Goodbye Allihoopa, Thank you so much.
い よいよ明日、Allihoopa がクローズされる。音楽制作コミュニティサービスの喪失は本当に寂しいもの。
音楽制作者という非常にニッチなマーケットに特化したビジネスは、マネタイズなど課題も多かったんだと思う。そんな中で Allihoopa はサービスを「音楽制作者同士のコラボレーション」にフォーカスし、実際にその機会創出を実現していたと思う。「自分の楽曲が他のクリエーターによってリミックスされる」という体験は SoundCloud.com などの単純な音楽視聴&感想書き込み SNS とは一線を画するものだった。
せっかくなのでサンキューソングを作ってみた
Hello, BandLab 、移転先は BandLab か
SoundCloud
音楽制作 SNS はいくつかある。一番大きいものは SoundCloud 。ただ、プロバージョンに登録しないと、楽曲バージョンの差し替えや、アップロードできる楽曲量に制限があり、実際には完成作品の陳列棚になっている人が多いと思う。
Metapop
Native Instruments 傘下の Metapop も、制作途中のリビジョンを統合できる SNS だが、正直あまり盛り上がっていない。SNS である以上、コミュニティの活性度が重要なのだが、NI もなんで Metapop を買収しちゃったんだろう、という感じ。時期が悪かったのか、Allihoopa ならいい買い物だったのにと思う(同じドイツ企業だから知らないはずはなかったと思うし)。
splice
DAW のプロジェクトファイルをアップロードできるという意味では splice がある。対象 DAW が Ableton Live, FL STudio, Logic Pro X, GarageBand, Studio One と限られるが、プロジェクトファイルのクラウドシンクを提供している。サウンドサンプルやプラグインアプリケーションのビジネスも行っていることから、クリエーターとして一番、注目しているサービス。だけど、対象 DAW を使ってないからなー。
BandLab
Allihoopa 難民の行きつく先は、BandLab といっていいようだ。Allihoopa ユーザにフォーカスしたコミュニティ、Allihoopa Stars も用意されており、Allihoopa の Mixtape データをアップロードするだけで楽曲を登録できる(ジャケットは手動でアップする)機能、BandLab Assistant も提供されている。
235人が登録している Allihoopa Stars のメンバーに限らずコミュニティの反応は非常によく、グローバルでかつ活発なリアクションがかえってくる。このコミュニティの「熱」は他のサービスには見られないものだ。
音楽制作SNS という点では、オーディオファイルをマルチでアップロードすることが可能。Webベースでのマルチトラック編集エディタも用意されており、「重ねる系」であれば簡単にコラボレーションが可能だ。ただ、マルチトラックの STEM を個別に用意しなければならず、DAW アプリケーションからの直接のアップロード機能の提供が待たれる。
実際、Allihoopa で見かけたクリエーターも多く、なんとなくホーム感もある。音楽制作コラボレーションを生み出せるかは別として、とりあえず、BandLab に登録、楽曲をアップしてみて… という人が多いんだろうと思う。
音楽制作 SNS というより、カラオケ自慢アプリの感がある nana music もあるのだが、これはアップできる楽曲が 90秒以内ということで、上記サービスとは性格が異なるものかと思うので除外。若い人が熱狂的にこういうサービスを使っている、というのは大切なことだと思うのだけど。
コメント