これを聴いとけ! – Phantoms / The Fixx

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Phantoms the Fixx

画だけ立ち上げて1枚紹介してそのままになっていた「これを聴いとけ!」第2回です。マニアックな音楽をフランクに紹介します。今回は The Fixx の名盤 Phantoms です。The Fixx 知ってる?80年代にビルボードチャートを追ってた人なら知ってると思うけど。ニューウェーブですよ、ニューウェーブ。

今回紹介する The Fixx の名盤 Phantoms は無人島に島流しにあった時に持っていきたいアルバム TOP 10 に入ってます。墓場まで持っていきたい。

The Fixx

The Fixx 、日本ではウィキペデアすらないね(涙)。The Fixx は 1979年に結成したロックバンド。ストレートロックではなく、ニューウェーブながらおしゃれでもなく、ちょっと変わったリズムや音色を使い、少々哲学的メッセージ性の強い歌が組み合わさった、通好みのバンド。

メンバーはボーカルの Cy Curnin(サイ・カーニン)、ドラム Adam Woods、キーボード Rupert Greenall、ギター Jamie West-Oram、ベースは Dan K. Brown という布陣で、一時ベースがバンドを離れた時期があるものの、結成当初から現在までこのメンバーで音楽活動を続けている。

有名な曲としては、MV も面白かった One Thing Leads to Another(1983年11月ビルボード 4位)、Are We Ourselves?(1984年8月ビルボード 15位)、Red Skies(1983年 13位)など。個連的には Sunshine in the Shade もあげておきたい。

非常に個性が強いインテリジェンス・ユーモアあふれるボーカルの Cy Curnin のキャラクターが目立つが、ギターは切れ味があるカッティング&クレイジーなギターソロが持ち味。キーボードはボコーダーを使ったり(しゃべるのではなく音質変化に使う)、奇妙なパッドサウンドで The Fixx の楽曲と世界観を支えており、ベースは演奏中は決してその場から動かず無表情、ドラムは変則リフを支えるタイトなリズムを繰り出すという、全パート、プレーヤーとしても見どころの多いバンドだ。

Phantoms – 1984

Phantoms-theFixx-LP

Phantoms は 1984年に制作された彼らのサード・アルバム。全曲が名作でありながら、権利関係か中古でもなかなか CD が見つからないレアなアルバムとなっている。「ヤフオクで見つけて速攻ゲットして届いたらアナログレコードだった」、なんてことがあって、現在でも CD は持っていない。Apple Music でも見つからないが、YouTube にはアンオフィシャルな音源がある。

楽曲リストは以下の通り。

1. “Lose Face” 3:03
2. “Less Cities, More Moving People” 3:53
3. “Sunshine in the Shade” 2:26
4. “Woman on a Train” 3:56
5. “Wish” 4:08
6. “Lost in Battle Overseas”  4:10
7. “Question” 3:26
8. “In Suspense” 3:45
9. “Facing the Wind” 3:20
10. “Are We Ourselves?” 2:27
11. “I Will” 3:54
12. “Phantom Living” 3:50

このアルバムが好きな理由は、各曲とも個性が強く、変則的なリフと歌詞の世界観がとにかく気持ちいいからだ。1曲目の Lose Face も冒頭のギターリフの奇妙な入りから、さらにベースが動きがありつつ統制されたリフを入れてきて、ギゴガゴと音程もさだかでないシンセが入ってくる。とにかくかっこいい。

2曲目の Less Cities, More Moving People もいい。ダークな感じと 80年代のキラキラしたシンセサウンド、歌詞もいい。そしてビデオでも紹介した Sunshine in the Shade 。とにかくコンセプトが奇妙だ。シンセではボコーダーを使い SE ショットを入れている。とにかく世界観がいい。

アナログレコード A面の最後を飾る Lost in Battle Overseas 。ギターのコード・カッティングが気持ちいい。そしてシンセはボコーダーでぶつぶつ言ってる(笑)。華やかなイントロからは想像がつかない、とにかくかっこいい曲だ。

アナログレコードでは B面 1曲目となる Question。これもリフが変則でかっこいい。特にベースが拍を食う感じで弾いてるんだけど、自分で弾くと頭がどこになるか分からなくなって意外に難しい。In Suspense はさわやかながらにシンセとギターのリフがこれまたかっこいい。続く Facing the wind もエアー感がありドラマチックだ。

大ヒットしたシングル Are We Ourselves? は日本シングル名が悪夢でこれまた伝説になっている。これです。

Are We Ourselves?

全くなんなんだよ。意味わからねーよ。

まぁ、いい。そしてメローでロマンティックで美しい I Will が流れる。普通ならこれを最後に持ってくるはずだ。だが、アルバムの最後は非常にダークな Phantom Living で終わる。Phantom living はアルバムの位置づける重要な曲だ。空虚で行き場のない閉塞感を亡霊の人生に例えた非常に暗い曲だが、サビもいいし、なんか泣ける。ひっぱらずあっけなく終わるアウトロもいい。

The Fixx は 10枚のアルバムをリリースしているが、前年の明るめのヒットアルバム Reach the Beach の次にこの名作を生みだした。The Fixx のどこか屈折した世界観、ニューウェーブバンドと言われながら難解な曲と歌詞、そして現在もパフォーマンスを続けている姿をみると、同時期のラッキーながらヒットを飛ばした一発屋とは異なる個性を見出すことができると思う。

ぜひ聴いてみて。虜になるよ。

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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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コメント

  1. こば より:

    大好きなアルバムです、アーウィーアーウィーは歌詞も覚えました

    あるFM雑誌のレコード評では「80年代のビートルズになるのではないか」なんてトンチンカンなものもありました、FMステーションだったかも

    • 波形研究所 所長 波形研究所 所長 より:

      FMステーション!懐かしい!付録の鈴木英人のカセットシート使ってました。

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