teenage engineering EP-133 K.O.II 買ってみたよ – 製品のアウトルックを整理、国内で買うか輸入するかなど

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teenage engineering EP-133 K.O.II

teenage engineering の新製品、サンプラー・シーケンサー EP-133 K.O.II が発売された。高価格帯製品・プレミア感が強い teenage engineering が 299ドルという誰もが手が届く価格で、かつ高性能でデザインが最高のサンプラーを出した、ということで話題になっている。

「どうせ、お高いんでしょ」とチェックするも、299ドルということでポチっとしてしまった。昨日届いていたので、週末の楽しみになった。ポチった後は全く情報を集めていなかったし、YouTube の動画も見ないよにしていたのだが、いよいよ操作のために、と把握した情報をまとめておく。

EP-133 K.O.II

teenage engineering EP-133 K.O.II

teenage engineering の Pocket Operator(ポケットオペレーター)は小さいボディにシンセサイザーやサンプラーを詰め込んだ楽しいガジェットであったが、少し触らなくなると忘れてしまう操作性から、ひとしきり遊んだ後は飾るオブジェ化したり、ヤフオク・メルカリで売却する人も多いのではないかと思う。自分もいくつか所有していたのだが、手元に残っているのはサンプラーの PO-33 K.O! だけだ。

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この PO-33 がハンディ電卓であったのに対し、大きい電卓バージョンが今回の EP-133 K.O. II だ。

スペックを紹介していく。

  • マイクとスピーカーを内蔵
  • ステレオ6ボイス/モノラル12ボイス
  • 64MBメモリー 、999サンプル・スロット
  • 内蔵エフェクト
  • 感圧キーと多機能フェーダー
  • サンプリング周波数:48 kHz / 16-bit
  • 1xステレオ入出力、シンク入出力、MIDI入出力、USB-C
  • 電源:単4形乾電池4本、またはUSB-C経由
  • 寸法 240 mm x 176 mm x 16 mm
  • 限定版10インチ・コレクターズ・ボックス入り

ハードウェア

teenage engineering EP-133 K.O.II

まずはハードウェアから。まぁ、デザインが何よりもイイよね。昔の大き目のオフィス電卓のようなデザインであり、よくみるとボタンだけではなく、回転するノブ、フェーダーも搭載されている。カラーリングはどこか AKAI MPC を彷彿させる。というか、モロにアカイだろ。やはり AKAI は偉大だったな、と思う。

実機のプラスティックの質感は良く高級感がある。ボディは LEGO と互換性のありオリジナルのデコも可能だ。

USB給電のほか単4電池でも動作する。右上にスピーカーが内蔵されているので、電源を入れれば単体で楽しむことができる。インターフェイスまわりは USB-C、MIDI、SYNC、INPUT、OUTPUT という構成で、マイクが内蔵されている。中央に大きなカラーディスプレイがあり視認性が抜群だ。Pocket Operator のディスプレイはデコが強烈でイマイチよく分からない感じがあるが、K.O.II のディスプレイは各操作やパラメータを表示しており直観的になった。

teenage engineering EP-133 K.O.II

パッドはなんとベロシティ対応だ。キータッチはパッドというより日本製の電卓に近い。個人的に電卓は、本体を左に少し傾けて、人差し指・中指・薬指で操作する習慣があるのだが、触っている感じが「電卓」で操作しやすい。適度にキーが離れているので打ちやすい。MPC・MASCHINE とも違うし、SP404 とも違う。実に電卓。

サンプラー部

EP SAMPLE TOOL
K.O.II は基本、ステレオサンプルに対応したサンプラーだ。メモリはレトロな感覚では広大な 64MB 。ここらへんの制約はむしろ気持ちがいい。マイクでの入力か、専用の Web アプリケーション EP SAMPLE TOOL を使って流し込む。また、内蔵音源としてかなりのボリュームのサンプルが収録されているので、自力でサンプルを用意しなくても楽しめる。

※ ファクトリーリセットをかけるとサウンドが消去されるらしいので気を付けること。戻せないプロジェクトファイルなどがあるみたい。

サンプルは KICK, SNARE, SYMB, PERC, BASS, MELOD, LOOP, SFX, USR などカテゴリ別に管理できるので良い。カテゴリは番号と連動した設定でプリセットが構築されており、00-99 が KICK、100番台が SNARE、400番台が BASS と分類されているので、サンプル探索が分かりやすい。そして、ロードの反応が実に速い

サンプルは A-D の4つのスロット × 電卓の黒キー12個分格納できる。このスロットもデフォルトでは、A がドラム、B がベース、C がメロディ、D がフリーと統一されているので、ワークフローとしても分かりやすい(実際には各スロットには何を入れてもいいが、分かりやすくそう設定されている)。

サンプルは再生位置を調整できるし、ロードしたサンプルをスライス・チョップしてキーにアサインすることも可能。エンベロープでアタックの「プツ」を消すこともできる。まぁ、EP SAMPLE TOOL が有能なので、使い勝手はかなりいい部類だと思う。

音質は 48kHz/16bit 。64MB のメモリということで、もっと低品質のサンプルを入れられても良さそうなのだが、変換されてしまうので容量が気になるかも。将来的にサンプリングレートを選べるようになるかもしれない。

イヤフォンで聴いたサウンドは「結構、低音までしっかり出てるな」という感じ。48kHzu はダテではない。32-bit float signal chain, 24-bit ADC / DAC 処理ということで、音質のスペックは高めだ。ただ、USB-C 経由でオーディオを送受信できる訳ではないので(USB-C では MIDI デバイスとして認識される)、そこは残念。DAW 連携などハイスペックな Roland SP-404 mk2 と比べるのは酷だが、値段は同じようなものだからなぁ。

シーケンサー部

EP133 SEQ
リアルタイムとステップ入力の双方が用意されており、リアルタイム入力はクォンタイズも可能だ。

シーケンスはいくつかのレイヤー( PROJECT / SCENE / PATTERN )で管理される。一番細かく基本となるのが PATTERN(パターン)で、パッドにサンプルをアサインした GROUP(A/B/C/D)を演奏して作成する。SCENE(シーン)はパターンを並べたものであり、シーンを並べた一番大きな概念が PROJECT(プロジェクト)となっている。

パターンは A-D のグループごとに 99個、シーンは最大 99個、プロジェクトは 9つを保存できる。

操作マニュアルはまだ読んでないが、ここにある、ということでメモ。また、新しいファームウェアが出ている。実機が届いたらこっちもチェックしておこう。

EP–133 guide
EP–133 K.O.II is a 64 MB sampler and composer. just like its pocket-sized predecessor PO-3...

日本で買うか、本家から買うか

本家も日本でもしばらくは売り切れとなっているのだが、日本版を買うべきか、本家から直接買うべきか、私見を紹介しておく。

自分は本家から買ったのだが、輸送料金は無料で価格は $299 + 関税だ。厳密には Paypal のレートになるが、150円で換算したとして 44,850円、UPS が税関で立替えた関税が 2,500円で、47,350円ほどで購入できた。安く買いたいなら本家から買うのもいいだろう。

問題は teenage engineering の製品品質だ。正直、彼らのモノづくりの品質はそれほど高くない。現にフェーダーまわりの不具合が報告されていたりする。代理店では実機を検品をしているようなのと、製品の保証・やりとりを考えれば国内代理店の方が安心だ。

実際、本家から直輸入した EP-133 K.O.II の初回限定パッケージの箱は右上の隅が潰れていた(苦笑)。梱包は大き目の箱に本体を入れて紙のクッションを入れたくらいなので、個別梱包時なのか輸送中なのか、まぁ、どこかでつぶれたのだろう。国内代理店ではあからさまにシワが寄っている箱で送ってくることはないだろう。

とはいえ「5万越えの製品ではないよな」と思うので、直販購入も悪い選択ではない、と考えている。

あと同時に発売されているグッズはぜひ日本でも扱って欲しい。待ってます。

追記:フェーダー問題をまとめました

teenage engineering EP-133 K.O.II フェーダー問題について
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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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