発売されるやいなや大人気の teenage engineering EP-133 K.O.II 。発売開始直後に品切れになり、実機が届きはじめると「フェーダー問題」でも話題になった。フェーダー問題は直輸入・国内販売代理店に関係なく、正常品を購入しても発生しうる問題であり、日々の操作でも壊しかねない問題なのでユーザは注意して欲しい。
さて、今回のエントリーでは、「直輸入で買ったけどフェーダー問題が発生したので、製品の交換を行なった」という話。自分は EP-133 K.O.II をオフィシャルサイトから直接買ったんだけど、フェーダー問題が発生していたんだよね。なので、手元の EP-133 KO2 をスウェーデンはストックホルムの teenage engineering 本社に送って、新品と交換してもらった。手続きや交渉の経緯・タイムラインなど紹介しておこうと思う。
フェーダー問題が発生、サポートに連絡する
海外から直輸入した製品が不良。本当にガックリくる。が、直輸入で製品を購入することはまぁまぁあることなので、こういうことには慣れている。大切なのは「うろたえないこと」だ。
「あー、やっぱり国内代理店から買えばよかったのか(涙)」「急いで買ったのは失敗だったか(後悔)」
など、よくない考えが頭を過るが、もう起こってしまったことなので仕方がない。EP-133 KO2 は国内代理店があるが、マイナーな製品は国内代理店がない場合もある(Polyend とかは国内代理店が途中で撤退しちゃった)。これは面白そう!と思って買ったんだから、自分の選択には自信を持って、心を乱すことなく、粛々とサポートに連絡するのだ。
手順1:製品保証の規約・ストアの規約をチェックする
実際にサポートに連絡する前に、製品保証の規約・ストアの規約あたりをチェックしておく。teenage engineering の場合、分解などの行為は保証対象外になり、保証期間は2年間だが、初期不良返品は商品を受け取った日から14日が経過する前にサポートにリクエストを提出しなければならない。「受取後 14日以内の申請」縛りがあるので、フェーダー問題のエントリーを早急に公開したんだ。
手順2:サポートに連絡する
support portal から warranty & repair に進み、repairs in EU and rest of the world (US and Canada excluded) – who do i contact ? をクリックする。画面下の for all other products by teenage engineering: のリンクから問い合わせる。
問い合わせ・交換・返品のフォームでは 本体のシリアルナンバーを記入する欄がある。シリアルナンバーは EP SAMPLE TOOL で本体と接続すると確認できる(左隅にバージョンとともに小さく表示される)。
リクエストのテキストは日本語で書いたものを deepl.com に翻訳してもらえば良い。いい時代になったものだ。
The fader on the EP-133 I just received is broken. When I move the fader, the fader parameters on the display do not move. The actual sound does not change either. I have updated the firmware to firmware 1.1.0 with no improvement. I would like to replace it with a normal product. Thank you in advance for your response.
リクエストを出すと、リクエストNo.が記載されたメールが届く。このメールは即日に届く感じ(昨年の 12月6日(木)のことだ)。
手順3:再びフォームで申請する
同日メールの返信がくる。お詫びとともに「 UPS で送るための書類・ラベルを作るので、もう一度フォームで申請して」と申請用のリンクが送られてくる。手順2とだいたい同じ情報をフォームに記入・申請を行う。申請を行ったらサポートのメールに「申請を完了したので確認して欲しい」と返信しておこう。
ちなみに、「全世界的に品薄だと思うけど、交換に数ヶ月かかる、なんてことはないよね」とメールしたところ、「大丈夫、保証交換用のユニットは別にとってあるから」とのことだった。
手順4:ラベルを印刷し、送る
12月11日(月)に送付ラベル・インボイス、2つの PDF がメールで送られてきた。送付ラベルは UPS の送付用ラベル(バーコードがあるやつだ)。インボイスは税関手続き用のファイル。製品を送られてきた箱に梱包し直し、送付ラベル(1枚)とインボイス(3ページあるので合計3枚)を印刷し、封筒やビニール袋に入れて箱の上部に貼り付ける。
準備ができたら、UPS に集荷を依頼する(集荷を手配する)。送り先はスウェーデンのストックホルム。送料がバカにならないが、このラベルを使えば送料は teenage engineering が負担してくれる。「送料はどうなるの?」なんてやりとりもした。ありがとう、teeenage engineering 。不良交換に新たな出費はなしでいけそうだ。
集荷に来たお兄さんに荷物を渡して作業は完了。送付後の流れはこんな感じ。
12月 14日(木)12:00 集荷
12月 18日(月)22:58 成田を離れる
12月 19日(火)03:28 中国 深圳
12月 19日(火)06:41 タイ サムットプラーカーン
12月 19日(火)11:06 インド ニューデリー
12月 19日(火)18:31 ドイツ ケルン
12月 20日(水)05:34 ドイツ ランゲンハーゲン
12月 20日(水)05:34 デンマーク グロストルプ
12月 21日(木)05:34 スウェーデン イェルフェッラ
12月 21日(木)10:32 スウェーデン ストックホルム 着荷
もうドラマだね(笑)。先方に届くまで7日。日本で随分と足止め食ったな。完全にクリスマスに突入してしまった。
手順5:新しいユニットが送られてくる
年が明けて 1月4日(木)に「新しいユニットをオーダー処理したよ」とメールがくる。オーダーNo.が書かれたメールがきて、あとは購入した際と同じプロセスとなる。翌日の5日(金)には集荷されて日本へ旅立っている。そして、12日(金)に到着。ストックホルムまで1週間くらいかかるんだね。
ほんの少し改良された梱包だが、キャップ装着には細心の注意が必要
ということで、新品のユニット未開封品が到着した。梱包に関しては少し配慮されている。外箱のクッション材がエアクッションになり、箱の四角が潰れることもなくなった。また、箱内での梱包も改良されたらしく、フェーダースライダーが箱の中でつぶれないようにゴムのクッションが巻き付けてありました。それ以外は変わりがない。
相変わらずスライダーのキャップ装着はキツい。これを力任せに押し込むとフェーダーの接点が潰れる。ということで、キャップ側の溝を少し削って、フェーダースライダーに無理がかからないように装着した。
という感じです。みなさん、気をつけて。
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