GADGET SONIC 2021 WAVEFORM LAB PICKS Vol.3

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GADGET SONIC 2021

GADGET SONIC 2021 WAVEFORM LAB PICKS Vol.3 です。真夏のイベント GADGET SONIC 2021 の応募作品を対象に気になる曲をピックしていきます。Vol.3 だけど、応募時期的に作品が多いよ。しかも力作ばかり。

GADGET SONIC 2021 WAVEFORM LAB PICKS Vol.1
GADGET SONIC 2021 WAVEFORM LAB PICKS Vol.2
GADGET SONIC 2021 WAVEFORM LAB PICKS Vol.4

GADGET SONIC 2021 WAVEFORM LAB PICKS Vol.3

cage_ / Ten-Ya & Wan-Ya

爽やかなハウスソング。基本となるピアノパターンがグッド。ただこの曲の神髄はキックだと思う。頻繁にキックが入ることでベースラインがないことを感じさせない。残念なのは 2分と楽曲が短いこと。もっと聴きたい。グルーブを停めてみたり、コードを入れたり、アルペジオを入れたり可能性は無限大。余力を残して 2分で去る、というのも潔いけど、うん、もっと聴きたいですね。

Sean Winter / Badass J.A.M

ジャケットがいい(これは本当だが嘘)。イントロの夏を感じさせる短いSE、いいっすよね。メインパートは音を聴いた瞬間に Sean Winter 氏だなと分かる個性。グルービンなフレーズから入るのんだけど、その後に迎えるのは移調しまくりのパターン。それはガンガンに疾走感を増して聴く人を置き去りにするようなソロ展開に突入。そう簡単には置き去りにされないぜ!と猛烈に追随すると、オープンに広がったバースへ突入。ピアノのフレーズパターンからのすっ飛ばし方も最高。玄人好みなのかもしれないけど、個人的に好きなタイプです。

xxkadotani / マーキュリー #3

スケッチショウのようなミニマルなソング。驚いたことにボーカルが入っている!ちょっと切ないコード進行。逡巡するような循環コードまわしがイイ。コードの流れは迷いつつも目的地がちゃんとある。このコード進行、あとで楽譜にしてメモしておこう。KORG GADGET だとボーカル処理とかに限界があるのかもしれないけど、ちゃんとリミックスするとマジで大化けしますよ、この曲。今回のコンテストでこの方向では最高の楽曲だと思います。うん、凄くいい。

イモリ / Sleeping

楽曲だけ聴くと丁寧に整理されているから分からないけど、WOLFSBURG 何台並べてんだよ!という(笑)。この面白さは YouTube だと伝わらないか。でも、楽曲はそんなにシンセを横並びにしている感じには聴こえない。揺れるコードと太いベースはコードと合わさることで面白いストーリーを語ってくれる。中盤のシンセのアルペジオを聴くと分かるけど、結構、コード進行が練られている感じ。このコード進行が簡単に捉えられないので、曲が進むとワクワクしてくる。多くのクリエーターをインスパイアするんじゃないかと。

KeterBear / Ethos

あらら、この時点で KeterBearさん 3曲目。俺はストーカーか(笑)。リズム・ベース・ストリングス・ピアノ・サイン波シンセと自分が作る楽曲の最強メンバーと構成が似ているからなのかな。いや、楽曲がいいからだ。3分という短い曲の中でもゆったりとしたパートと疾走感があるパートがちゃんとある。本気をバリバリに出さずに抑制している感じに余裕が感じられる。とにかくよく働くベースと歯切れのよいストリングがお気に入り。音選びがいいのかな。各サウンドがイキイキとしている。でも、KORG GADGET だもんな。

MIX-MAX / KORG Gadget 2 for iOS – Tokyo Scrap

最初のリズムパターンを聴かせた瞬間で既にこの楽曲の狙いが伝わる。これも、Tokyo を何台つなげてるんじゃ、という話だけど、Tokyo はリズム音源。おいおいリズム音源でここまでやっちゃうの?これ、Tokyo だけ演っているように聴こえないですよ。音源がどうとか、というのは曲の本質から外れるのかもしれないけど、クリエーターとしてはチャレンジしたくなっちゃうよね(自分も Chicago だけ、とか Salzburg だけで作ったりしてるんだけど、やっちゃうよね)。アウトロも最後までやりきったぜ!という爽快感がある。グッジョブ!

RedStoneBridge / フリフリ – tail wagging the dog

KORG GADGET だとエレクトリックな曲調が多いけど、普通にロックが出てきた。もうびっくり(笑)。今回楽曲を作るにあって、ドラム音源の GLADSTNE を検討したんだけど、結構アコースティックな音源もしっかりしてるよね。オーディオ読み込み系で作っているんだと推測するけど、余裕があればギターはパートでオーバーダブして作るんだろうな、でも KORG GADGET だとね。マスタリングエフェクトも必要になってくるんだろうか。GADGET SONIC に夏のロックライブフェスの空気を持ち込んだチャレンジングな1曲。

thickone / “GS2021 BADHABIT – 皆の居る島国”

thickone 氏とは Allihoopa からの長い付き合いんだんけど、この楽曲も iPhone で作ってるんだね、器用すぎる。スマフォでもパソコンでもスイッチでも、作った楽曲のクオリティはみなしっかり揃えてくるのが凄い。自分は KORG GADGET であっても iMac でしか作らないから。この楽曲はちょっと深いと思うんですよ。基本フレーズを流しながらリアルタイムで曲を作ってる感じがする。前半の終り部分とかも少数部隊で谷を作ってるけど、少数部隊の方が耳に強く印象として残る。メインの細いシンセフレーズも顔を出したり隠したり。ちゃんと最後まで聴かす演出って難しいと思う。

japodragon / playful

最初のイントロでクリエーターが分かる。自分だったらイントロのフレーズだけで 2分やる。それくらいに美味しいフレーズ。しかもイントロからスピード上がってない?これ。どうやってるんだろう。ハリーアップ!って音源入れるとテンポ上がるんだろうか。ちょっと音がブーミーだけど特有の世界観。どこか西洋っぽい。この人の楽曲はリズム隊がポイントだと思っていつも聴いています。

MN:tron / Dolphin dive – Korg gadget2 play Electro

MN:tronさん再び登場。タイトでノリが気持ちよいテクノ。これも iPad で作ってる?中盤のブレイクの後も、とにかくノリがいいよね。聴いていて首が動く。出てくる音も絞られていて、各サウンドが絶妙の役割を担ってる。最後の高い音のシンセとか最高。うん、気持ちい。これだけ潔い楽曲が作れればなぁ。残念ながら SoundCloud アカウントにはこの曲あがってない。

vionan / Yumeji

この楽曲、ピックする前から Like してた。気持ちいい曲だよね。グリッチ的なミックスに後半はサイドチェーンっぽくなっていて、これも作るの大変だろうなと。ベースとなるシンセパターンが素直なサウンド。これがシンセなんだよ。シンセソロもあり大満足。楽曲はシンセの世界観で作ってるんだけど、聴き終わった時になんかこう、なにか「提言」を感じるんだよね。それで聴き返す人も多いのでは。作りの良さだけでなく、クリエーターのモチベーションの断片が伝わってくる1曲。

Swenzy / Gimmick Shuffle for GS

またまた玄人登場。ファンシーな世界観のある楽曲。こういうのは100年経っても作れないだろうなぁ。ならば作れる人の楽曲を聴いて楽しむしかない。サウンドが非常にタイト。ディケイというか音の切り方が半端ない。アイデアもバラエティに富んでいながら、こういうの出来るんだぜ!というテクニック論ではなく、リスナーが楽しめるところに注力しているのがさすが。2:46 ね。もう少し長く聴いていたいな。

K75Ω / 淡雪

一気に冬の風景に引き込まれるような楽曲。イントロなんてピアノだけで乗り切るのは勇気がいると思う。しかも単音のパッセージ。そのチャレンジがリズムが入ってからも生きてる。凄い。冬っていってもいろんな風景があると思うんだけど、中間からのポツポツとしたシンセの導入でパラパラと雪が舞う姿をうまく表現している。しかも曲調的には盛り上げすぎず(冬はそんなものではない)、なんか残る感じがして素晴らしい。

Taiki overthere / Weather Report

Weather ですか。フュージョンキーボーディストとしてはトラウマのネーム。ところが楽曲は元気が出るというか。イントロなんてロッキーかと思うくらい、展開の期待が膨らむ。そしてメインになると、おいおい、ボーカルが入ったよ!ボーカル後のコード処理はちょっと分からなくて、それが不安定な雰囲気を産んでいる(天気は不安定だから)。ギターのソロで視界が一気に広がる。最後のコードチェンジしたあたりから、シンセソロを入れて終わりたい(笑)。

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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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