Lightpad Block M を発表した。コントロールサーフィス Lightpad Block の二世代目の製品である。ROLI BlOCK Lightpad Block や同社の音楽アプリ NOISE については詳しく伝えてきた経緯もあるので、登場から1年で早くもハードウェアを刷新した新しい Lightpad Block M もめげずに紹介していこうと思う(ほら、初代 Lightpad Block のユーザだからさ)。
第2世代の ROLI Lightpad Block が登場!? Introducing the next generation Lightpad Block: Super Sonic Surface https://t.co/v6cpfW61HR #ROLI
— 波形研究所 気になるニュース? (@waveformlab) 2017年9月28日
Lightpad Block M では初代ハードウェアの短所を丁寧に修正
新しい Lightpad Block M はタッチパッドの表面加工を刷新。リデザインされたシリコン・サーフェス・レイヤー(表面に凹凸もついた)でタッチパッドの感触を改善している。主な特徴は下記の通り。
- よりディープでソフトなサーフェス・テクスチャ
- 225マイクロ・キーウェーブによる優れたタックタイル・フィードバック
- タッチ・レスポンシブの強化
- ハイコントラストで明るいLEDイルミネーション
- DNAコネクター8基搭載、充電式バッテリー内蔵、USB-C端子(MIDI出力/電源供給)
- USBおよびBluetoothによるMIDI互換(DAWでも使用可能)
初代の Lightpad Block は(言われてみれば)確かにサーフィスがちょっと固めかな、そして屋外で使うには LED が暗いな、と思うところがあった。操作面では、四隅のセンサー精度が中心部に比べて粗くプレッシャーが安定しない特徴があり、NOISE アプリのドラムグルーブ系サウンドプリセットではプレッシャーでキックの刻みをコントロールする設定になっているので、うまく演奏ができないこともあった。
Lightpad Block M ではこれらの短所をしっかり修正してきている。初代 Lightpad Block が $199.95 / 国内価格 23,500円(税込)、新しい Lightpad Block M が $179.95 / 25,800円(税込)と同価格帯の設定なので、初代製品の在庫が終わり次第 Lightpad M に統合されると思われる。
Lightpad Block M は縦横サイズはこれまでの BLOCK 製品と共通のサイズで変更はないが、新しいシリコン・サーフェス・レイヤーで厚みが若干増して(3mm)重さも50g 重くなっている。使っていると頻繁にバッテリー不足になる初代機だったが、4時間連続稼働というバッテリー駆動時間に変更はない。また、何か買うと付いてくる印象がある Ableton Live Lite が添付されるようになった。
BLOCK シリーズの音楽ソフトウェア対応は充実
BLOCKS シリーズもリリースから1年がたち、ハード側 Lightpad Block のファームウェアは v0.4.0 。ハードウェアもソフトウェアも着実に進化させてきた。同社の看板製品である Seaboard RISE の BLOCK版、Seaboard Block も登場し、DAW への対応も充実していきている。
Equator Player
ROLIのフラグシップ・ソフトウェア・シンセサイザーEquatorをベースとし100以上もの音色を収録したコンピューター用ソフトウェア・サウンド・エンンジン。
BLOCKS Dashboard
BLOCKSファミリーの設定/管理、そしてBLOCKSファミリーをDAWやプラグインで使用するためのコンピューター用管理ソフトウェア。BLOCKS Dashboardソフトウェアを使用すればDAWのフェーダー、ドラム・パッド、XYZパッド、レベル・メーター表示など多様にカスタイマイズが可能です。
NOISE 3.0
BLOCK シリーズの中核アプリ、NOiSE も3.0にメジャーアップデート(執筆時点では 3.0.2)。ナビゲーションの改善、クリップのエディット、音楽系アプリインターフェイス AUv3 に対応しGarageband 等の他社アプリケーションで NOISE の音色を使用できるようになっている。
BLOCKS は楽しく遊ぶ楽器
意欲的な ROLI BLOCKS シリーズ。Seaboard のような斬新なインターフェイスでも取り込める一部の音楽制作人種から、iPhone を使うより広いターゲットに展開すべく企画されたプロダクトだと思うが、どちらかというとニッチに広がってきてしまっているような気がする。
普通のユーザはビデオのように ROLI BLOCKS シリーズをたくさん購入して繋げて遊ぶことはないだろう(揃えるとかなり値段がはる)。また正直、BLOCKS シリーズでオリジナルの思い描いた音楽を作るというのは難しいと思う。それはコアになっている ROLI NOISE 自体が「作り込みよりプレイの楽しさ」に比重を置いているからだ。
だからあまり深く考えず、Lightpad M を1台買って外に持ち出して、ROLI NOISE でリズムを組んで、メロディやフレーズで気ままに遊ぶのがいいような気がする。またはライブで飛び道具として使うとかね。触ると光るし音は出るしで、楽しいデバイスであることは間違いないんだから。
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