カシオ CZ App for iPad

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カシオから、CZ App for iPad が出た。カシオシンセサイザー CZ シリーズを再現した iPad アプリだ。個人的にはググッとくるニュース、なぜなら僕は青春時代、 CASIO CZ-5000 を使っていたから。

高校の頃、1台目の KORG POLY-800 に続き手に入れたのが、CASIO CZ-5000 。YAMAHA DX-7 が20万円オーバーだった時代、20万円以内のシンセサイザーといえば KORG DW-8000 かこの CZ-5000 くらい。DW-8000 が8音ポリでアルペジエーターしか付いていないのに対し、CZ-5000 は16音モードを持ち、マルチティンバーでシーケンサーを搭載していた。立花ハジメがデザインした CZ-5000、当時、高橋幸宏や難波弘之が使っており、カシオの中では人気があった機種だと思う。ちなみに一緒にバンドをやっていた友人は DW-8000 を使っていて、隣の芝生は青く見えるというか、派手なブラスサウンドやアフタータッチを羨ましく思った記憶がある。

音源方式は PD(Phase Distortion )方式というカシオ独特の音源。CZ-101 が1984年に登場。前年の KORG POLY-800 を意識し、担げるポータブルなボディと 9万円を切る価格帯で登場するも、YAMAHA や KORG、Roland に比べれば当時はマイナーな印象。後になって Chick Corea が使っていたり、テクノのベース音源に使われたりというシンセサイザー、30年前の話です。

CASIO CZ app

さてこの Casio CZ App for iPad、最近ありがちなプレイバック方式ではなく、本当に PD音源として音作りも出来るアプリになっています。CZ シリーズの特定の機種を再現したのではないようで、画面を見る限り過去機種のパラメーターとの互換性はないよう。iPad アプリに PD音源の音作り教室を持ち込んでしまうあたり、良くも悪くもカシオっぽいです。まぁ FM音源よりは直感的に音作りは出来る音源ではありますが、ブラスなら SAW TOOTH + SAW PULSE で片一方の DCO を出だしアタック用に、後わずかにディチューンかけてなんて今の人は知りませんよ(笑)。音作りのデモムービーを見ても「これ弾いている人、分かってるんだろうか」というとりとめもないプレイ動画。ホームページのデモムービーはもう少し頑張って欲しいですよ。

対応機種は iPad2、iPad(第3世代)、iPad(第4世代)、 iPad mini、 iPad mini 2 、iPad mini 3、iPad Air、iPad Air 2 ですが、推奨機種が iPad mini 3、iPad Air、iPad Air 2 と結構、負荷が高いんでしょうか。Inter – App Audio や Audiobus に対応、価格 2,000円にてプリセット34、ユーザー100 というスペック、リバーブ・コーラスしかないエフェクトなど、他の音源アプリに比べても難易度が高くなってます。納得しがたいので YouTube でいくつか動画をあさってみましたが、音いいじゃないっすか。アナログ音源を再現したアプリよりはずっとモダンで即戦力な音が出ます。


カシオは1989年を境にシンセサイザーを撤退していたので、YAMAHA や Roland 、 KORG のような「楽器としての個性」を市場に刷り込む期間が圧倒的に短かったんだなぁ、と思います。84年の CZ-101 から PD音源最後の CZ-1 までたったの2年、その後カシオはさっさとサンプラー機種(FZ-1)に行ってしまい、VZ シリーズでシンセサイザーに帰ってきたのも88年とこれも4年の間の話ですから。

手元に iPad がないので試せないのですが、カシオファンとしては気になるアプリです。でも、せめて過去機種の再現プリセットくらいが欲しいところだなぁ、と思う今日この頃です。

CZ App for iPad
カテゴリ: ミュージック
現在の価格: ¥2,000

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