オールドレンズにはマウントアダプターが必要。先日ゲットした CARL ZEISS JENA DDR TESSAR 50mm F2.8 は M42 というグルグルねじ込むタイプ、いわゆるスクリューマウントを採用している。M42 マウントレンズを NEX に付けるためのアダプターを探していて、こんなものを見つけた。
じゃじゃじゃーん! Pixco チルト機能付きマウントアダプター、ティルトする M42-NEX マウントアダプターだ。これでミニチュア写真をメカニカルに撮影できてしまうのだ。
ミニチュア写真を可能にするティルトとは
iPhone アプリやデジタルカメラのデザインフィルターの登場で一挙にメジャーになった表現手法、ミニチュア撮影。リアルな風景写真をまるでミニチュアのように表現するこの手法、最初に撮影した時の感動は凄かった。
今はアプリやソフトウェアで簡単に作れるこのミニチュア的な写真、従来はティルトシフトレンズというものを使っていた。
ティルトシフトレンズは本来は写真の構図やピントの歪みを補正するためのレンズで、レンズを傾けることで構図やピントの歪みを補正する。例えば広角でビル郡を撮影した際に写真中央から外側にいくに従って像が湾曲するが、これを補正したり(シフト)、像の手前から奥までピントを合わせる(ティルト)ことができたりする。ミニチュア画像はこれを逆手に使って像の中心意外のピントをぼかして作る(逆ティルト)。
愛用している LensBaby も同じ仕組み。こちらは逆ティルトしか出来ないけど。
アプリやソフトウェアで誰でも簡単に出来てしまうので、メカニカルにミニチュア写真を一生懸命撮る人も少なくなったと思うけど(ミニチュア専門の写真家とかどうなったんだろう)、
メカニカルなミニチュア写真を可能にするアダプター
でも、このティルトシフトレンズは需要を反映して価格が高い。また撮影も三脚が必要でミニチュア用途オンリーで使うにはもったいない。ミニチュア写真は逆ティルトができればいい。要は像の中心にフォーカスし周辺をぼかす。ぼかしを入れる角度に傾ければいい訳です。
そこで、これ。ティルト機能付きのマウントアダプター。M42 マウントを NEX に接続すると同時に、角度 8°までティルトすることが可能。またマウント自体が 360°回転するので好きな角度で逆ティルトを設定できるし、マウントの回転はカチカチと 30°ごとに回転するのでレンズのピントを合わしている時につられて回ってしまうこともない。M42 はマウンターの作り以外にもレンズによっても無限大が出ないケースもあるみたいなので心配しましたが、この Pixco のマウントはちゃんと無限大が出ています。
あと、M42マウントは「クルクル回してねじ込む」タイプ。レンズによっては絞りやピントの表記がカメラの上側ではなく下側にもぐってしまうケースもある。そんな時にこのアダプターなら、マウント自体を回転することができるので地味に便利でもある。
実際に撮影した写真がこちら。
4°傾けた状態。東京駅の建物の上下がボケている。車がミニカーみたいになった。
最大の 8°傾けた状態。かなりボケていて東京駅がミニチュアみたいに。
サンプルをもう一つ。上がノーマル、下が最大角度の 8°ティルト。
メカニカルなティルトにはロマンがある
ミニチュアっぽくするには色の彩度を上げ気味にして明るさも飛ばし気味にすればいい。以下のサンプルは NEX のカメラモードを Vivid にしている以外はカメラデータそのままです。アプリでも簡単に出来ちゃうけどメカニカルなティルト写真は、ソフトウェア上でピクセルをボカしているのではなく、実際にボケた光を、映像を記録しているのが醍醐味 。もう、ロマンというか満足感が違います(笑)。
手軽にティルトできるこのアダプター。お値段も手頃。オススメです。
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