Apple が珍しく、プロオーディオ(Logic Pro X + Mac Pro)を取り上げたリリース「Logic Pro Xの最新アップデートは、新しいMac Proのとてつもないパワーを活用」を発表している。
ハイパワーのマシンを表現するには映像技術 Final Cut Pro X をメインに据えるもんだけど、なぜなんだろう。映像周辺機器の互換性確認やパートナーシップを準備しているんだろうか。
新しいMac Proのとてつもないパワーを活用=オーディオの世界ではほぼ無限大
リリースでは Logic Pro X 10.4.5 では今年登場する Mac Pro を含む性能アップデートを行い、最大 56の処理スレッドをサポートできるようになったとのこと。新しい Mac Pro の性能は旧モデルの最大 5倍のプラグイン数を実行できる。
同時に利用できるオーディオトラックは WWDC19 のデモの通り、最大 1,000トラックに拡張。ソフトウェア音源トラック・AUXチャネルストリップ、MIDIトラックも最大1,000トラックに拡大するとのことで、まぁ、オーディオアプリケーションとしては無限大の性能を獲得したことになる。だって、実際に 1,000トラックのミックスなんて地獄だもの。面倒なので iZotope Neutron でミックスを自動バランスさせてみたい。時代は AI よ。
これ以上の性能、いや、この半分の性能でもオーディオアプリケーションとしては十分だ。音楽制作の場合、コンピューターのレンダリング待ち、というのはあまりない(今の時代、バウンスに非常に時間がかかる、というケースはない)。あとはインゥトゥルメントをいくつさせる、エフェクトをいくつさせる、というくらい。
人は音楽を聴くとき、無意識のうちに音楽のビートや鳴っている音素を把握しようとするんだけど、音楽は画像や動画と違って、人が認識できない量の音素を入れると認識が追い付かなくなる。なので、ある一定の時間に詰め込めるサウンド量は限界がある。その点でも Mac Pro は「性能はもう十分」なんだと思う。もしかするとレンダリングにとんでもなくマシンパワーを食うインゥトゥルメントやエフェクトが登場するかもしれないけど。
実際に 1,000トラック分、サンプラー音源を並べたら I/O が全然追いつかないことになりそうだけど、WWDC19 のデモでは Kontakt を並べてたみたいだから、すごいマシンなんだろうね。
新しいMac Pro を音楽制作目的で買える人がどんだけいるかしら
「Logic Pro X やるなぁ」なんて思うのだけど、Logic ユーザからすると、いやいや、Mac Pro 買えないだろ!となるかも。音楽制作環境としては MacBook Pro で「移動できる制作環境」を重視している人もいるわけで、Mac Pro + Pro Display XDR(と Pro Stand)との最小構成で 11,997ドル(130万円オーバー)を音楽制作のコンピュータ部分に使える人はどんだけいるんだろう?とも思ったりします。
なので、iMac Pro をもっと安くしてくれ、と思う。個人的には(笑)。
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