OS X Photos(写真)は Aperture の後継には全然ならないので、そのつもりで。

COMPUTERPHOTO / CAMERA

Aperture

「写真」は OS X Beta Program 扱いのプログラムなので、この記事は「写真」が公開されてからリリースしようとしてたけど、Aperture が買えなくなってしまうので、スクリーンショットを除いてアップしておく(機能の言及もサイトに掲載されていることを基本に書き換えた)。

Aperture は Mac App Store 経由でダウンロードできなくなるので「写真」を使って欲しいと

Apple OS X 用の Photos(日本名「写真」) アプリがいつの間にかアプリケーションフォルダに。僕は某社 OS のテスタープログラムにぐにょぐにょなので気が付かない間にインストールされていたみたい。

名前が「写真」というのにもずっこけるが( Microsoft が同じ名称を使ったらゲラゲラ笑ってただろう)、気になるのは 「この春にOS X用の「写真」がリリースされると、Aperture は Mac App Store から購入できなくなります」 と明言されていること。

おそらく、Aperture ユーザにはこんなメールも来ていることだろう。

Apertureユーザーのみなさまへ

Apple は昨年6月、iOS 8 とOS X Yosemite のための新しい写真アプリケーションを iCloud フォトライブラリとともに発表しました。これにより、あなたのすべての写真は iCloud 内に安全に保存され、どこからでもアクセスできるようになります。

この春、OS X のための写真アプリケーションがリリースされると、Aperture を Mac App Store から購入することはできなくなります。OS X Yosemite では引き続き Aperture をご利用いただけますが、このアプリケーションを追加で購入することはできません。

写真、調整、アルバム、キーワードを含むあなたの Aperture ライブラリは、OS Xのための写真アプリケーションに移行させることができます。移行後もあなたの Aperture ライブラリはそのまま保持されますが、Aperture と写真アプリケーションは統合されたライブラリを共有しないため、移行後に加えた変更が2つのアプリケーション間で自動的に反映されることはありません。

OS X のための写真アプリケーションの詳細はこちらをご覧ください。OS X のための写真アプリケーションを含む OS X 10.10.3 Public Beta 版のトライアルに関心をお持ちの方はこちらをクリックしてください。

Aperture をご利用いただき、ありがとうございました。今後は、OS X のための新しい写真アプリケーションをぜひご活用ください。

Apple

完成度が低い「写真」アプリを使うのか?

びっくりしたのがこのインストールされた「写真」、ビルドはともかくバージョンが既に 1.0 になっている。なので大筋この機能のままリリースされると見ていい。正直「なんだこりゃ」という感じのアプリだ。

このアプリが肥大化して動きが遅くなった iPhoto の後継というのは分かる。iPhone や iPad のユーザが違和感なく、Mac を操作できることも大切なんだろう。しかし単機能だ。出来ることが iPhone の写真とほとんど変わらない。せいぜいアルバムやカード、カレンダーを印刷オーダーできるくらいだ。そんな機能は iPhoto が 2007年には実現している 。何年前の話だよ。

iCloud 連携といっても、iCloud に自宅の写真を全部上げられる人がどのくらいいるのか。ウチの iPhoto Library は一眼の趣味写真を除いて、17年分、112GB だ。デジタルハブだった Mac にはそのくらいの写真が残っていてもおかしくないだろう。iPhone の登場で撮影する写真の数も容量も膨大になった。こんなもの iCloud にマスタを持てる訳がない(最大1TBプラン があるって?毎月 ¥2,400 払うヤツ?)。

「写真」には iPhoto の「イベント」もない。単にアルバムとなってしまった。並んだイベントをマウスオーバーするとイベントの中の写真がプレビューされる便利な機能もなくなった。行ったことがある場所にピンが付く「撮影地」機能もなくなった。

まさにダウングレードした iPhoto アプリといってもいい。まぁ、iPhoto であまり使わないと Apple が踏んだ機能はなくなって、またシンプルに逆戻りしただけだ。「またここからはじめよう」って類の話だ。iPhoto があるから大急ぎでリリースする必要さえなかった。どうでもいい。問題は Aperture のディスコン だ。

なぜ Aperture をディスコンにするのか理解に苦しむ。「写真」は単に写真を管理したり共有したりするだけのアプリだ。「写真」の編集機能は iPhone の写真よりは高機能だが、基本的なものばかりだ。ブラシ機能がないのは致命的だ。だから写真全体の調整しか出来ない。ここを明るくとか、ここをシャープになんてことは不可能だ。書き出す時のリサイズや画質調整さえ満足には出来ない。プラグインも使えない。まさに PhotoShop Element ほどの機能もない。

Aperture は PhotoShop のように「切り貼り」する機能がない「フォトグラファーのための写真調整アプリケーション」だ。全然現役だし、iPhone で撮影した写真を除いて Flickr にある僕の写真 はすべて Aperture で処理している。やりすぎないパラメーターセットも好きだし、Topaz シリーズなどのプラグインも好きだ。動きも悪くないし設計も古くない。これまでもそんなにアップデートしていないのだから、後継もなしにクリエイティブアプリケーションをなぜディスコンにするんだろう。

追加購入出来ない以上、新しいユーザは他のアプリケーションに行かざるおえない。あの大味でもっさりとした Adobe 製品に行くしかないんだろうか。そんなのごめんだ。

昔あった 30日の試用版もなくなった。なので購入するなら今のうちだ。値段も 7,800円と今から買うのには微妙だが仕方がない。全く残念な話だ。


後日談。Aperture の役割は結局、Adobe Lightroom Classic に移行した。Aperture のライブラリはオリジナルデータと編集済のバージョンデータを個別に Export してバックアップをとった。Aperture のライブラリ移行は下記のエントリーを参照して欲しい。

今後の macOS では写真編集ソフトウェア Aperture は動作しなくなるのでライブラリデータの移行を
Apple の純正フォトイメージエディティングソフトウェア、Aperture は今後の macOS Mojave で動作しなくなるので、写真アプリか Adobe Lightroom...
COMPUTERPHOTO / CAMERA
この記事をシェアしてくれると、とても嬉しい😆
Follow Me !
波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

Follow Me !
WAVEFORM LAB

コメント

  1. ARMAKOK より:

    いやいや まさに!
    先ほどディスコンの話偶然知ったのですが困ったものですね 最近のアップルも
    暫く目を離してた隙?にライブラリが『写真』に移されちゃっててあれれ???と思ってあちこち見てたらなんとディスコンとは。。。。
    Aperture歴は長いけど使いこなせてないので、どデカくなっちゃったライブラリをどう整理するか、ここらでジックリとか思っていたところなんですがね。。。さあて 今後どうしたもんですか

  2. 川島幹之 より:

    同感です。Facebookにシェアしました。
    OSXをアップグレードして「写真」にApertureのライブラリを移そうと思ったけど、やめました。
    メモリを食うだけの感じがしたので。
    今後は「写真」を使わずApertureを使い続けるしかないのでしょうかね。
    もはやバージョンアップは期待できないままに。

タイトルとURLをコピーしました