WWDC23 – 近年稀に見るイノベーティブな WWDC キーノートを考察(前半)

COMPUTERPDA / iOS Device / Apple Watch

WWDC23

WWDC23 について。Apple の AR デバイスが発表されたことから、近年にないイノベーティブなイベントとなった WWDC23 。Apple Vision Pro を除く前半について、キーノート発表内容についての考察をまとめておく。発表詳細は他のサイトでチェック。

Mac の新機種 / MacBook Air / Mac Studio / Mac Pro

15インチ MacBook Air

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まず、15インチ MacBook Air から。ノートブック型 Mac のエントリーモデルとなる MacBook Air だが、持ち運びやすい 13インチに加えて、しっかり使える 15.3 インチモデルが加わった。Apple Silicon M2 を搭載、15.3インチの Liquid Retina ディスプレイを搭載する。M2 MacBook Air は 4色展開。ミッドナイトやスターライトは美しくていいね。MagSafe の同色なんだ。

MacBook Air のスペックを MacBook Pro と比較してあれこれ言っても意味がない。「使いやすい Mac のノートブック」で十分なのだ。

Apple Silicon は Pro / Max / Ultra でない無印でも十分速い。だから気になるのは価格だけ、と思うんだけど、M1 13インチが 134,800円(税込)、M2 13インチが 164,800円(税込)、そして M2 15インチが 198,800円(税込)からである。一応、価格は幅広く選択できるようになった。10万円を切る価格で MacBook Air が買えた時代があったと記憶しているが、日本の国力の落ち込みをモロに反映しているので仕方がない。日経平均は絶好調だが本日の為替レートは $1 = 139.36円であり、もう円高基調への変換を願うばかりだ。

個人的には 12インチの超薄 MacBook を重宝していた ので、M2 13 インチも買いやすくていいな、なんて思う。

MacPro

WWDC23-MacPro
Mac Studio は飛ばして、遂に登場した Mac Pro。デザインは変わらなかった。昔、コンピュータといえば拡張ボードを足したり、CPU を換装したりしたもんだが、その名残を感じられるタワー型にはやはり「夢」がある。24コア CPU / 76コア GPU / 192GB ユニファイドメモリと、もはや何がどのくらいスゴいのか分からないスペックだが、だいぶ昔の Xeon プロセッサモデルの数倍ということで、パーソナルコンピューティングの限界点って、ここらへんなのか、とも思う。

1,048,800円(税込)スタートで、最上構成・ラックマウントで 1,790,600円(税込)と、もはや法人ユースでも買えない価格。ハイコンピューティングの焦点はもはやメモリ帯域や CPU のスピードではない世界に到達しているのも事実。数年経てば価値がとんでもなく激減することから、そこにはロマン以外の要素が見当たらないが、Mac Pro が出たのは良かった。Mac Studio が最も速い Mac というのはイメージがイマイチだったので(筐体のデザインね)。

かつて Quadra や G5 タワーを 50万円オーバーで買っていた(もちろんローンで)。その時代から米国の所得は 1.4倍になっているから、ひょっとすると Mac Pro は世界的にはそんなに高くないのかもしれない。ありがとう自民党。

iOS 17

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今回の iOS 17 のアップデートはバランスがいい。新機能をガンガン付け足すのではなく、基本的なアプリケーションやインターフェイスをアップデートしているのが良い。言語モデル( Google Transformer ありがとう)を使った AI によるテキスト自動修正・候補提示は使ってみないと分からないが、現在の Apple に出来るだろうことをきちんとやっている。

そして、新しいアプリケーション、ジャーナル が楽しみだ。日々の活動の日記を綴ることができる全く新しいアプリケーションで、今年の後半に登場するとのこと。

ジャーナルはいわゆる日記アプリだが、コンタクト・場所・音楽・写真・ポッドキャスト・ワークアウトなどのアクティビティを統合・サジェストしてくれる。Journaling Suggestions API は公開されているので、SNS なども対応してくるだろう。SNS フィードをこのアプリに取り込めれば、セキュアで長くサポートされるアプリで安心して日々の活動ログを残すことができる。

現在は Momento というアプリケーションを使って(プレミアプラン)、Twitter や Instagram、Facebook、Flickr、Swarm などのフィードを統合したアプリを使っているが、ほら、Twitter とかサービスがメチャクチャになってしまったから、日々の活動をまとめるのが大変になっている。また、アプリの継続提供も問題。

また日記を iPhone で書くのは辛いのだが、ジャーナルは macOS アプリとしても提供されるだろうから、iPhone で多様な情報をインプットして、mac で整形というのも良い。Evernote の日記メモはジャーナルに移行できそうだ。

でも、聞くところによるとジャーナルは遅れて提供のようだから、「?どこが変わった??」という感じになるのかも。

iOS 17 の新機能は このページにまとまっている。

iOS 17でiPhoneがよりパーソナルで直感的に
Appleは本日、電話、FaceTime、メッセージでのコミュニケーション体験をアップグレードするメジャーリリースとなるiOS 17を発表しました。

macOS Sonoma

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WWDC といえば Apple 開発陣によるコントが楽しみだったのだが、そういう遊び心は失われつつあるようだ。Steve Vai 風の3ネックギターを取締役が担ぐくらいで、新しい macOS のネーミング披露もあっさりしたものだった。14番目となる新しい macOS の名前はカリフォルニア州の都市ソノマとなった。

「美しいスクリーンセーバとパワフルなウィジェットが、パーソナライズのためのまったく新しい方法を実現します」と紹介される新 OS だが、地味ながらリモート会議アプリでのビデオエフェクトのプレゼンターオーバーレイは面白い。日本では全く使われていない FaceTime だけでなく、Zoom や Teams 、Webex で使えるのもイイ。わかってる。

また、Safari のトラッカー防止や、プロフィール機能は便利そうだ。よく使うサイトをアプリ化できるのも良い。言語モデルを活用した自動修正は macOS にも導入される。PDF 周りは強化されるみたいだが、Apple が PDF 周りをイジると必ずといっていいほど日本語 OCR データがグチャグチャになったりするので心配ではある。

Apple は macOS / iOS / iPadOS / watchOS / tvOS、そして新しく visionOS とかなり多くのオペレーションシステムを手掛けているが、チーム編成が良いのか、開発する機能にムダがない。各プラットフォームで必要とされる機能や、プラットフォームをまたぐ機能をうまく、横断的に実装している。macOS も円熟期に入って久しい。後述の visionOS での UI を考えると、macOS もあまり大きく変化させられないんだろう。

macOS Sonoma もバランスがいいと思う。少し地味だが、アップデートの内容は歓迎できる。macOS Sonoma の新機能は このページにまとまっている。

macOS Sonoma、生産性と創造力を高める新機能を搭載
Appleは本日、世界で最も先進的なデスクトップオペレーティングシステムの最新バージョン、macOS Sonomaをプレビューしました。

あ、macOS の「ゲーム諦めていないぞ」アピールはまだ健在だけど、あれ、何なんだろうね、小島さん。

iPadOS 17

WWDC23-iPadOS

iPadOS も地味ではある。macOS の PDF 周り、iOS のウィジェットやロック画面、ヘルスケアアプリの移植と、iPad ならではの強化点が乏しい。そんなことなら、既存のアプリケーションであるカレンダーや連絡先など、かつて PIM と呼ばれたアプリの強化でもしてもらいたかった。

iPad はタブレット専用のシステムであり、iPhone のアプリを iPad の画面サイズで動かすだけでなく、macOS のプロ・アプリケーションを iPad Pro のために動かすなど、開発チームの仕事は多い。

でも正直、iPad ラインナップにおける iPad Pro モデルは、そのうち Apple Vision ラインに統合されちゃうんじゃないかと思う。visionOS のアプリは iPadOS のアプリにそっくりだ。Mac との連携は visionOS では画面シェアリングをベースとしているので、visionOS のアプリは iPadOS アプリの移植と考えるのが順当だ。Apple Vision Pro はハイエンドなクリエーションタスクをカバーするものなのでターゲットが iPad Pro とカブる。「タブレットはデバイスとして便利」という側面から iPad がなくなることはないだろうけど。

visionOS-Framework

visionOS のフレームワークでは iOS のフレームワークと説明されているけど、実際は iPadOS のアプリは visionOS アプリと設計・仕様も近く、iOS からわざわざ iPadOS という専用のアプリケーションフレームワークを分離・管理するようにしたのは、当時、既に visionOS を設計・開発していたから、と考えるのが妥当。そんなことを感じさせる iPadOS 17 であった。

iPadOS 17 の新機能はこのページにまとまっている。

iPadOS 17、iPadに新たなレベルのパーソナライズと汎用性を提供
Appleは本日、ユーザーがロック画面をパーソナライズしたりウィジェットを操作するためのまったく新しい方法を提供する、iPadOS 17をプレビューしました。

watchOS 10

毎日お世話になっている Apple Watch 。新しいユーザインターフェイス、新しい文字盤、スヌーピーがやってくる!個人的にはディズニーキャラクターは苦手なので、子供の頃から好きだったスヌーピーは歓迎したい。アプリの使い勝手が良くなるのも本当に嬉しい。

でも一番嬉しかったのは、watchOS の責任者、Kevin Lynch がハイエンドの Apple Watch Ultra を使っていないことだ。ビデオで彼がデモをする Apple Watch はApple Watch Series 8 のステンレスモデルだ。「あんなもん、普通のモデルで十分なんだよ」と言っている気がする。気がしただけ。

watchOS 10 の新機能はこのページにまとまっている。

Apple Watchのマイルストーンとなるアップデート、watchOS 10が登場
Appleは、再設計されたアプリ、必要な時に関連するウィジェットを表示する新しいスマートスタック、新しい文字盤をApple Watchユーザーに提供するwatchOS 10をプレビ...


ソフトウェアは使ってみないと分からないことが多いけど、AppleSeed メンバーには Developer とほぼ同じタイミングで新 OS が提供される。今週末から使ってみるつもり。NDA があるので当然ながらブログで紹介はできないけど、「!」とか「?」とかはね(ダメなんですが)。

次回は、Apple の新しい AR デバイス、Apple Vision Pro について考察します。

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