Roland から AIRA シリーズの新製品、AIRA Compact T-8 BEAT MACHINE | J-6 CHORD SYNTH | E-4 VOICE TWEAKER が発表された。
コンパクトな筐体に Roland の強力な楽器・機材が詰め込まれている。ファーストラインナップは、ビートマシン・コードシンセ・ルーパー&ボイスエフェクター。ファンにはたまらない「新シリーズが爆誕」した。
音楽を遊びつくす AIRA Compact – コンパクトな筐体に Roland の魅力をパッケージング
Roland は Roland Boutique シリーズ で、歴代のシンセサイザーやグルーブボックス(時には全く新しいアナログ・シンセサイザー)を再現しているが、AIRA Compact は実在する機材を単純に小さくしたのではなく、コンセプト・それぞれの役割に応じて新しく設計された機材だ。
しかも、TR-808/909、TB-303、JUNO-60、AIRA VT シリーズなど、Roland の資産が Analog Circuit Behavior(ACB)テクノロジーにより生かされており、新製品ながらサウンドにも期待値がアガる。
今回発表されたのは、T-8 BEAT MACHINE、J-6 CHORD SYNTH、E-4 VOICE TWEAKER の 3機種。T-8 はドラムキットに加え TB-303 ベースもあわせてパッケージングされていたり、J-6 はシンセサイザーというよりコード・アルペジオマシンになっていたり、E-4 ではボーカル用のエフェクターが用意されていたり、と、エレクトリックミュージックを簡単に、そしてプレーヤーセッションを楽しめるような構成になっているのもグッドだ。うん、企画がいいねー。
各シリーズに共通することを先にまとめておく。
まず、電源は充電式リチウムイオン電池を搭載。USB バスパワーでも動作する。おおむね 3〜4.5時間動作する。USB は Type-C 端子、USB Audio Device Class 2.0 対応でオーディオと MIDI を伝送するので、DAW との連携もグンバツだ。すごい。
ちなみに、iOS デバイスにも対応。iPhone など Lightning 搭載デバイスは USBカメラアダプタ経由、USB-C 搭載デバイスは USB-C ケーブルで接続できる(モバイルデバイス用に「バッテリー動作固定モード」も用意されている)。Android は動作保証対象外。まぁ、動くだろう。たぶん。
接続端子は SYNC / MIX (兼 HEADPHONE) / MIDI 端子を装備する。筐体サイズは 188mm × 106mm(ほど)、重さは 300g 程度。KORG の Volca シリーズに比べると若干、1cm ほど小さいサイズだ。
あと、先に言っておくけど、ファーストラインナップは 5月27日に発売開始。Roland SP-404 mk2 や JD-08 のような現象が起こるだろうから、欲しい人は早めにね。
T-8 BEAT MACHINE | TR-808/909/606 に、まさかの TB-303 をパッケージ
T-8 は伝説のグルーブボックス TR-808/909/606 に、キラーの TB-303 ベースをパッケージングしたものだ。まさかの TB-303 搭載に、激しく心を(頭を)揺さぶられた人は多いんじゃないか?
ドラムは Tune や Decay のほか、Snappy / Color も用意されていて音作りもバッチリ。キック、スネア、タム、クラップ、ハットをカバーする。残念ながらカウベルはなさそう、探したんだけど。ベースも TB-303 特有の波形選択(ノコギリ・矩形波)/ CUTOFF / Reso といたれり尽せり。もちろん、アクセントやスライドもサポート。キーボード(鍵盤)入力が可能だから本家より使いやすい(笑)。
シーケンサーは 32ステップ(6 Drums + 1 Bass 構成)。連打のサブ・ステップ機能もある。DELAY、REVERB、OVERDRIVE のエフェクトも内臓。当然、トラック(INST)のミュートも可能。これはもう満点だろう。
ドラムとベース、いわゆる「リズム隊」がこれ 1台でまかなえてしまう。机の上もスッキリだ。
J-6 CHORD SYNTH | 曲のアイデアをカタチにするカンタン・シンセサイザー
J-6 はかなりチャレンジングな楽器だ。100種類のコードセットを内蔵しており、コードパターンやアルペジオをスタイル・バリエーションノブでコントロールすることができる。JUNO-60サウンドを Analog Circuit Behavior(ACB)で再現したアナログ風のシンセ音色を楽しめる。
シーケンサーは 64ステップ(64小節)。このシーケンサーもわかりやすい。小節がボディに書かれており、それに応じてコードを決めていけばよし。あとは鳴らしながらアルペジオなのか刻みのコードパターンをノブでグリグリ変化させる。エフェクトは DELAY / REVERB を搭載している。
プレイスタイルとしては、もうコードはシーケンサーに入力してしまって、再生されるサウンドにリアルタイムでアルペジオやバッキングパターンで動きを演出したり、フィルターやエンベロープをコントロールする、といったライブ感覚あふれる演奏ができるデバイスに仕上げている。
コンパクトな筐体だと小さい鍵盤でキーボードを弾くのは難しいから、モジュラーシンセの操作じゃないけど、そっちに振り切った感じなんだね。これはカタログスペック以上にプレイしてみると楽しい楽器なのかも。
E-4 VOICE TWEAKER | 曲のアイデアをカタチにするカンタン・シンセサイザー
E-4は、ラップでもメロディを歌うのでも、どんとこいのボーカル・パフォーマンス・ツール。AIRA VT シリーズのようなデバイスだね。声をさまざまに変化させるエフェクト、ボコーダーなどが搭載されている。
ボコーダーはそんなに強力なバリバリ専用機のような感じではないが、一応、キャリアのサウンドもハーモニーも選べる。なんと MIDI 経由でボコーダーを演奏することも可能だ。
個人的にボーカルもの(ボーカル担当)には全く興味がないんだけど、Looper と Scatter を搭載しているところに惹かれる。別にオーディオ入力はボーカルでなくてもいい。例えばリズムループや、コードフレーズ、ピアノメロディなどを読み込ませてもいいのだ。それを Scatter で変化させたり。うん、楽しそうだ。
まぁ、自分は SP-404mk2 を持っているから、これは買わずにすむかな(笑)。
AIRA Compact シリーズに期待
50周年を迎えたローランド、やはりやるな!という感じ、Roland も KORG も過去の栄光に浸ることなく、攻めてるよね。実に面白い。私はとりあえず T-8 を予約したよ。来月、実機が到着したら、またレビューをお届けしようと思います。
最近は新製品が出た時には、メディアに加えてインフルエンサーには事前にマシンが提供されているから、発売日から濃いレビューやデモムービーが YouTube に載ったりする。一般ユーザのブロガーからすると、発表後によーいドン、ということで、正直ブログにまとめなくても Twitter で五月雨につぶやけばいいかー、とやり過ごすことが最近、増えているんだけど、やはり凄い新製品が出たら、自分でまとめておきたくなる。
AIRA Compact、そんな労力をバッチリ使わせる新製品でした。楽しみにしてます。楽器は楽しくないと。
手のひらサイズで音楽制作が楽しめる
\ #AIRACompact が登場!/TRドラムやTBベース、JUNOシンセ、VTエフェクト等、小型ながらも迫力あるRolandサウンドを使って、いつでもどこでも手軽に音楽制作ができます。
ラインナップは3種類。
ぜひチェックしてみて下さい!⬇️— Roland | ローランド公式 (@MyRoland) May 10, 2022
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