波形研の WAVEFORM LAB PICKS の第3弾、今回はエントリー 3期分(75曲)から独自にピックしていきます。
- GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS
- GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS – Vol.3
- t58bs「20220811-KorgGadget」
- Sontaku Ouji「Siesta」
- KIHACHI「Clouded Figure」
- RAWSEQ「SUNSET CAVIN」
- Sontaku Ouji「The City Pop(2022Mix)」
- INARI96「チカチカビスカス」
- waterdropsound「Fortune Telling」
- BROKEN MIDI「Broken Link」
- 今宵もライトゲーマー!「To the city of our predecessors」
- fake chat girl「Beyond Words」
- Kacleminov「Escape from the sun」
- TanimuraPaper「Bizarre Dream Girl」
- Pheny「Xyber Ravenz」
- kowloonet「Heimlicher Lärm」
- 🌙 Feelings Purée「apparitions, clearly」
- M sorsk「dark night cruise」
- ゼリーぷりん「宇宙ステージ」
- 草野龍太郎「自由研究ー10歳の息子と」
GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS
今年も GADGET SONIC GREEN / RED / BLUE の 3ステージでの BEST OF SONIC、SONIC OF THE YEAR が選出されました。
BEST OF SONIC、SONIC OF THE YEAR には選評として楽曲に対するコメントがついていると思います。やはり作った曲にフィードバックがある、というのは嬉しいものです。「フィードバックって本当に大事だよな」と思う次第。ならば、自分も積極的にフィードバックするのもいいかな、と思い、GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS をお届けしようと思います。
GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS は受賞作品とは関係なく、全応募作品 から、あくまで私個人が「いいな」「ほう、これは!」と思ってコメント、制作者の苦労をねぎらい賞賛するもの。ランキングのような優劣はつけず、応募作品ページの順番にピックしていきます(コメントがなかった作品はごめんなさいね)。
お互い、「面白い」「ここがいいねー」なんて作品があったら、コメントつけてあげましょう。ギブ&ギブですよ。
今年は 200曲を越えているんだって?気合い入れて行きましょう!
→ GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS Vol.2
→ GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS Vol.3
→ GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS Vol.4
GADGET SONIC 2022 WAVEFORM LAB PICKS – Vol.3
t58bs「20220811-KorgGadget」
少しスローな曲からスタートしようか。9月に入り暑かった夏も少しずつ記憶になろうとしている。そんなエレピのバラード・モチーフ(作者が作っているのは真夏の盛りだが)。エレピ・アップライト・ドラムの 3ピース。2分弱という短い尺だけど切ないコード進行なので、ぜひ育てたバージョンを聴かせて欲しい。
Sontaku Ouji「Siesta」
ほう、これも爽やかでいい感じの楽曲。イントロのコード進行が気持ちいい。定位少し左にいるギターもなかなか味がでてる。シンセのメロディは KORG Gadget の音源セットの良さが出ているね。チョイスもプレイもグレイト、中間のトランペットのソロもナイス・トライだ。シエスタは昼寝という意味だけど、なかなか快活で爽やかだよ。
KIHACHI「Clouded Figure」
この作者は多作だねー、驚いている。ミステリアスなシンセ・グルーブ・ソング。乾いたドラムサウンドが気持ちいい。ウラで時々入いるリバーブがかかったキックを聴くべし。シンセのオブリガードの音がよくて常習性がある。メインフレーズでこのまま押し切るかと思いきや、中間部でアゲた形で展開が出現、グッドトライ!そして最後の最後に M1 の Mono Lead サウンドが絡む。面白いです。
RAWSEQ「SUNSET CAVIN」
イントロのタメがたまらなくいい。Lisbon の少し内向的なコード進行にシンセメロが絡む。いいよね。RAWSEQ さんらしさが出てます。同じコード進行ながら主役が次々に変わってく。そして中間部のブレイク!ピアノが切ない。中音域からハイに抜けるバランスで押し切るのはさすがです。
Sontaku Ouji「The City Pop(2022Mix)」
夏だねぇ。エレピの白玉にブラスが入る、王道のフュージョンソング。角松敏生がコーラスしているのかと思ったよ。途中にシンセソロを入れたくなった。夏のうちに聴いておこう!
INARI96「チカチカビスカス」
ほぉ、これは凄い。島唄がチップチューンになってる。しかも作りが玄人だなぁ。とても凝ってる。イントロのユニゾンなんてジャコパストリアスかと思ったよ(笑)。曲の作り自体は非常にシンプルなんだけど、やっぱりメロディやフレーズの打ち込み方と、バースのつなぎ方のアイデアとか面白さがつまってるのか。なるほど。
waterdropsound「Fortune Telling」
この曲、面白いね。メロディのサウンドも素晴らしい。入ってきた時いパッと広がる感じがすう。メロディもいいんだけど、コード進行がとても面白い。でも、2分半かぁ。これはもっと長く聴きたいところだなぁ。
BROKEN MIDI「Broken Link」
ズバりかっこいい。モチーフもいいけどサウンドの組合せがいい。シンセだけでなく、スネアの音が魅力的だ。ドラムのフィルも結構細かく作っていて、それがノリ+α を引き出している。キメものは最近はダサく感じるけど、この曲はかっこいいなぁ。中間のドラムオフ部はフィルターで盛り上げたいね!シンセ・テクノ特有の楽しさがたまらないです。
今宵もライトゲーマー!「To the city of our predecessors」
ビットマップ RPG の世界を徹底的に掘り下げている今宵もライトゲーマー!さん。「こういうのいいよね」とか「本当にゲームとして実在してそう」とかまぁ、そういうことではなくて、これは最後まで聴いてくれ!音楽でこういうトリックができるのは本当に音楽やってて良かったと思うよね。
fake chat girl「Beyond Words」
80年代のエレクトロポップスみたいだね。少しリバーブがかかったシモンズ(っぽい)ドラムがたまらない。KORG Gadget でのサックスメロディは厳しいと思ってたんだけど、おいしい音域をうまく使っているので、全く違和感なく聴けるね。凄い。
Kacleminov「Escape from the sun」
これまたカッコイイ曲だね!フィルターのかかったシンセパートとキックとパンチの効いたスネアが絡むリズムの推進力がイイぜ、と思っていたら歌がでてきた。2分過ぎからの展開も渋い。そしてアウトロに少し顔を出すシンセもクール。ナイス・グルーブ! コンパクトにこういうかっこいい曲が作れれば素敵だね。
TanimuraPaper「Bizarre Dream Girl」
シンセ・ポップと一言で行ってしまうと KORG Gadget で作ると大概にシンセポップになっちゃうので、個々に感じていることを書かないとな。イントロの Clavinet に不思議なシンセがマッチしている。これで単なるファンクではなく、もう少しノリの跳ねた感じのポップになってるんだ。クラビと乾いたドラムサウンド(と控えめだけど動きのあるベース)で作る跳ねる感じの基本セクションが聴いて気持ちい。この「気持ちいい」というのは難しくて、気持ちよく聴こえた時点で半分くらい勝ち(逆にいいコード進行でも作りが気持ちよくないと負け)。
Pheny「Xyber Ravenz」
こういう曲は「フフ」とニンマリさせるのがポイントなんだけど、この曲はこのニンマリポイントが満載なんだ。イントロから 20秒あたりで現れるシーケンスね、40秒ブレイクのフィルターパッド、55秒の一転柔らかいパッドにピアノが絡む、1:15 で華やかに。おいおい、どんだけ積み込んでくるんだよ。サウンドのチョイス(や作りこみ)もいいね。ノリがよくて自然に頭が横に振れる。中間部からリズムが少し変わって新しく物語がはじまる。実にいい曲だと思います。
kowloonet「Heimlicher Lärm」
タイトルドイツ語だけど、どこかオリエンタルな雰囲気のある楽曲。ウネるベースのフレーズが秀逸でたまらない。レイヤーされる楽器は微妙にピッチをずらしているのかな。少し中毒性のあるメロディなので、形にしないと気が収まらなかったんだろう(と勝手に想像)。
🌙 Feelings Purée「apparitions, clearly」
これまた雰囲気というかスタイル・方向性がある楽曲。これはチョイスしないと。ミニマムな感じのイントロから、ディレイ・パンで振られたシンセ、そして満を持して入るストリングスの使い方がいい。シンセのリードもドリーム感・浮遊感があってとてもいい。でもね、短いですよ。もっと聴きたい。
M sorsk「dark night cruise」
イントロが実に印象的!またグライドのシンセもイイ。リズムオンしてからのベースもどんどんワイルドになってアガる。そうするとリズムオフになってクールダウン。ピアノがコード進行を解説しつつ新しいモチーフへ。実に面白い作りだ。聴く人の想定や推測を軽く裏切って、作者の音楽を語りかけてくれる、そんな曲だ。これはイイ。
ゼリーぷりん「宇宙ステージ」
イントロからノリノリなんだけど、短いよ!なんて思ったんだけど、これ、逆にジングルみたいにすれば GADGET SONIC の新しいジャンルになりそう。
草野龍太郎「自由研究ー10歳の息子と」
ピックボリューム 3 の最後は夏の自由研究で締めてもらいましょう。10歳ということだけど、これが最初の DAW 作曲だったら、なんか相当に自信になったんじゃないかな。
さぁ、次回はいよいよラスト・ピック。48曲が待っている。何曲ピックできるか。お楽しみに!
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