Steve Jobs が亡くなった。 Apple を創業し、NeXT 、Pixar とキャリアを重ね、Apple に復帰。パーソナルコンピュータ、コンピュータアニメーション、Web デザイン、プロダクトインダストリアルデザイン、音楽業界、スマートフォンとタブレット、 Apple の仲間と様々なイノベーションを実現し、多くの人の人生を変えた。まさに宇宙に衝撃を与えたカリスマだ。
Steve Jobs の偉業の数々は多くのサイトに譲るとして、ここは個人的なブログであるから、個人的な想いを書くこととする。1回では書ききれないかもしれないのでとりあえず、追悼 Steve Jobs(1)とする。
Apple Macintosh との出会い
パーソナルコンピュータとの出会いは、エンジニアの父が海外で買ってきた Apollo II という Apple II クローン。形が Apple II そっくりで Basic が動いていたが、「Apple にそっくりで笑えるんだ」と話していた父の言葉の意味は小学生当時の私には分からなかった。
中学〜高校時代は NEC PC-8000 シリーズや PC-9800 シリーズが全盛期。ゲームの世界では SHARP X6800 も注目を浴びていたが、個人的にはコンピュータといえばファミリーコンピュータ。その世界には全く縁がなかった。ゲームは好きなので BASIC MAGAZINE なども読んだりしたが、それはゲーム攻略のためであって、パソコンには興味がなかった。大学に入ってもワープロは使うがコンピュータは所有せず。そんな完全文系な人生だった。
Mac との出会いは卒業まじかの大学生の頃。最初に触ったのは Macintosh は SE-30 。白黒モニタの一体型。コマンドベースであったパソコンがマウスでひょいひょい動いたのには衝撃を受けた。しかも、なんといっても一体型の小さなボディが可愛かった。
パーソナルコンピュータでやりたかったのは「音楽」。 KEYBOARD MAGAZINE を読むと、「アタリかマックか」と書いてあった。中学からの親友がコンピューティングテクノロジーに造詣が深く、「音楽やるなら Mac だろ」と薦めてくれて、全くの素人の私にいろいろ教えてくれた。
自分が初めて買った Macintosh は Centris 650 – Spec(1993年)。Motorola MC68040 を搭載、OS は漢字 Talk 7.0.1、CD-ROM ドライブを標準搭載。秋葉原の「ハイパークラフト」というお店で買って、お店の人がこっそり海外の PLAYBOY CD-ROM を付けてくれて、なんかおそろしく小さい小窓で水着のお姉さんがカクカク動いているのに「これが QuickTime かー」と感動したもんだ。
コンピュータについては全く知識がなかったが、オンラインデータベースを提供するいわゆる IT 系の会社に就職したこともあり、毎月 MacLIFE と MacPower の両方を買い、Mac に、コンピュータテクノロジーに夢中になった。プログラミングには全くもって踏み込まなかったが、パワーユーザをめざし(笑)、HyperCard から Adobe Photoshop 、Strata Vision 3d 、Opcode Vision など使いまくった。
こうして私の MacLife ははじまった。某国内大手コンピュータメーカーのグループ会社で自社製パソコンを使わず、Mac を使い続ける筋金入りの Mac ユーザになっていった。
ちなみにこの 1993年には WIRED が創刊しており、翌年発行を開始した「日本語版WIRED」が1995年8月号に「スティーブジョブズ特集」を組んだ。当時は NeXT の CEO だった Steve Jobs を意識したのは、この特集がきっかけだったと思う。この特集では「オブジェクト指向」や「NeXT とデザイン」を語る一方で、「ちょうど今、Pixar がフルコンピュータグラフィックの映画をディズニーと作っているところ」という発言がある。ちなみに手元にある 日本語版WIRD 1997年12月号ではジョン・スカリーが「ジョブズの戦略は間違っていない」という題名がついたインタビューが掲載されている。
スティーブというより、NeXT という不思議なワークステーションに興味を持ったのか、1993年の NeXT Computre System のカタログ(国内販売はキヤノン販売)が一式残っている。NeXTcube Turbo SXA760 32MB RAM 1.4GB HDD で ¥2,514,000 だ(笑)。
当時、普通の Macintosh に夢中なユーザ。 Apple の創業者のことは歴史として知るのみで、まさか彼が自分の愛するデバイスに致命的なコミットメントをしてくるとは全く知らない、そんな時代だった。
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