Waves が無償のサンプルブラウザー、COSMOS をリリースした。同時に、サンプラー音源 CR8 CREATIVE SAMPLER(こちらは有償)もリリースしている。あまりサンプルを多様する方ではないんだけど、50GB くらい使っていないサンプルが放り込まれたフォルダがあるので、COSMOS を使ってみることにした。
COSMOS : AI-Powered Sample Finder
COSMOS は AI-Powered Sample Finder というキャッチコピーが付いているが、ローカルディスクにあるオーディオサンプルを管理する専用ブラウザーアプリケーションだ。AI-Powered とあるがその通りで、プレビューや BPM / KEY といった情報に加え、オーディオサンプルを分析してジャンルや楽器、雰囲気などのタグを付けてくれる。例えば、「ドラムのサンプル」「ボーカルのサンプル」、「EDM ジャンルのサンプル」、「techno のシンセパッド」といった絞り込みも可能だ。
サンプルのブラウズモードは WAVEFORM / LIST / COSMOS の3種類があるんだけど、COSMOS ビューは昨年話題になった xln audio XO にそっくり(宇宙空間にサンプルが点となって広がっているやつ)。あー、ソックリなやつを出しちゃった、という感じではある。実際、比べると COSMOS の UI は大味で、XO ユーザからは劣化版に見えると思う。裁判になってディスコンにならないか心配だけど、XO も Atlas からパクった感があるので、いたちごっこかな。
インストールしたアプリケーションはスタンドアローンで動作する。アプリケーションフォルダの Waves フォルダにある。特典の Waves サンプルは 4GB ほどあり、アプリケーションとは別にインストールが必要だ。
サンプルを読み込んでみる
実際にサンプルを読み込んでみた。HD にある 2GB 1,500ファイルあるサンプルを COSMOS で読み込んでみる。読み込み処理にかかった時間は 7分25秒。悪くない。50GB あるフォルダを処理したけど、一晩で読み込みは完了した。
Waves の AI サンプルブラウザー COSMOS について。#wavescosmos #waves
HD 2GB 1,500ファイルのフォルダを読み込ませてみた。
処理にかかった時間は 7分25秒。
タグ付けやマッピングは完了している感じ。
付いているタグはまぁまぁ、合ってる。 pic.twitter.com/GA5B0I0pA0— 波形研究所 気になるニュース😃 (@waveformlab) February 16, 2022
オーディオ分析はなかなか
付与されているタグは「なかなか当たっているねー」というレベル。ロータムをキックと付与することはあるが、正解率云々ではないので、使ってみると便利だなと感じる。もちろん、タグが付けられたサンプルを検証しているだけで、付けられるべきサンプルにタグが付いているか、という話はあるけど。
付与されるタグは辞書からマッチするものが大量に付与されるらしく、プルダウンから選ぶようにはなっていない。フィルタのタグの数はウィンドウサイズを大きくすれば多くなるし、条件でフィルタすると、その検索募集合にあるタグを羅列してくれる。Drums と drum が別れていたり、ここも大味だ。
REX は対象外
XO 同様に REX ファイルはクローリング対象外。REX ファイルは使い勝手がいいので残念。REX に対応すれば XO を買ってもいいな、という気分になってる。
サンプル管理をどうするか
デスクトップとノートなど複数の環境で音楽制作をする場合、このサンプルアーカイブの扱いが面倒。解決法としては、サンプルアーカイブをネットワークで共有できるようにするか、クラウドストレージに置いて COSMOS や XO で管理するか、Loopcloud のようなクラウドストレージ付きのサンプルサービスを使うか、ということになる。
クラウドストレージ活用は方法としてはありだけど、50GB(少ないほうだと思う)の容量が全部のマシンで必要になるし、OneDrive は macOS のアノ件もあって、オンデマンド同期が勝手にオンになったりと、環境が不安定。
クラウドにアップロードしたサンプルを分析してタグ付けしてくれる Loopcloud が決め手だと思うけど、クラウドストレージ 50GB で 月額 1,395円かかる。うん、でも、Loopcloud がいいのかもしれないね。Loopcloud のサンプルも合わせて探せるようになるけど、サンプルが多すぎてうんざりするかも。
目的はサンプル活用か、アーカイブ整理か
今のところサンプルを COSMOS に読み込んだだけで、楽曲イメージにあったサンプルを探している訳ではないので、50GB のサンプルアーカイブから「これは絶対に使わないだろうな」というファイルをポチポチと消したりしている。気分はスッキリするが、この作業は実は不毛でなんの意味もないんじゃないだろうかと理解しつつある(笑)。
まぁ、無償だから使ってみない手はないだろう。COSMOS を使って便利だな、と思った人が XO を買ったりするんだろうな。
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