ここのところ忙しくてね。ブログを書いている暇があまりなかったんだけど、いくつかの製品については触れておきたく。まず、一つ目。Apple が iPad のための Logic Pro と iPad のための Final Cut Pro をリリースした件から。
WWDC2023 前の少々唐突感がある発表ではあったけど、Apple のクリエイティブ分野のアプリケーション、Logic Pro X と Final Cut Pro X の iPad 版がリリースされた。どちらもサブスクリプション課金となる。iPad Pro のアプリケーションを充実させる上では必須のアプリだったから、Final Cut Pro はむしろ遅いくらい、という感じもする。
iPad のための Logic Pro
動作環境・対応する iPad
iPad 向けの DAW としては Garage Band があったんだけど、iPad のための Logic Pro は「プロ向けの音楽制作環境がきちんと iPad Pro でも動作しますよ」という意味合いで必要だったんだろう。
気になるのは iPad の対応モデル。引用する。
iPadのためのLogic Proは、A12 Bionicチップ以降と iPadOS 16.4 以降を搭載したすべてのiPadにインストールできます。
「インストールできるけど、動作速度は知らないよ」ともとれなくない動作要件(笑)。A12 Bionic + iPadOS 16 というのは案外、緩い制限だ。現行の iPad は全て対応している(iPad mini は A15 Bionic、iPad は A13 Bionic からだ)のは当然として、iPad Pro だと 2018年の 11インチモデル以降、iPad Air なら 2019年の第3世代以降、iPad なら 2020年の第8世代以降、iPad mini は 2019年の第5世代以降ということになる。
まぁ、しっかり動かすという意味合いで Apple M1 以降と意識的に選択すると現行 iPad Air より上位機種、ということになるんだろう。ちなみに、iPad のための Final Cut Pro は「iPadOS 16.4以降を搭載した12.9インチiPad Pro(第5世代または第6世代)、11インチiPad Pro(第3世代または第4世代)、iPad Air(第5世代)にインストールできます」ということで、Apple M プロセッサ専用となっている。
iPad で操作する本格的な DAW
「音楽編集が iPad で出来ると素敵だよな」と思う。それもスケッチアプリでなく、ゴリゴリの DAW を使いたい。旅先とかでこう iPad でね。
でもどうなんでしょう、やりますかね(苦笑)。
たぶん、これは自分の音楽制作のスタイルに寄るんだと思う。まず、iPad のための Logic Pro が向いている人はこういう人だ。
- マシーンライブ(コンピュータを使わない演奏形態)がシックリくる人
- 移動中にも関わらずガンガン音楽制作を進めることができるタイプ
- iPad で音楽制作をしたい人(mac を持っていなくて、という人)
- iPad をマルチタッチ・インターフェイスとして使いたい人
- Logic を使っている人
macOS 版の Logic Pro X の環境をそのまま再現するのは無理だろうけど(サードパーティ・プラグインとか)、同様のアプリが使えるのは嬉しい。そういう意味では、KORG Gadget なんてフルに iPad / iPhone / mac でプロジェクト互換な訳だけど、メインの DAW が Logic という人には嬉しいニュースだと思う。
ミキシングやシンセのパラメータ操作にはいいかもしれない。でも、これならサイドカー(拡張スクリーン)として使えばいいだけだが。
次に、iPad での DAW に夢見ちゃいけないよ、という人は以下のような人。
- トラックが多い曲を精緻に作る人
- 画面を大きく広げて作業する人
- サンプルなどガンガンにドラッグ&ドロップを使う人
自分は、全部当てはまる 😭
紹介ムービーやホームページにある、Apple Pencil で波のようなオートメーションを書くことは実際にはまずない。NI MASCHINE も Ableton Push も持っている自分の結論としては、チマチマした編集はマウスやトラックパッドが向いている ということ。
自分の楽曲制作スタイルだから仕方がないんだけど、ベーシックなフレーズや楽曲の構成を検討する段階で、細かい MIDI タイミングやベロシティ編集・トラックの EQ 調整を同時にやってしまうので、ダメなんだ、マウスが便利なんだよ(涙)。
なので、iPad のための Logic Pro は使わないだろう。iPad Pro を発作的に買ったとしてもね。
iPad のための Final Cut Pro
一方で、iPad のための Final Cut Pro は使面白そう。というのも、サクッと動画を編集して Twitter にアップする、iPhone で撮影した動画をサクッと編集する、というニーズが意外にも多いから。
Twitter は macOS の動画スクリーンショットをそのままの形式でアップロードできない(クソ仕様)。スクリーンショット動画を撮りたい時は MASCHINE なり、Ableton Live が起動していることが多く、その上でさらに Final Cut Pro X や iMovie を立ち上げるのは面倒。なので、iPad mini に AirDrop して、iPad mini の iMovie で編集して、ということが結構ある。そして、iPadOS の iMovie は本当に使えないヤツだから、Final Cut Pro が使えるのは嬉しい。
正直、iMovie をなんとかしろよ、と思うのだけど、わざわざ MacBook Pro を持ち歩かなくても、iPad だけで編集・アップロードができれば便利だろう。
ただね。iPad のための Final Cuto Pro は Apple M シリーズプロセッサでないと動かない。自分は M1 プロセッサを搭載した iPad を持っていない…. はいはい、撤収撤収!
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