テレワークで勤務しており、基本、自宅で仕事をしている。パソコンでの業務が増え(というか、そればかりになり)、手書きでメモをとることがめっきり減ってしまった。少々複雑で図解して整理しなければならない作業は、マインドマップツール XMind を使うし、チームで仕事をしていると画面共有がベースになるので、髪に手書きでメモをとるシーンがないのだ。セミナーカリキュラムを作る時に久しぶりにレポート用紙に書き殴ると、これがシックリくる。「やっぱり手書きでないとな」と思った次第。
メインの筆記用具は LAMY AL-star copperorange に SAILOR の青墨(せいぼく)。愛用の LAMY をしっかりメンテして使いはじめたのだが、有楽町のロフトで魅力的な万年筆に出会ってしまった。
万年筆(EF)+顔料インクのセットだと、あれもこれもは使えないので、自宅には新品の LAMY が 10本近くストックがある状態なのだが、出会ってしまったのだから仕方がない。1本追加してみた。はい、TWSBI Diamond 580 ALR Prussian Blue です。
TWSBI – 万年筆のラインナップ
TWSBI(ツイスビ) は台湾の三文堂筆業有限公司が製造・販売するブランド。名前は知っていたが、知らない間にバリエーションが増えていた。ちょっと整理しておく。
TWSBI のラインナップ、おおまかには、スタンダードモデル・定番の TWSBI DIAMOND 580(と、長さが短い TWSBI DIAMOND Mini)、DIAMOND に似たボディでプランジャーで大量にインクをインストールできる TWSBI VAC(と長さが短い TWSBI VAC mini)、エントリー向けカジュアルな TWSBI ECO(と万年筆の持ち方矯正の名残である TWSBI ECO-T)、スプリング式のインク充填機構をもつ TWSBI GO 、最近、カートリッジも使える TWSBI SWIPE が登場した。まだあるけど、これくらいおさえればオーケー。
ペン先は EF / F / M / B / Stub 1.1 が選べる。Stub(スタブ)はペン先が平らで、縦は太く横は細い線が書ける。最近は 1.1 のみ提供されているみたい(日本だけでないみたい)。
TWSBI ECO はストレートなキャップとインクノブが目印。比較的買いやすい価格(5,000円程度)。カラフルなバリエーション。トランスルーセントなカラーも選べるようになった。エントリーモデルなんていいながら、写真のローズゴールドとかいいよね。
対して TWSBI Diamond 580 は少しアールを描いたキャップが目印。少し高級感がある。価格は 1万円程度。ピストンがアルミなら AL、リングがアルミなら ALR と呼ぶ。TWSBI というブランドを知った時は DIAMOND は 580 とか言ってなかった。とにかくカラーバリエーションが多いブランドだけど、形状も進化しているみたいだ。
どちらも、インクが入る部分が透明なデザイン。これが悩ましい。当然、ボディカラーに合うインクを選ぶことになる(笑)。
TWSBI は次々にカラーバリエーションを発表する。LAMY もカラーバリエーションが特長だが、TWSBI のカラーバリエーションはモデルというより製造ロットに近く、発売国(や地域)によってローカルなカラーモデルが多々ある。例えば、日本国内では、伊勢丹新宿店本館5階のみで購入できる Isetan Blue なんてものもある。
なので、形状と価格で ECO か DIAMOND かを選び、DIAMOND ならば短いモデルを検討する。手に馴染むモデルを選んでおいて、あとは店頭で気に入ったカラーがあれば即買いする、というのがオススメ。
他のモデルは検討したことがないので分からない。ごめん。
TWSBI Diamond 580 ALR Prussian Blue
TWSBI Diamond 580 が気に入ってカラーを選ぶんだけど、TWSBI はカラー選びが難しい(くて楽しい)。個人的にはオレンジを選ぶんだけど、TWSBI はボディが透明だ。オレンジのボディにブルーブラックのインクがセットになることになる。これはマッチしない、たぶん。店頭ではエメラルドグリーンが美しい。が、これにブルーブラックインク…。おい待てよ、これは難しいかも、と店頭では買わなかった(笑)。
台湾の国旗の色、Ruby Red RBT もいいけど、ちょっと派手かな、と。インクの実用を考えてプルシアンブルーを選択した。インクはグリーンブラックを想定、ペン先は LAMY との併用をイメージしてスタブにしてみた。アマゾンにオーダー。アマゾンさん、お世話になっております。
TWSBI Daiamond 580
まず、万年筆の外観について。持ち味はいい。かなりしっかりホールドできて書きやすい。細いボディでお馴染みの LAMY に比べればボディは太め。実際の指でホールドする部分は Diamond 580 は金属だが、細かい縞模様の凹凸が入っており握りやすい。滑ることはないだろう。
キャップはネジ式。ちょっと面倒だが、インクの持ちは良いだろう。キャップを外した際にペンに装着するか、だが、キャップをペン後部に付けるとバランスが悪い。メモをとる手元が不安定な場合や外出先での手帳メモの時以外は、キャップをペンに付ける必要はないだろう。ペンの後部はクリアなポリカーボネートなので、ちょっとガリっといきそうだし。
インクが透明なボディの中で漂っているのは良い。たぶん、想像しているのより良い。なので、インクのカラーにもこだわりたくなる。うーむ。
書き味は爽やか
書き味は柔らかい。ボールペンのように筆圧が高くてもバレない。自分はかなり筆圧が強い上に極細が好きなのでペン先を選ぶのだが、かなり書きやすい部類だと思う。今回買ったのは Stub 1.1 だが、スタブでもサラサラ書ける。あまりの書き心地に「スタブに加えて EF も欲しいな」と思い始めた。だめだめ(笑)。
スタブは 1.1 なので、画数の多い日本語でもそんなに違和感がない。署名やサインはカッコイイ気がする。とすると、ブルーブラックのスタブが必要か。小さい文字をメモにとるのは苦手だ(小さい文字が書きやすいスタブには出会ったことがない)。図やチャートには良いんじゃないか。
価格を考えるとかなりパフォーマンスがよい
円安で価格改定もあり、販売価格は1万円を切っていたが、1万円オーバーな価格になってしまったが、プラスチックボディの LAMY Safari だと 2本買える価格だが、満足度が高い。書き味やメンテナンス性を考えるとパフォーマンスはかなり良いのではないか。しっかり閉まるキャップ機構でインクの持ちもいいだろうから、何色か揃えるのもいいだろう。「思ってたよりイイぞ」「最初の万年筆にもグッド」という感想です。
SAILOR STORIA Green
ブルーブラック・インクは古典だの顔料だの、発色、裏抜けなどかなり研究したんだけど、グリーンはまだ自分好みが分からない。インクには沼があるから近寄らないようにしている(笑)。
発色のよいグリーンというより、グリーンブラック調がいい。青墨(せいぼく)の超微粒子顔料インクは薄い紙でも裏写りしにくい顔料インクながら、インク詰まりもなく使いやすい。なので、同じく超微粒子顔料インクのストーリアシリーズからチョイスした。セーラーさん、お世話になっております。
グリーンがほぼ黒だと、TWSBI のボディに入れた時にカラフルでない。STORIA のグリーンは、ちょうどいいバランス。
発色は明るめ。「基本はブルー・ブラックで、図やチャート、強調メモにグリーンを」と思っているので、なかなかイイ感じ。書いた感じ濃淡のバラつきも少ない。
乾きも速いので、しっかりインクが出る万年筆がいい。インクは乾いても色合いはそんなに変わらない。ファーストチョイスにしては上出来だ。さすがはセーラーさん。安定感がハンパない。
最初の万年筆にオススメ
万年筆は書いていて楽しい。インクもカートリッジ方式ではなく、いちいちインクボトルから充填するのも良いものだ。ライフスタイルや職業・業種にもよるけど、現代人の書く頻度は減少傾向なんだろう。だから、書く・描く体験は大切にしたい。書いていることを実感すると頭の中も整理しやすい。
TWSBI は最初の万年筆に最適だと思う。カラフルな LAMY が好きだけど、TWSBI も同じノリで楽しめそうだ。オススメする。
コメント