KORG から名機 WAVESTATION の iPad/iPhone 版ともいえる iWAVESTATION が登場した。Mac/PC 版は何年も前から存在するので「あぁ、iOS 版が出たのね」と思いきや、「え、WAVESTATION?なんてマニアックな」と二度聞きするようなニュースである。
1990年のシンセサイザー WAVESTATION は様々なサンプルや音源を4つのオシレーターに配置し、そのミックスを時間的にコントロールできる「一風変わったシンセサイザー」だった。本体のジョイスティックでサウンド間のミックスやモーフィングを行うことで、和音を押さえっぱなしにしても、複雑な音色が入り混じった不思議なサウンドを出すことができる一方で、KORG M1 のように「あ、M1 ね」なんて分かりやすいイメージ音がなく、詳しくない人にはよく分からないシンセサイザーだったのではないだろうか。
しかし、この時代にシンセサイザーを触っていた人間には強烈な印象を残している。サウンドモーフィングというコンセプトはシンセサイザー音源方式としては画期的で、「いつか制覇してやろう」と当時のシンセサイザー少年達のチャレンジ精神を擽ったものだ。また、WAVESTATION タイプのシンセサイザーはこの後、ラックタイプや音源を拡張した機種が登場するくらいで、「(あのよく分からない)サウンドモーフィングといったら WAVESTATION 」というオンリーワンなシンセサイザーだった。
が、いかんせん、あの限られたディスプレイでは音色操作が難しかった。サンプルの組み合わせ配置や時間軸での制御、ジョイスティックコントロールなど、まさに iPhone / iPad 時代にふさわしいシンセサイザーと思う。
そんな iWAVESTATION のインターフェイスは完全に新設計。WAVESTATION ファンが見るとうろたえるレベル。製品紹介ムービーを見ると90年代の軽薄なサウンドとは裏腹な複雑怪奇なもの。マジビビる。みんな使いこなせるんだろうか。
我が家の iPad mini 初代では音源系は辛いので、どうしたものかと思っている。というのは、Mac 版の WAVESTATION は既に持っているし、やはり WAVESTATION はジョイスティックのリアルタイム入力が肝だから。Mac 版の WAVESTATION はこんな感じ。
うん、やっぱりグリグリしないとならないし、そのジョイスティックの動きもイベントとしてレコーディングできないとダメだ。でもサウンドの配置などは iPad 版の方が操作しやすそう。単なる WAVESTATION プレーヤーになっちゃってるからな。はやく iPad Pro の mini 版を出してもらえないものか、と思う。
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