電子ピアノ YAMAHA P-525 使ってみたレビュー – 弾きやすくサウンドも素晴らしい、バイノーラルの YAMAHA CFX グランドは本当にヤバい

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YAMAHA P-525

日入手した電子ピアノ YAMAHA P-525 について。2週間ほど使ってみたのでレビュー。電子ピアノの選定プロセスについては別で書いているので参照して欲しい。

YAMAHA P-525 使ってみたレビュー

設置・本体のデザイン


今回購入したのは、YAMAHA P-525 本体、対応スタンド L-51B、対応ペダル LP-1B だ。これらが合体して「据え置きタイプの電子ピアノ」が完成する。ブラックモデルをチョイス、全部 Amazon で購入した。かなり大きい箱で配送されてくるので覚悟しておこう。

モノは大きいが組み立て自体は簡単だ。スタンドを組み立てて、ペダルをスタンドに取り付けて、本体を設置する。すべてネジ止め。インパクトドライバーで作業すればサクサクだ。説明書通りに組み立てるのだが、注意点があるとすれば、スタンド後ろ側の仕切り板は黒いデザイン加工面を上にすることくらい(間違って取り付けたら木材面が意外にも気になり取り付け直した)。

P-525 のブラックモデルはなかなかの高級感がある。フロントパネルはステンレス・木材・プラスティックがうまく使われており、また、ボタンガイドの文字も白文字ではなく黄金色で上品だ。YAMAHA KX-88 のフロントパネルロゴみたいでイイ。

附属の譜面台も位置・角度・大きさともにグッド。譜面台は透明なので常設しても存在感がない。譜面への運指メモも安定感があるので安心だ。

操作性・サウンド

YAMAHA P-525

電源を押せば5秒でヤマハ CFX グランドがスタンバイ。このアクセス性が相当に良い。これまでは YAMAHA KX-88 に iPad mini のピアノ音源 KORG Module Pro を KORG PlugKEY に接続して、なんてやってたので、ボタン一発でピアノが弾けるのは実にいい。P-525 はリビングに置いてあるので、テーブルに座っていても振り返ってすぐ音が出せるのは大変よい。Instagram で「おお、このコード進行いいな」なんて時にすぐにピアノに触ることができる。

蓋付きのスリムタイプの電子ピアノを検討していたが、結果的に「カバーなし」で良かったと思っている。

ステレオフォニックオプティマイザー、リバーブ、コーラス、EQ と 12種類のエフェクトを搭載している P-525 だが、基本、デフォルト設定で弾いている。リビングでの練習(プレーヤーが弾いている音を確実に確認できる・控えめな音量)では、ボリュームは10目盛の 2-3あたり。中央の 5だとアップライト実機程度・人に聴かせる音量。室内で使う場合は 1-5 で足りると思う。

フロントパネルの音色ボタンで直行できるピアノは CFX グランド・ベーゼンドルファー、エレピが RHODES 風のステージエレピと「定番ラインナップ」が配置されており、アクセスも良い。ピアノは当然だが、エレピ音色もヤマハの本気を感じる。DX EP だけでなく、Wurlitzer やコーラス・パンのかかったエレピと弾いていて気持ちいい。

YAMAHA P-525 ペダル設定
ちなみにオルガンは左のペダルでレスリースピーカー効果をオンオフできる(なるほどね)。3足ペダルだと、楽譜アプリの前後めくりをペダルにアサインできるらしい。

ひとしきりスピーカーで弾いた後はヘッドフォンでプレイしてみよう。ヘッドフォンプレイで驚かされるのが、バイノーラルサンプリングされた CFX グランドだ

「バイノーラルサンプリング」とは、ダミーヘッドを用いて奏者の耳と同じ位置に専用のマイクを備え付け、聴こえてくるピアノの音をそのままサンプリングする方式です。

ヘッドホンを着用していても音がピアノ本体から自然に響いてくるような臨場感が得られ、まるでグランドピアノの前に座って演奏しているような立体的で自然な響きを体験できます。そのため、長時間ヘッドホンを使用しても、ヘッドホンをしていることを忘れるほどに快適です。

このバイノーラルサウンド、とにかリアル。ヘッドフォンではなくスピーカーで鳴っているのかと戸惑うレベルで、弾いていると確実にピアノの奥行きを感じる。音の響きもよく、「あぁ、天井が高いスタジオで弾いているなぁ」と感じる。ヘッドフォンでの練習のモチベーションが激上がりする機能だと思う。

iPhone・iPad 連携

iPhone / iPad とは Bluetooth で連携する。いわゆる Bluetooth スピーカー機能で「スマホの楽曲を鳴らしながら練習したい」時に便利だ。標準の Bluettoh Audio なので専用アプリを使わなくても楽曲を再生できる。というか、これがかなりいいサウンドで鳴ってくれる。リビングの据え置きのスピーカーを導入した感覚になる。テーブルで使っていた JBL Pulse がお役御免になった(笑)。

そして、Bluetooth で送信できるのはオーディオだけではない。Bluetooth MIDI にも対応!しているのだ。iOS のアプリを P-525 で配線なしに使うことができる。KORG Gadget を起動しておけば P-525 で Gadget のシンセをプレイできる。Gadget のアウトプットも Bluetooth 送信してくれるので P-525 のスピーカーでピアノと MIX して鳴らすことができる。

YAMAHA P525 コードアプリ連携

個人的には iOS のコードネーム判定アプリとの連携が最高に便利だ。ちょっとコードネームを調べたい時にアプリを立ち上げて譜面台に置いておけば、鍵盤で弾いたコードが iPad mini に表示される。iPad mini / MacBook Pro でアプリを立ち上げて MIDI キーボードを接続して、という手間がなくなった。

Blueetooth だけでなく、USB でも接続できる。P-525 は USB MIDI / Audio インターフェイスにもなるから、プレイデータの保存や DAW 連携も可能だ。DAW と接続するマスターキーボードなら Native Instruments Kontrol S シリーズを選ぶと思うが、DAW 接続ができるのは心理的にも安心感がある。USB オーディオ仕様は 44.1kHz/24bit だ。

ちなみに P-525 は USB 接続のほか Wi-Fi にも対応しているらしく、別売の無線LANアダプタ―UD-WL01を使用すれば Wi-Fi 接続もできるようだ。

スマートピアニスト

YAMAHA Smart Pianist

P-525 のエフェクトやグラウンドピアノの設定、詳細設定をコントロールできる Smart Pianist というアプリが用意されている。本体のメニューボタンと矢印キーを組み合わせて行う操作を iPhone や iPad から行える。本体での操作はわかりやすいが、面倒ではあるので助かる。というか、設定をいじる時はこのアプリを使っている。

YAMAHA Smart Pianist XGVoice
P-525 は 542種類の音色を収録しているが、その大半が XGボイスで、この音色を本体から選択するのが一苦労だ。リスト表を見ながら音色をポチポチ選んでいくのだが、このアプリを使えば音色選択だけでなく、フェイバリットのフラグも付けられるので便利だ。XGボイスにはなかなかいいものがあるので積極的に使っていきたいものだ。

「好きな曲のコード譜を自動作成」なんて怪しい機能も搭載されているが(苦笑)、ここらへんは使っていないので、使った時に報告しようと思う。

満足度はカナリ高い、素直にピアノを練習したくなる電子ピアノ

人生初の電子ピアノだったが大満足している。20万円でこれだけ便利な音楽環境が手に入るのだから投資対効果は高い。やはり据え置きピアノは強力だ。

そして、やはりヤマハのクオリティの高さを感じさせるプロダクトだ。ヤマハは機能の選択がピーキーな印象があるが、搭載すると判断した機能についてはクオリティが高く、使っていて「なんだこりゃ」という部分がない。必要な機能とサウンドを必要なだけ、というモットーが非常に高いレベルで実現されているのが凄い。

ということで、以上。P-525 を 2週間使ったレビューでした。


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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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