気になっていたモーターフェーダーの定番商品、PreSonus の FaderPort がバージョンアップ、新しい FaderPort が発表された。旧機種となる FaderPort は FaderPort Classic と名称を変更している。
FaderPort Classic が Kill that Mouse!(マウスを殺せ!)をキャッチコピーにしているのに対し、新しい FaderPort は Don’t kill that mouse — give it a companion.(マウスは殺すな、仲間にするのだ)がキャッチコピー。ははは(笑)。
FaderPort – モーターフェーダーの超定番商品
FaderPort は DAW のフェーダーオートメーションを書き込む上で活躍する超便利な製品。フェーダーが1つしかないが、その分、非常にコンパクト。机の上に置いておいても気にならない。
DAW でミックスをする際に、フェーダーのコントロールサーフェスがあれば制作効率は飛躍的に向上する。ペンツールでオートメーションを記入していくより、トラックの部分部分で最適な音量を指定するにはやはりフェーダーが便利なのだ。
しかし、モーター機構を搭載しないフェーダーでは「初期値のリコール」が大変。というかリコールするのは無理。例えば -4.3db のベーストラックをフェーダー調整する場合、なんとなくフェーダー位置をあわせてからオートメーション入力をはじめなければならない。初回入力はともかく、曲の途中からフェーダー操作をするならフェーダーで書き込んでみて編集で再調整ということになる。モーターフェーダーならフェーダーの位置が都度リコールされるから便利だ。
「モーターフェーダーが1つで何か役に立つのか?」
実は1つで十分なのだ。例えば PreSonus もモーターフェーダーが 8機、16機搭載したコンソールを販売しているが、「8つで十分カバーできるか?」と問われれば答えは「無理」だ。今日び、素人がミックスするプロジェクトでもトラックが 8つ以内ということはまずない。
どうせすべてのトラックをカバーできないのなら、机の上を占領するコントロールサーフェスを置くより、1つのフェーダーだけあれば十分。だいたい複数のフェーダーを一度に操作するテクなんてないし。ということで、2012年に発売されたこの FaderPort は DAW 通なら常識の商品なのだ。
新しい FaderPort の特徴
上位機種と共通のブラックカラーになった FaderPort、タッチセンス付き解像度 10-bit / 1,024 steps の 100mm モーターフェーダーを継承、Pan 専用のノブが大型化 360度のダイヤルになってアサインが可能になったのと、旧製品では USB 1.1 だった USB仕様が USB 2.0 に対応したほかはあまり変わりがない。モーターフェーダーを使う時は外部電源推奨なのもそのまま。
中央のノブと左右のボタン操作による Session Navigator 搭載。ここは使うアプリケーションによるのかな。これでトラック選択ができれば便利だなぁ。
新しい FaderPort は FaderPort Classic と横幅はほぼ同じ(FaderPort 140 mm / FaderPort Classic 133.35 mm)。縦幅は 5cm ほど長い。
この新しい FaderPort、SweetWater では $199.95 で販売されている(旧製品との差は 70ドル)。日本での発表はまだだが、30,000円弱で発売されると思われ。
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2018.9.5
サウンドハウスで新モデルの販売が始まりました。
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