生誕100年 岡本太郎展|東京国立近代美術館 に行ってきました。3月からやっている展示会も今月8日まで。ギリギリという感じです。岡本太郎が好きで、2003年には太陽の塔の内部公開を観に行ったり(2003/11/17/2003/12/8)。
でも、岡本太郎をちゃんと知っているか、理解しているかというと、そんなこともなく。多感な若い頃より、分別がつく大人になってからの方が彼の魅力を理解できるようになってきた気がしているのですが、今回はカナリ真面目に観てきました。
展示は非常に充実。「森の掟」や「駄々っ子」など、1950年代の作品を観ることもできました。50年代、岡本太郎は40歳前後。自分と同じ様な歳ですよ。物わかりがよくなるどころか、全然、闘ってます。しかも、エネルギッシュで前向き。色も凄い、筆目も凄い、技術も凄い、主張が凄い。
展示会場でグッズをたくさん買い込む訳ですが(ミーハー)、有名な「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」と強烈な主張を展開した1974年出版の、今日の芸術 ― 時代を創造するものは誰か(光文社知恵の森文庫) を読んでいます。
実に衝撃な内容。「芸術は爆発だ!」というマクセルの CM の印象がありますが、「今日の芸術」では実に平易に、論理的に「芸術」を解説しています。しかも古典的な芸術論をただ批判するだけでなく、実に前向きに芸術が万人に開放されるべき、という彼の主張が前向きに展開されています。
1974年という時代の本ながら、今読んでも全然古くささを感じません。というより考え方はグローバル。近代芸術の意味合い、全人間的な欲求と芸術の関係、前向きで情熱的で真剣な語り口。何回読んでも発見がありそうです。
美術の歴史、社会学、伝統を相当勉強したし、毎日毎日、真摯に芸術と向かい合ってきたという彼の生き様が伝わってきます。正直、こんなに論旨が整理された人だとは思ってなかった。
展示会、まだやってます。週末に岡本太郎の魂に触れ、パワーを、人生に対するコミットメントを取り戻す機会にして下さいまし。
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