Update – 2023年度版を公開しました!
今年も手帳選びの時期がやってきました。今年の夏は暑かったね!また、新型コロナウィルスの影響で、業務の把握の仕方や予定・タスクの管理にも変化があったのではないだろうか。激変するビジネス環境下で、確実に成果を上げるために、タスクの遂行をサポートする手帳選びが重要。ということで、2021年版の手帳選びをまとめていこう。
スマートフォンと手帳を併用する時代には、「ウィークリー・フリー」フォーマットを薦める
本サイト、WAVEFORM LAB(波形研究所)では 手帳は週単位で予定を見渡せ、書き込むエリアが大きい「ウィークリー・フリー」フォーマット を選ぶように啓蒙してきた。スマートフォンのカレンダーに詳細なスケジュールを入力しているなら、手帳にスケジュールを転記することは「無駄」以外の何物でもない。紙の手帳は、スマートフォンのカレンダーで対処できない タスク管理 に重点を置くべきであり、週次でタスクを見渡せる ウィークリーフリー が最適だと考えている。
スマートフォンのタスク管理アプリは Apple の リマインダー を含め、Trello や Microsoft To Do、Todoist などいろいろあるが、今一つ使いにくく、自分でもいろいろ試しているが定着しない。
個人的に、タスク管理アプリが紙の手帳と比べて使いにくく感じる理由は、タスク管理の UI がフリーじゃなく項目管理的だからだ。上の図にあるように、フリーフォーマットなら、中期重点タスク・今週のタスク、締切タスクを視覚的にまとめて書ける。が、アプリだとぞれぞれのタスクが同列に優先順位と締切で管理され、タスクを分類別に分けると一覧性がトレードオフになってしまう。
また、先週や先月の完了タスクを見返すこともある。が、これもアプリだと完了タスクを再確認するのは面倒だ。貴重な情報へのアクセスが「面倒だから」で損なわれるのでは話にならない。
成果創出を目標とし、最適なタスクを計画・実行し、進捗に合わせ施策を修正するプロセスが重要
ビジネスマンのパフォーマンスを向上させるには、① 成果創出を目標とし、② 最適なタスクを計画、③ 実行し、④ 進捗に合わせ施策を修正するプロセスを構築・定着させること だ(例年のメッセージを少し加筆した)。
- 成果創出を目標に
あなたの手帳のタスク管理は「やることリスト」になっていないか。成果を定量・定性的に設定し、立案する施策はその到達地点への道しるべにならなければならない。手帳に目標とする成果を書き込もう。 - 最適なタスクを計画する
これが一番難しい。最適なタスクを計画することはタスクを実行することより重要だ。思いついたアイデア、スタッフから得られた知見をどんどん手帳に書き込もう。貴重な知見は1冊の手帳に集約・活用すべきだ。 - タスクを実行する
あなたがチームリーダーやマネージャーならば、管理するタスクは自分のものだけでなくスタッフのタスクと進捗も含まれるはずだ。今週にやりとげるべきタスクと進捗状況を一覧化できるようにしよう。あなたがスタッフ職ならば、マネージャーより密度が濃く粒度が細かい業務を担当しているはずだ。いくつもの施策を並行して実行するためには、やはりタスク管理が重要だ。 - 進捗に合わせ施策を修正する
タスクを実行したからといって、想定した結果が得られるとは限らない。タスクの一覧・実行状況から、施策を修正する必要がないか、成果創出のデッドラインに間に合うかを検証しなければならない。常に変化するビジネス環境の波に流されないように、目標地点に進むように船の舵をとらなければならない。1週間の終わりに施策の在り方をチェックしよう。
手帳の書き方 – ウィークリーフォーマットの強みを最大限に発揮する
タスクの多くはデイリーベースでは処理できない。週単位で現在走っているタスクを見渡せる ことが何より重要。よって、使うべき手帳はフランクリンプランナーのようなデイリーベースではなく、週単位の予定が見渡せるウィークリーを選択すべき だ。
また、書き込むべきはスケジュールやアポイントメントではなく、タスクだ。タスクには「重要度(プライオリティー)」と「締切(ターゲットデー)」が必ずあるはず(重要度・期間のタスク4マトリクスの概念を意識する)。またタスクはそれぞれ期間的に幅がある。立てるべきタスクを考えながら自由に記入するには、書き込むスペース が必要だ。
よって使うべきは、ウィークリーで、書き込むエリアが大きいフリーフォーマットを選ぶ ことになる。そして、すべてのノートは方眼用紙であるべき だ。
ウィークリー・フリー・フォーマットを活用することで、タスクの見直し、重点施策や短期施策の進捗状況を週単位で自然に見直せるプロセスが構築できる。
まとめる。
- スマートフォンでスケジュール管理するなら、手帳はタスクを管理することに使う。
- タスクは期間的に幅がある。デイリーベースではなく、ウィークリーベースの手帳を使う。
- タスクは重要度や締切を判断して書く。中期目標や重要目標も書く。週単位でタスクを見直せる。
- タスクを書き込むには書き込むエリアが大きいものを選ぶ。
- すべてのノートはみな方眼であるべき。
ES Diary あらため、JS Diary
個人的にここ 3年使っているのが、ES Diary。紙は厚みがあり上質な方眼用紙でブルーブラックの万年筆とマッチするクリーム色 が実にいい。しっかり開く製本もいい。
この ES ダイアリーは、発売元の株式会社枻出版社が事業を和気文具を展開する有限会社ワキに譲渡した(「ESダイアリー」譲渡について)。
有限会社ワキの 「ESダイアリー」が「JSダイアリー」に変わります によると、ES ダイヤリーは JSダイアリー と改名され、ほぼ同様の仕様で発売されるようだ。A6版がなくなるなどラインナップは統廃合があるみたいだが、ウィークリーノート は発売される予定だ。例年通りのスケジュールとはいかず、11月に発売予定となっている。
良質の手帳をリリースしていたユナイテッドビーズも自己破産でなくなってしまい、エッジのたつ良質で丁寧な作りの手帳が減っている。JSダイヤリーがんばれ!
ラ・アプス こと録手帳
手帳はデザインもこだわりたい。こと録手帳 は優れたデザインバリエーションを展開しているのが特長。デザインが楽しく、長くこの手帳を使っていたが、数年前から紙質が薄手のものになり万年筆では裏移りが酷く ES ダイアリーを使うようになった。薄手の紙は手帳の重さを軽減できるというメリットもある。ボールペン派の人にはおススメ。
ちなみに万年筆の裏移り防止には顔料インクがいいです。
能率手帳 NOLTY
若い頃、手帳といえば日本能率協会の手帳だった。日本能率協会総合研究所と取引があったので、名前入りの手帳をいただいていた。ポケット手帳が多かった中、A4版の業務ノートを発行しており、「それを使っていれば手帳はオーケー」という感じだった。読みやすいクリーム色の紙はペンの走りもよく、フォーマットは実に使いやすかった。
現在は NOLTY というブランドで展開しているビジネスノート。週間方眼メモタイプ という名前で展開されることになった。能率協会、分かってるー!
マークス ママダイアリー
マークスのウィークリー・バーチカルはアポイント記載用なのだが、ママダイアリーシリーズは書き込むスペースが多い。ママダイアリーのウィークリー・バーチカルだ。手帳はデザインも楽しみたい。このシリーズはポケットがあったりと便利そうだ。
LACONIC / ラコニック
今年から取り上げるラコニックの バーチカルレフト 。厳密にはウィークリーフリーではないが、デザインが豊富で方眼用紙感がいい。A5 サイズのみ方眼のバーチカルなので紹介しておく。
高橋手帳
最後に手帳の定番、高橋手帳からも「バーティカルノート」という名前でシリーズ化されているのだが、今年はちょっとレイアウトが異なり、フリー領域が縦割りになり、「デスクダイアリー」「ニューダイアリー」などメインのラインナップが対象から外れた。B6 サイズの torinco 7 のみがフリーフォーマットになっている。高橋手帳は分かってない。非常に残念。
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