ピアノの基礎練にはピシュナがいい、という話

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The-Little-Pischna

年のゴールデンウィークは新型コロナウィルスの影響で、#StayHome でした。このゴールデンウィークに熱心に取り組んだのがピアノの練習。ここ数年、まともに弾いていなかったので、指もなんか太くなっちゃって。主に基礎連を中心にやりこみました。

基礎連ならハノン

ハノン
基礎練習といえば「ハノン」。かのキースエマーソンもハノンはツアーに持って行ってた、と聞いていますが、ハノンは好きです。弱い指を中心としたワンフレーズをひたすら順調、転調して弾くのみ、指にまかせて弾きながら、左の 3/4/5 あたりの動きや響きに集中して、それ以外は心を無にできる。ということで、「禅」の境地に至れます。

基本型を12調に転調して運用。時間はかかるものの、無の境地なので30分はあっという間に。

一方で、思ったほど負荷になっていない気もする。ハノンは基本の型を繰り返すので運指トレーニングとしてはフォームのバラエティさに欠ける。「時間がかかるほど効率的ではないよなぁ」と思ったり。

リトル・ピシュナ

そこで最近導入しているのが、ヨセヌ・ピシュナの「リトル・ピシュナ」。徹底的に弱い指を強化するブートキャンプ。特長は下記の通り。

  • 左右で全く違う動きをするのが基本
  • 基本型を全調に展開することで、あらゆる動きに対応する
  • 作者の性格が悪いんじゃないか、というほどのスパルタぶりのフレーズ
  • 涼しい顔でテンポを守って弾けた時の爽快感・達成感

左右違う基本型を全調で弾くのがハノンとの違い。長調・短調の両方の練習があるので、スケール理解にもいいかもしれない。とにかく左右の指の独立性を鍛えるには最適。学術的には。

でもね、最大の特長は「ほらおまえ、この指、動きが悪いのが分かるだろ」と言わんばかりの嫌みなパターン展開。例えば以下のもの。

ピシュナ 12番

和音をおさえながらトリル、処理量ハンパない (c)全音

ピシュナ 18番

左手の動作幅が尋常じゃない (c)全音

ピシュナ 32番

はいはい、ツリますよ、こんなん (c)全音

「いや、こんな運指やフレーズ、実際使わないし」と言い訳がしたくなるが、一方で、「あーおまえ、こういうのは出来ないんだ、ひゃっひゃっひゃ」と言われているようで、ムキになって練習する。当然、不得意な調が出てくる。またムキー!となって弾く、という感じ。

実際の練習法(参考までに)

あくまで指の独立性を強化するのが目的なので、1つの課題をこなしていくのではなく、自分が鍛えたい指と方針にしたがって、複数の課題を毎日やるのがおススメ。

左手の3/4の分離が悪い、各指のバランスが悪い、指またぎの安定感に問題あり、各指が大きく開くフレーズに課題、などなど。自分の課題にあった練習曲をチョイスするのがよろし。ストレッチタイムは30分は確保したい。

またピアノ初心者には薦めません。下手すると筋をおかしくするし、難易度が高すぎます。ピアノ初心者は「ハノン」や、「新訂ピアノのテクニック」をやった方がいいです(自分はそうだった)。ピシュナは自分の弱点が分かっているアスリート的な利用が前提です。

TARKUS

ちなみに、「左手の4/5分離と指またぎ、と大きく展開するフレーズ」の練習には Emerson Lake & Palmer の「タルカス」のメインフレーズもおススメ。両手で弾くとなお良い。どんだけ弾いてもエマーソン本人よりは少ないはずで、これも禅のように習慣にするのがいいのでは、と。

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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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