BEHRINGER UB-Xa : ベリンガーから Oberheim OB-Xa クローン発売へ、創業代表ユーリベリンガーのコメント全訳

投稿日: カテゴリー: RECORDING

BEHRINGER UB-Xa

BEHRINGER が Oberheim OB-Xa のクローンをリリースするそうだ。gearslutz.com の掲示板に創業者の Uli Behringer が書き込んだスレッド を読んで、「ベリンガーって面白い会社だな」とあらためて思った。ソーシャルメディアを巻き込んだムーブメントを狙ったキャンペーンであったとしても、ユーリが書き込んだ内容が面白かったので紹介しておく。

ベリンガー(BEHRINGER)ってどんな会社だっけ

BEHRINGER
多くの人がそうだろうけど、ベリンガーは比較的低価格(アマチュアミュージシャンをメインターゲットにしているという意味)のミキサーやエフェクターなど、音響機器を製造しているメーカーという認識だった。最近になって、Roland JUNO-106 クローンの DeepMind 12 や Minimoog Model D のクローンである MODEL D などのアナログシンセサイザーをリリースするようになり、「往年のシンセサイザーのクローンも作るようになったんだ」と思うようになった。

Roland Boutique や KORG Collection など、手法はアナログ回路からアナログシミュレーションまでいろいろがるが、80~90年代のアナログシンセサイザー復刻ブームが続いている。そんなトレンドの中、ベリンガーは完全アナログ回路でハードウェアシンセサイザーを作るようになったのだが、リリースするプロダクトは「誰もが知っている有名なシンセサイザーのクローン」ばかり。旧他社製品の模倣だし、コンソールの配置やネーミングなどライセンスは大丈夫なのか?と心配になるギリギリの商売のようにも見える。

ただ、リリースされたプロダクトをみると現実的には「ファンが欲しくなる仕様のシンセサイザーを作っている会社」ともいえる。同時発音数や高品質な新規エフェクトの搭載、アフタータッチキーボードや USB/Wi-Fi 対応など当時のシンセサイザーには搭載されていなかった機能を入れ込んで購入しやすい価格(例えば Model D は本家の1/10の価格だ)でパッケージングしている。商品ニーズや実際の使われ方など「ユーザが欲しいものが分かっている」という感じを強く受ける仕様だ。

The UB-Xa Synthesizer(日本語訳)

Uli Behringer
前置きが長くなったが、イケメンのユーリ(年上だけど)が書き込んだ UB-Xa スレッドの投稿を全文紹介しておきます。このスレを読んで「へぇ、面白いな」と思ったので、あれこれ Wikipedia の情報をつなげるより伝わると思います。

原英文は掲示板のスレッドを参照のこと。

みなさんへ

みな知っていると思うけど、シンセサイザーは40年にわたって私の情熱そのものでした。ちょっと前に私はベリンガーに、過去から愛すべきアナログシンセサイザーの宝石達をよみがえらせるという目標を設定しました。あなたと共有したいいくつかのアイデアについて長いスレッドを書き込むことを許して欲しい。

これは商業的に意味があるのか?
どの企業も生き残るためにお金を稼がなければなりません、私達もそうです。しかしながら、私達はプライベートな会社であり、次の四半期の実績や株主価値を心配する必要がないことから、「稼いだ金は再投資する」というフィロソフィーで運営しています。
これは財務的な利益にはならない「愛情による労力」としか表現できないプロジェクトについても取り組むことができる、という大きな自由を与えてくれます。これらがシンセサイザープロジェクトに着手した理由です。いくつかの商品は大量には売れないかもしれませんが、それは率直に言ってしまえば私達にとって重要ではありません。
多くの競合他社はアナログシンセエミュレーションを信じさせるためにマーケティングに全力を尽くしています。それは単に、PCBボードにDSPチップを組み込む方が、何千ものアナログコンポーネントを備えた複雑でお金がかかる手製のキャリブレーション工程が必要な製品を作ることより簡単で安価だからです。

しかしながら、BEHRINGERとMidasは、これらのアナログの宝石達を復活させるための情熱と私達のチームにもたらすプロジェクトの楽しさを信じています(これらが私達にとって価値あるすべてなのです)。

なぜアナログを信じるのか?
私達、BEHRINGER は VST やいくつもあるデジタルサウンドエミュレーションである「バーチャルアナログ」を信じていません。デジタルテクノロジーで真のアナログサウンドを再現することは出来ない、と私達は確信しています。これには多くの技術的理由があります。はっきり言ってデジタルシンセやVSTのサウンドはグレートではなく、私達は信じていないものです。

私達の情熱と感情は真のアナログシンセを作ることであり、私達の目標は 60年から80年代のオリジナルデザインの本物のサウンドを再現することです。そのためには、可能な限り同じ回路(可能なら同じコンポーネント)を使い、手頃で量産でき、長く使えるように、近代的な製造技術を使うのです。
多くの場合、サウンドに直結していると感じ場合には古いコンポーネントを再製作することもします。手短に言えば、シンセサイザーのスピリット・本質を捉えるための努力は惜しみません。

なぜこのような発表をするのか?
30年の歴史のなかではじめて、私達は事業を完全にオープンにし、開発プロセスのすべてのステップをあなたと共有することを決めました。私達はあなたの意見を求めているのですから、あなたは自由に質問してもらって結構です。
実際に私達は、あなたから学べるこのエンドツーエンドのプロセスに参加して欲しいだけでなく、これらのシンセがどのように開発・製造されるのかを理解して欲しいのです。

なぜ UB-Xa シンセサイザーなのか?
過去数年にわたり、私達はプロフェッショナルミュージシャンとのインタービューを通じて多くのリサーチを行い、シンセやドラムマシンに求めるものを理解するだけでなく、これらのシンセへの強い思いについても理解してきました。

ポリシンセに関する圧倒的なリクエストは Oberheim OB-Xa を再生することでした。

今日、私は UB-Xa と呼ぶ、本物の OB-Xa クローンを開発・生産を決定したことを正式に発表します。想像できると思いますが、これは非常に複雑で時間のかかるプロジェクトであり、現段階で、この楽器の市場投入時期や価格をお伝えすることはできません。

これは商業的に実現可能なプロジェクトというより愛情こめた労力といえるのですが、私達のエンジニアはこのシンセサイザーでフルタイムで従事することができないことから、自由時間を使ってもこのプロジェクトは12ヶ月以上かかるかもしれません。
最も重要なことですが、私達の目標は完全な本物のサウンドがする楽器とし、本当に手頃な価格で提供することです。

その非常に高い複雑さから、プロジェクトは経験豊富なイギリスはマンチェスターの Midas チームをアサインしました。Pete と Rob によるリーダーシップの下に従事するシンセガイとスーパースマートなエンジニアは DeepMind 12 を成功のうちに開発したメンバーです。

次には何が?
約1週間後、Pete と Rob は最初のビデオを投稿、あなたにいくつかの考えを伝える予定です。私達は定期的にビデオを投稿するだけでなく、記事を執筆しソーシャルメディアで公開するつもりです。なので、あなたはこのプロジェクトをフォローできるでしょう。
今やこのプロジェクトを決定したので、次は基本コンセプト、機能セット、潜在的なコンポーネントの選択肢を含めた構築ブロックについてのディスカッションです。近い将来、サウンドエンジンの最初のブレッドボードを開示し、うまくいけばいくつかのサウンドサンプルを聴かせられるでしょう。
その次は、PCBとメカニカルデザイン、手作業やツールによるサンプル作り。当然ながらエキサイティングな量産工程進捗を共有し、生産セットアップとテストと品質管理プロセスも開示する予定です。あなたがまだ退屈をしていなければパッキングや配送プロセスもお見せします。

マンチェスターのチームと私はこのプロジェクトに非常に興奮していますし、多くの人が参加してくれることを願っています。

そしてワンモアシング。出荷が近づいたら、みなさんにいくつかの無料ユニットを感謝の念としてご提供するつもりです。

面白いことが始まりますように。

ユーリ




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