今月のサウンドレコーディングマガジンの CLASSIC TRACKS というコーナーに、 THE POLICE の「見つめていたい」のレコーディング詳細が書かれていた。これが非常に読み応えがあった。全部書いてしまうとネタばれしてしまうが、ポリスファンは今月号のサンレコは読むべきだ。比較的前の方で5ページもある。普段、サンレコを読まない人にもお薦め。
ザ・ポリスはスティング、アンディ・サマーズ、スチュアート・コープランドの3人構成のロックバンドだったんだけど、解散の理由はメンバーの不仲だった。メンバーの仲が悪いというよりも、スティングにあとの2人がついていかなかったというのが実像だ、とここまではいわゆる通説。
サンレコの記事を読む限り、若い頃のスティングの横暴ぶりは想像以上で、ある時期の YMO よろしく、スティングがいない時間にスチュアートがドラムをレコーディングして、入れ替わりに来たスティングが「なんだこのクソハイハットは!」と怒鳴り散らす(そして消してしまう)なんてことがあったようだ。今の熱帯雨林保護を呼びかける円熟したスティングしか知らない人には信じられない独裁ぶり。ドラムを離れのダイニングルームでレコーディングしたことは有名なんだけど、記事からはレコーディングスタッフの苦労と苦悩、スチュアートのおかれた過酷な状況が読めてとれる。涙ものだ。
さて、この「見つめていたい」は、シンクロニシティーに収録された名作中の名作。だけど、このアルバムを購入した当時はあまり好きじゃなかった。なんせ中学生の頃で、テレビ神奈川の SONY MUSIC TV で流れた SYNCHRONICITY II 目当てだったからスローバラードは退屈だった(名作のビデオのくだりはこちらの記事で、あ、題名いっしょじゃん)。
後になってしみじみ良さが分かるというのは、WRAPPED AROUND YOUR FINGER もそうだが、「見つめていたい」は比較的若い頃に好きになった。って、大学時代に好きだった彼女が「この曲はいい曲だ。歌詞がいい。」といったから(苦笑)。根っからのインスト派だった僕は歌詞なんてまったく聴いていなかった。で、よくよく歌詞を聴いてみると、はぁ、なるほどいい曲だということになった。今はストーカーという悪いイメージがある「ちょっと行き過ぎた執着」にドキッとしたもんだ。あの曲の最大の功労者はアンディのギターだと思っていたのだが、歌詞を聴いてみて、「スティングの歌詞の力も大きいのかな、特に女性にとっては」なんて思った。
結成間もない頃、スティングの書く歌詞が過激すぎて放送禁止になったり裁判になったりしたという。横暴で極悪非道だったスティングもいいおじさん。アンディのソロは何枚か持ってるし、スチュアートのドラムも好きだ。まだ元気があるうちに再結成してくれないだろうか、ポリス。
コメント
「見つめていたい」の最初はハイハットを叩いてないんですね。
イントロがシンプルでしまって聴こえるのはハットがないのも理由のひとつ
と思われます。
途中からハットが入ってきますが、スチュアートの繊細さが出てます。
苦労したんだろうなぁ。
当時、アンディは写真家に転向という話もあった(笑)。
まぁ、悪ガキ3人組だったんでしょうね。
なんかの音楽雑誌に「コープランドは良い人だけど、あとの二人は人間的にサイテー」とありました
ちょうど SYNCHRONICITY の頃だったような・・・
今思えばそのライター度胸あるな<^^;>
先月号は、アナログミキサーの特集が目当てて購入したのですが、同じようにデュラン・デュランのレコーディング秘話が掲載されていて面白かったですね。