Reason 12 をリリースした Reason Stduios。Reason 12 による新機能が従来に比べ、地味でかつ少なかったため、Reason 12 の今後のアップデートの話題となっているが、グラフィックエンジンの再構築には1年以上の開発がかかっており、Reason への投資は継続してフォーカスしてきた。
Reason Studios の CEO、Niklas Agevik が今後の Reason Studios の将来に関するレター Getting lost in the fun of serious music making – a roadmap for Reason)を公開しているので、その内容を紹介したい。
Getting lost in the fun of serious music making – a roadmap for Reason
Getting lost in the fun of serious music making – a roadmap for Reason(真剣に音楽制作の楽しさに夢中にする – Reason のロードマップ)では、Reason Studios の会社のミッション、ビジョン、Reason への投資の解説、Reason の近未来(追加機能)、今後の展開計画が語られている。
Reason プロダクトにおけるユーザ認識
But we also know that buying software today is different than in 2003; you are not just buying some music making software, you are investing your time and energy into the whole Reason ecosystem and to do that you need to know what direction we are going in.
今日、ソフトウェアを購入することは 2003年とは異なることも認識しています。ユーザは単に音楽制作ソフトウェアを購入しているのではなく、Reason のエコシステム全体に時間とエネルギーを投資するのであり、Reason Studios がどのような方向に進んでいるのかを知っていただく必要があります。
上記の Reason Studios の顧客認識はかなり明確で的を得ていることが分かって、ユーザには心強いものだと思う。ユーザは Reason というエコシステムに投資しているのであり、そのためには Reason が今後どのような姿になっていくのか、透明性を高めていかなければならないとしている。
Reason のビジョン
Our vision for Reason is to make it the place where you get lost in the fun of serious music making. Opening Reason should never feel like a chore, but instead the place where you have more fun making music than anywhere else (ok, that’s a lofty goal, I know, but let’s aim high!). When we add things to Reason we tend to choose things that we believe will make Reason more fun or help you generate more musical ideas.
私たちの Reasonのビジョンは、真剣に音楽を作る楽しさに夢中になれる場所にすることです。Reason を開くことが決して面倒なことではなく、他のどこよりも音楽作りを楽しめる場所にしたいと考えています(高い目標ですが、高みを目指そう!)。私たちが Reason に何かを追加するときには、Reason をより楽しくしたり、より多くの音楽的アイデアを生み出すのに役立つと思われる機能を選ぼうとしています。
We don’t see Reason as either a plug-in or a DAW – Reason is both! While most of the features that excite us and make Reason more fun almost always benefits everyone, you’ll notice there’s some features on the roadmap that’s more plug-in focused and some more focused on Reason standalone.
私たちは、Reason をプラグインと DAW のどちらとも捉えていません。私たちをワクワクさせ、Reason を刺激的にする機能の大半はすべてのユーザに恩恵をもたらすものですが、ロードマップでは、よりプラグインに焦点を当てた機能と、より Reason スタンドアロンに焦点を当てた機能があることが分かると思います。
Reason が Reason の音源の良さを活かしたプラグインになるのか、スタンドアロンとして頑張るのか、は最も気になるところだが、今後はよりプラグインに比重を傾けると思われる。後述されているが、ユーザの半数が DAW で Reason を使っている。プラグインにはまだ解決しないとならない問題が多く、スタンドアロンとしては主に使い勝手が中心になると思われるからだ。
Reason 11 により Reason をプラグインとして呼び出せるようになったこと、そして Reason+ というサブスクリプションで敷居が下がったため、Reason のユーザは増加傾向にあるようだ。グラフの数値軸が分からないが、24か月間でユーザが減少していないのは朗報だ。
Reason の UI 高解像度化は膨大な開発プロジェクトとなったようだ。Reason の基盤となるアーキテクチャの移行の山は越え、今後は新しい機能追加にも余力が出ると思われる。
今後のロードマップ
Under development
Smart browser – October
In Reason 12 we delivered a new fresh and fast browsing experience. In October we plan to ship an update that organizes all your content in a better way and makes finding patches and sounds much easierHi-res rest of Reason – October
For Reason 12 the focus was to make the rack hi-res but in October we will ship an update that updates the remaining parts of the sequencer and UI to hi-res too.More styles for Combinator 2.0 – November
Most of us spend too much time choosing the right button or knob to make our Combinators really pop. They make the Combinator so much more fun, and we want to have an even broader selection.M1 support – December
Reason will be updated to run natively on the Apple M1 processor.VST3 support –January
Yes, you read that right! VST3 support is coming to Reason. This is a big project, but we are working to deliver this as soon as possible which is why it’ll take a bit longer than other stuff on the roadmap.開発中の製品
スマートブラウザ – 10月
Reason 12 では新しく新鮮で高速なブラウジング体験を提供しました。10月には、すべてのコンテンツをより良い方法で整理し、パッチやサウンドをより簡単に見つけられるようなアップデートを予定しています。高解像度化の残作業 – 10月
Reason 12 ではラックのハイレゾ化に重点を置いていましたが、10月にはシーケンサーと UI の残りの部分もハイレゾ化するアップデートを出荷する予定です。Combinator 2.0 スタイル – 11月
Combinator をより魅力的にするために、適切なボタンやノブを選ぶのに多くの時間がかかっています。Combinator をより楽しくするため、より多くの機能を提供します。Apple M1 のサポート – 12月
Reason が Apple M1 プロセッサでネイティブに動作するように更新します。Reason の VST3 サポート – 1月
Reason が VST3 に対応します。大きなプロジェクトですが、できるだけ早くお届けできるように努力しています。ロードマップの他の機能より少し時間がかかるでしょう。Reason+ のユーザーにはサブスクリプションの一部として提供されますが、Reason 12 のユーザーにも無料のポイントアップグレードとして提供する予定です。
調査研究中の機能
その他、調査研究フェーズにある機能としては、新しいデバイスの対応、DAW との統合(VST機能のサポート、起動時間の短縮など)、ワークフロー・シーケンサー、オーソライゼーションの改善、があがっている。
新しい Reason 12 をトライアルしようとすると、Reason Companion アプリケーションが必須となる。認証やアップデートはこのアプリが強化されてくものと思われる。
Reason のアップデートに期待
Reason は間違いなくユニークで優秀なアプリケーションだ。新しいサンプラー Mimic Creative Sample、アナログシンセを再現した Subtractor Polyphonic Synthesizer、ウェーブシフト音源の Europa Shapeshiftying Synthesizer、ベース音源 Monotone Bass Synthesizer、ドラム音源 Kong Drug Designer、REXプレーヤーの Dr.Octo Rex Loop Player、グラニュラー Malström Graintable Synthesizer などなど、個性があり他では代替できない音源が揃っている。
Reason はぜひ体験しておくソフトウェアだ。さらなるアップデートに期待したい。
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