GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS Vol.4 – たくさんの楽曲をありがとう。

MUSIC

GADGET SONIC 2022

形研の WAVEFORM LAB PICKS の第4弾、今回はエントリー 4期分(48曲)から独自にピックしていきます。波形研究所のピックも最終回。ピック最後に今年のコンテストの感想も書いておきました。また来年会いましょう!

GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS

今年も GADGET SONIC GREEN / RED / BLUE の 3ステージでの BEST OF SONIC、SONIC OF THE YEAR が選出されました。

BEST OF SONIC、SONIC OF THE YEAR には選評として楽曲に対するコメントがついていると思います。やはり作った曲にフィードバックがある、というのは嬉しいものです。「フィードバックって本当に大事だよな」と思う次第。ならば、自分も積極的にフィードバックするのもいいかな、と思い、GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS をお届けしようと思います。

GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS は受賞作品とは関係なく、全応募作品 から、あくまで私個人が「いいな」「ほう、これは!」と思ってコメント、制作者の苦労をねぎらい賞賛するもの。ランキングのような優劣はつけず、応募作品ページの順番にピックしていきます(コメントがなかった作品はごめんなさいね)。

お互い、「面白い」「ここがいいねー」なんて作品があったら、コメントつけてあげましょう。ギブ&ギブですよ。

今年は 200曲を越えているんだって?気合い入れて行きましょう!

GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS – Vol.4

八岐大蛇「202208」

なんか歌が入っているものの、歌詞が思い浮かばないと動画に書いてあるんですが。八岐大蛇さんの「おちゃらけていると思わせておいて無駄にカッコイイ曲」です。音楽で遊ぶ・音で楽しめるのはクリエーターの特権ですよ。そんな曲も、中盤からは壮大なエマーソン・プログレ大会に。EL&P ファンは必聴。こういうモロ・エマーソン的な曲もいつか作ってみたい。

kubonnu「水天一碧」

これはカッコいいテクノだね。5/4拍子が気持ちいい。キックパートからは変拍子であることを感じさせない楽曲として自然な演出。それにしてもこのキックの音いいな。サウンド・スケープ、世界観があるのは kubonnuさん、さすが。

Sean Winter「Stranger (KG Rebirth Mix)」

Sean Winter さんらしい疾走するトランス。KORG Gadget の魅力を最大限に発揮してます。「細部に神は宿る」といいますが、細かいところのアレンジや処理は参考になります。GADGET SONIC のライブパフォーマンス大会などあれば観てみたいですね。

Ginger Oh Well「After the Collapse (edit)」

ノーリズム・アンビエント。夏の終わりにフィットする楽曲。中盤からピアノのモチーフが重なるんだけど、これが興味深い。ピアノ弾きスタイルを DAW で表現しているのではなく、打ち込みとして、ピアノのサウンドをあてている、というか。「ピアノはこうあるべき・こう弾くべき」なんて制約から解放されてサウンドを考えると、こういうのもアリなんだな、と独り感心しました。うん、いいですよ。

フリー音楽素材花鳥風月「little hope」

この曲、アーケードゲームの To be continued ? クレジット入力の時の音楽みたいだ。Out Run のエンディング・ミュージックが好きなんだけど、それを彷彿させられてピック。いい曲です。

fmhamaddd!!「こんにゃく![UTAU:春歌ナナ]/Konjac! [UTAU:Haruuta Nana]」

ほぉ、今は普通に「歌」を入れてくるだね。時代の断絶を感じる。軽快なビット・チューンをピック。聴いていて楽しい。ミクをはじめとするボーカロイドやビットチューンのクラスタには入れなかったので(能力というより感性が追いつかなかった)、あー、こういうのやってみたかったなぁ、と思わせる「コンニャク」についての楽曲です。グレイト。

POPFACES「Bluebirds」

うまいね!爽やかないい曲。楽曲として好き。サウンドではシンセ・メロもいいんだけど、その後ろでうっすらと鳴ってるエレピのオブリガードがとても気持ちいいんだ。そしてギターソロもナイス・トライ。ソロ終盤の転調へのアレンジはキテる、アガる(そして後で音を採る)。フェードアウトで終わらないのもいいね。

thickone「GS2022 “Separated Taste” with my Phone」

ミニマルなグッド・バイブを量産し続けるアーティストが今年も波形研のピックに登場。thickoneさんは iPhone で作ってるんでしょ。凄いよね。厳選された音源数、サウンドのスペースが広いので、リスナーのイマジネーションも広がるんだよね。ちなみにメールボーカルショットを聴くと thickoneさんだ!と思う。

RyonRyon「However, My Summer is just beginning.」

RyonRyonさんの夏らしい楽曲。「夏らしい」なんだけど、トラックには実にいろんな試み(チャレンジ)が入っているように思う。メロディはなんか南国風なんだけど、使われているシンセはマニアック。音の出し入れも面白い。同じフレーズをいつの間にか違うシンセが奏でていたり。エンディングアレンジもグッドです!

Santa OJ Sound「Show Me the Hope」

おお、これバンドモノじゃない。非常に短いジングルのような楽曲だけど、バンドのスタイルや音楽性が伝わりそうな曲だね。いっそのこと、全部のトラックが Zurich でもいい(編集は地獄だけど・笑)。バンド系、大歓迎です。

waterdropsound「Before The Dawn」

ん? waterdropsound さんの登場が多いな。え?今年 3曲目? たぶん世界観やコード進行が好みなんだろうな(「なんだよオマエの好みかよ」「あーそうだよ」)。この楽曲はピアノが入ってメロディをひとまわしした後の 50秒くらいからの展開がいい。これをよく前半に持ってこなかったな、と。そしてブレイク後のピアノからのコード進行もいいね。色合いがこう、どんどん変わっていく感じなんだよ。いい曲です。

Sean Winter「Reminiscence」

やはりさすがにカッコイイ。少しランダムに聴こえる 7拍子が気持ちいい。でも楽器というかガジェット・サウンドのチョイスが素晴らしいよね。楽曲のイメージの範囲内で使いすぎず、まとまり感があって、それが楽曲の質というか、カッコよさを数段ランクアップさせている。この曲も打ち込みというかコンピュータミュージックなんだけど、Sean Winterさんの楽曲は、なぜかプレイ志向の曲に聴こえる。歌心がプレーヤーというか。こう演奏してみたくなる曲なんだけど、それはそれで難しそう(笑)。あ、俺の曲より全然長いじゃん、グレイト。

necobit(ねこびっと)「歌をおぼえたカラクリは。 Singing in the Electricity」

いい曲だね。楽曲としていい。クラシックな、忌野清志郎が歌ってそう。歌心あふれる。後半おいおい、がんばれ!という感じのメロディが切ない、必聴。僕がテルミンを弾けるようになったら一緒に演奏して欲しい。

Imori(イモリ)「The Way Home」

なんか昭和のロック・ポップスっぽい曲が続きます。この曲は強烈・サイケデリック。「スネークマンショーの初期のデモテープが発掘されて、演奏はなんと YMO らしい」という説明で聴いたら信じ込みそう。歌心あふれる(連続)。やられました!

あこぎ屋別館「SxT GiG」

アレンジがアーケード・ゲーム。これを狙ってできるのが凄い。キメアレンジとシモンズっぽいドラムフィル!キメ!キメ! そしてシンセのソロ・バトルもいい。「有識者が選ぶ 80年代アーケードゲーム・ミュージック」に選ばれていても信じ込みそう。そして、最後のエンディングのキメはリアルですよ。あそこだけ生演奏みたいでカッコイイです。

makikoYY「Chestnut Prickle」

本気のハードコア・テクノ。細かい打ち込みは作業が大変でかつ、細かく打ち込んだからかっこいい楽曲ができる、というのが全く保証されないセンス勝負のジャンル。この曲は超カッコイイです。音のチョイスというかね、たまに入るフィル的アタックが素晴らしい。熱い夏だったね!

F.L.a.T「Cavern」

グッドバイブ・グッドグルーブ。曲の中核を作っているタイトなキックが主張しすぎない大人な作り。中間部のブレイクもいい。ピアノが贅沢だね。いいサウンド。ボリュームバランスとか実に緻密。昨年の楽曲もそうだったけど、少し内向的な感じがいいですね。好みです。

Swenzy「GADGET SESSION」

ピックも最終コーナーをまわった感じ。はい、Swenzy さんのファンシーなセッションソング。スネアがね。もう、美味しい。大好物。途中からおいおい、ピアノソロ・凄い。本当にピアノ弾かない人なのか?(疑惑・笑)。そして最後はアップライト・ソロか。テク披露ではなく、ちょっとした凝ったギミックが人をニコッとかニヤッとか(自分は後者)させる楽しい曲だね。

Taiki overthere「Elgrand」

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笑っちゃたよ。凄いイントロ!グレイトなシンセにパンパカいっているスキャット、シャープ気味のギターがかぶるカオス。そしてブレイクからは一転、シリアスなムード&リリックでテンション。ヤラれた!あのメインモチーフをよくこんなアレンジで。個性というかオリジナルリティが光りますね。

lili「tropical dance」

GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS、最後の最後は、この長い夏のバトルをリフレインするような小さな楽曲で締めましょう!クールダウンです。今年の夏もいろいろあったな、今年は海に行けてよかったな、楽曲作れて楽しかったな、なんて思い返すのに最適な楽曲です。今年はこういう締め方ができて良かった。liliさん、ありがとう!

GADGET SONIC 2022 楽しかったぞ

まずは GADGET SONIC 2022 の運営のみなさん、本当にお疲れさまでした。GADGET SONIC はコミュニティベースの楽曲コンテストとして定着したと思います。多くのクリエーターに熱い夏を、そして(非常に重要な)アウトプットする機会を与えてくれて本当にありがとう。

コンテスト主催側としては期間中の情報提供や楽曲の内容に関するコメントをしにくい立場にあると思うので、側面的・客観的に思うところを書いておきたく思います。

今年に印象に残っているのは YouTube 投稿など、「動画とセットで作品」というものが増えてきたこと。一応、トラックメイク・バトルなんだけど、クリエーターがリリースする世界観・作品の構成要素に動画は普通に含まれるようになったんだなぁ、と。なにも凝った動画を作ればいいというのではなく、作品を多くの人に届けることや、楽曲の世界観を伝える表現手法という文脈でね。でも、KORG Gadget の画面を見終わった後に、動画編集ソフト工程があると思うと、頭が下がります。

個人的には「音楽はずっと前から多様性重視」、エントリーされる楽曲はジャンル、短いもの・長いもの、初心者から熟練者まで、自分のひと夏の創作の集大成としてアウトプットすれば、それが素晴らしいと考えます。大切です。

一方、一人のリスナーとして、「もっとこの先を聴いてみたかったな」と思う曲も多かったです。それはリスナーの勝手な思い込みでありますが、クリエーターのストーリーを聴きたいという願いでもあります。

楽曲を制作していると「うん、これでいいかな」「まー、こんなもんかな」という瞬間がありますよね。そこは踏ん張りどころだと思うのです(踏ん張った結果、ボツになることもありますが。いや、そっちの方が多いか、うーむ)。来年ぜひ、思う存分にストーリーを聴かせてもらえれば幸せです。コンテスト後のコラボレーションももっとあるといいな、と( Allihoopa ではリミックスしてくれ、ソロいれてくれ、モチーフを展開してくれ、とかあったんですよ、笑)。

最後に今回、コメントが付かなかったりピックされなかったよ、という人、ごめん。がっかりするよね。

でも、このピック集はあくまで波形研の好みの問題だから、気にしないでクリエイトし続けて欲しい。他の人もぜひお互い気になる曲はクリエーターをフォローするなり、コメントをつけるなり、して欲しい。フィードバックは本当に嬉しいものだから。

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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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