追悼 Steve Jobs(2)

投稿日: カテゴリー: COMPUTER, DESIGN, PDA / iPhone / iPad / Apple Watch, SHOWBIZ, TALK

Apple Newton
1995年、僕は Apple Newton に出会った。Apple が主催した Newton Technology Seminar の資料がきっかけだ。 Newton Technology – An Overview of a new technology form Apple. と題されたこの16年も前の資料を読むと、最新の iPhone 4S の Siri が実現するようなアシスタント機能が解説されている。

「Newton インテリジェンスの働き。Newton 製品は、あなたが行なうことをいつも見守り、どのように助けたらよいのかを考えています。(中略)例えば、”fax Bob” と書いたりすると、Newton はそのイベントの内容を調べ、過去のイベントや状況と比較して類推します。類推にはあなたが行なおうとしている可能性がある、いくつかのアクション内容が検討されます。Newton はこの場合に最も可能性の高いアクションを選択します。類推が完了すると、Newton は実際のアクションを起こします。この場合はファックスを(Bobに)送信するということです。」

Newton は PDA(Personal Digital Assistant)だ。Newton は手書きで書いた文字をテキスト化し、意味を考え、アクションをアシストしてくれる。例えば、Meet Basuke at 7.pm. on Friday. と書いて Assist ボタンを押すと、カレンダーを開いて金曜日の7時にミーティングを設定してくれる。Notes にアイデアを手書きして Fax to V.J.Catkick と書いて Assist ボタンを押すと、ノートをグラフィック化し、アドレス帳から V.J.Catkick を探し出し、その Fax 番号に電話をかける準備をしてくれる。

Newton テクノロジーと Siri の比較は、またじっくりやろうと思う。そんな可能性にあふれ、いつでも携帯できて一緒に行動できる Newton に一目惚れした。当時、ザウルスなどが流行っていたが、Netwon のコンセプトや機能はずっと未来をいっていた。

Newton MessagePad 1201996年1月19日、イケショップで Newton MessagePad 120 を買った。日本ではじめて販売された日本語化された Netwon だ。自宅の資料ブックの中には、保証書がある。私は Newton を現 AssistOn 代表の大杉さんから買ったので、この保証書に記入した文字は大杉さんの文字だ。購入時の回想録はNewton 空間にある通りだ(笑)。

翌年、私は Newton @ -AtMark- という無謀にも毎日更新する Newton 専門サイトをインターネットに作った。1997年9月11日、最初の記事は「Newton Inc、Appleへ再統合?」だ。

『 Newton Inc.はもともと AppleComupter の一部門が独立して子会社化したもの。しかし、SteveJobs が教育市場向けに売れている eMate( Newton Inc.よりライセンスを受けて Apple が販売している”これ”)を発展させるため、再びAppleに統合しようと計画している。もともと、Newton の子会社化を決定したのもこのSteveJobs といわれているが、最近話題になっている eMate、MP2000 の噂を聞いて初めて自分の手で Newton を使ってみたらしい。「Appleの資金・パワーは Newton Inc.単体とは比べられないものであり、Newton に関わる人には朗報のはずだ。」と語っている。 』

読み返せば、のっけから Steve Jobs が登場している。まさに瀕死の状態の Apple を救済するため、Steve Jobs が Apple の経営陣に加わった頃の話だ。次の日の記事では、Apple は Mac互換機から撤退し、9月14日には、「Steve Jobs が Newton Inc の社員を面談をした」という記事を書いている。

Newton MessagePad 2100まさに Steve が Apple に戻り、日々、大胆に Apple を構造改革/リストラクチャリングを実践していた時代だ。私は Newton に夢中で、 MacOS 8 を発売イベントにきたアップルジャパンの原田社長に Newton MessagePad 2000 を国内販売するように直談判する、なんてことをやっていた。

Newton eMate 3001997年は Apple の創業者だった Steve Jobs が Apple に復帰し、私を含む多くの Mac ファンの目の前に現れた年だった。 Newton に関しては、MessagePad 2000 / eMate300 が発売され、Apple の苦境から Newton Inc として独立し、MessagePad 2000 の日本語版の発売に淡い期待を抱き、独自の日本語環境が開発され、インターネットに接続できる機能拡張 NIE が出たり、そして Newton Inc は Steve Jobs のリストラに巻き込まれ再統合されと、まさに激動の年であった。

Newton Gallery1997年、Apple もインターネット業界も、そして私のまわりも、もの凄いスピードで変化・成長し、毎日何か大きいことが起こっていた。私は東京で、日本語が不得意で満足に機器販売もされない Netwon をムーブメントにしようと汗を流し、Steve Jobs はカルフォルニアで破綻寸前の Apple を立て直そうと奔走していた。何かが大きく変わらないとならない。今考えると、そんな時代だった。


今読み返すと悲しいほどの情けない文体だが、Newton 実用化宣言! これが素敵なNewton Life (ノーマル編)なんて記事を書いてる。Newton ってどんなものか、(いかに私がウキウキしてたのが)なんとなく分かります(泣笑)。


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