Propellerhead Software が Reason 11 の概要を発表し、ベータテストプログラムの募集を開始した。Reason 11 は 9月25日に発売予定とのこと。
新しい Reason 11 については製品ページにかなり詳しく掲載されている。これまでの箱庭的な音楽制作環境から Ver9.5 から VST プラグインに対応した Reason だが、今回のアップデートの目玉は Reason をプラグインとして扱えるというところだろう。
自分の DAW で Reason の音源を使える Reason Rack Plugin
Reason には複数のシンセサイザー、REX プレーヤーやサンプラー、エフェクトが用意されているが、個人的にシンセサイザーの音がとても好きだ。「自分の DAW で Reason のシンセを使いたいなぁ」と思っている人は世界規模で非常に多いと思う。が、Reason がそれをしてしまうと「統合型 DAW」という位置づけが崩れてしまう。主要な DAW なら ReWire でマルチトラックで Reason を組み込むことはできるが、イマイチ面倒。
Reason のプラグイン化は必然であり、単に時期の問題と多くのユーザが考えていたと思う。
登場した当時の Reason はラックの裏側にまわると各デバイスが、びよーんとコードで接続され、簡単で分かりやすかった。エレクトリックなシンセサイザーに加え、REX プレーヤーが早期に提供されていたので、対応する音楽のジャンルも非常に多様だった。
しかし、現在の Reason はその面影もない。Reason 5 までガンガンに使ってきた自分が「何をどうしたらいいのか」というほど迷うシーケンサー。Mac版の Reason の動作は軽くはない。Allihoopa にプロジェクトファイルをアップロードできると勘違いして Reason 10 にアップグレードしたものの残念ながら使わなくなってしまっている。
アナログシンセサイザーの Subtractor なんていい音多いし、Thor や Grain、Europa も楽しいシンセサイザーだ。ReBirth を作っていたディベロッパーだ。ドラムマシンもいい。個人的には Dr. Octo Rexループプレイヤーが使いやすくて仕方がない。Reason の音源資産を Digital Performer で使えれば!
Reason 11 ではそれが叶う。新しい Reason 11 では、Reason の音源・エフェクトを Reason Rack Plugin という VST3(9月25日)フォーマットおよび AU(19年末)フォーマットで提供する。
Reason Rack というのは Reason の中では1つのサウンドデバイス群を構成する単位で、音源、エフェクトなど1つのラックに詰め込んだ形で運用ができるようになっている。例えば Rhodes だったら、ID8 という音源にコーラスやフェイザーをラックセットにした形でトラックにインサートできるのだ。
この Reason Rack は Rack Extension という名前で Reason オリジナルのものに加え、サードパーティの音源もビルトインできるようになっている(Propellerheadショップで購入する形)。これも Reason Rack Plugin として読み込めるようだ。
一方で、Reason をプラグインとして読み込めることから、ReWire のサポートは終了するようだ。
Reason 11 は3つのグレードで提供
Reason 11 は Reason Intro ($99)、 Reason ($399)、Reason Suite ($599) で提供される。これまでのラインナップになかった Reason Suite は新しい 16の音源が追加されるようだ。
What are the extra instruments and plugins that you get with Reason 11 Suite?
The extra devices that you get with suite are Scenic Hybrid Instrument, Complex-1 Modular Synth, Umpf Club Drums, Umpf Retro Beats, Reason Electric Bass, Reason Drum Kits, Processed Pianos, Layers Wave Edition, Layers, Parsec Spectral Synthesizer, Radical Keys, Polar Dual Pitch Shifter, Rotor Rotary Speaker, PolyStep Sequencer, Quad Note Generator, Drum Sequencer.
Reason 11 は Reason がプラグインになるだけの製品ではなく、シーケンサーの UI 改善や新しいエフェクター(そして Suite)も提供される。詳しくはページをチェック して欲しい。
Propellerhead は Reason Studios に社名を変更
正直、こっちの方がショッキングだったんだが、プロぺフラヘッドソフトウェア(Propellerhead Software)は Reason Studios という社名に変更する(What’s in a name)。
リリースを読む限り、自分たちのミッションを再定義し、彼らのメインプロダクトである Reason へのコミットを表明する決意があったようです。プロペラヘッドも好きだったんだけどな。
細かい話では、単体音源として販売されていた Europa by Reason は Reason 11 に統合、単体ソフトウェアとしては販売を終了するようだ。
Reason 11 へのアップグレード
2019年の 8月1日以降に Reason 10 を購入したユーザは、無償で Reason 11 にアップグレードできる。旧バージョンからのアップグレードは、旧 Reason から Reason 11 が $129、Reason 11 Suite へは $249 となる。
Reason 11 Intro: EUR €79 / USD $99
- Reason Rack Plugin included
- Includes 31 Devices: 11 x Instruments, 9 x Effects, 8 x Utilities, 3 x Players
Reason 11: EUR €349 / USD $399
- Reason Rack Plugin included
- Includes 55 devices: 15 x Instruments / 29 x Effects / 8 x Utilities / 3 x Players
Reason 11 Suite: EUR €549 / USD $599
- Reason Rack Plugin included
- Includes 72 devices: 27 x Instruments, 31 x Effects, 8 x Utilities, 6 x Players
- Save over $1200 with Reason Suite which now includes top-selling Rack Extensions including Complex-1, Parsec, Quad Note generator Player and more
Reason Upgrades
- Reason 11 Upgrade (from any previous Reason version) EUR €129 / USD $129
- Reason 11 Suite Upgrade (from any previous Reason version) EUR €249 / USD $249
- Reason 11 Upgrade for Intro (from any previous version of Reason Intro or Lite) EUR €269 / USD $299
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