MOTU がユニーバーサルサンプラー MachFive 1.2 Update を公開しました( Windows 版もありますが、そちらのアップデート内容は知りません)。このアップデートでディスクストリーミングが実現します。
通常、サンプラーは使用するサンプルをすべてメモリ領域に読み込むのですが、ディスクストリーミングとは必要に応じてメモリとハードディスクを使い分ける機能です。 GIGA Sampler でおなじみの機能でカンタンに説明すると、例えばピアノの音色の場合、アタック部分をメモリに読み込み、次に再生されるサスティンの部分をハードディスクからストリーミング再生するということが可能になります。実際には指定したサイズをメモリにプレロードするような感じになります。
ディスクストリーミング機能のパフォーマンスは、 MachFiveSounds フォルダがあるハードディスクのスピードに準じます。ストリーミング機能を最大に活用するには、できるだけ速いハードディスクを使用しましょう。(7200RPM以上推奨)
ホストソフトウェアで録音や再生を行いながらMachFiveのストリーミング機能を併用すると、ハードディスクのパフォーマンスリミットを超えてしまう恐れがあります。ホストソフトウェアで使用するハードディスクと MachFive で使用するハードディスクを分けることにより、ディスクパフォーマンスの劣下により生じる問題を未然に防ぐことができます。 —- 以上、 READ ME より
Musetex が LaCie の FireWire ハードディスクにプロジェクトファイルや MachFive などのサンプルを保存することで、ポータブルで負荷が分散された環境を作ることができると説明していましたが、ディスクストリーミングにより、 MachFive 用にもまた別のハードディスクドライブが必要なのかもしれません(苦笑)。
Mac OS X はアプリケーション側ではデータの格納先がハードメモリなのか、スワップされたバーチャルメモリなのかは分からないそうで、突発的なパフォーマンス低下を防ぐためにプロジェクトのファイルを起動ディスクとは別のハードディスクに保存するのは有効です。が、僕の環境ではディスクパフォーマンスより先に CPU がオーバーしますし、オーディオインターフェイスが FireWire なので(帯域を食うだろうし)、全部ハードディスクを分けるなんざやってませんが。
さて、このディスクストリーミング、ハードメモリ容量以上のサンプルを読み込めるという機能であって、 使った感じでは CPU 負荷はかえって高くなることはあっても軽減されることはないようです。最初にサンプルを読み込む時間は大きいサンプルほど劇的に改善されます。デフォルトの状態で、 Bosendorfer Full A は 457MB のサンプルをメモリに読み込むのですが、ディスクストリーミングをオンにすると、87MB しか読み込みません。この分、読み込み時間が短くて済むようです。