Steve Jobs がスタンフォード大学で卒業式の開会スピーチを行ったのは 2005年のことだ。伝記によると、妻の Laurene とともに推敲を重ねたスピーチで、現在のテクノロジー、彼の人生、若者に期待するものを非常に力強く語ったスピーチだった。
2019年6月16日、Apple CEO の Tim Cook が今年のスタンフォード大学の Commencement Address を行った。Tim Cook はデジタル時代におけるプライバシーと責任(If you want credit for the good, take responsibility for the bad)、何かを作る人になる(Be a builder)ことに関して、彼の思いを話した。
またスピーチの最後に Steve Jobs との思い出を話し、スピーチを結んだ。その全文 を読んでいて、ホロっときたので紹介しておく。
You won’t be ready – その時、あなたは準備ができていないだろう
最後のアドバイスを。
14年前、Steve はこのステージに立ちこう話しました。「あなたの時間は限られているので、他の誰かの人生のために無駄にしないように」と。
私の推論はこうです。「あなたのメンターは、あなたが準備ができるようにしてこの世を去るのかもしれませんが、一方で彼らはあなたが万事準備ができるようにすることはできない」ということです。
Steve が病気になったとき、私は彼が良くなるだろうという強い信念を持っていました。私は、自分がいなくなってからずっとずっと彼がAppleを導いていると確信していました。私は、自分がいなくなってからも、ずっと彼が Apple を導いていくと考えていました。
ある日、彼は、私を彼の家に招き、そのようにはならないと私に話しました。
それでも、私は彼が会長を務めると確信していたし、彼の状況は日々悪化していましたが、常に共鳴板としていてくれるだろうと考えていました。
しかし、そう信じるだけの理由はありませんでした。私はそう考えるべきではなかった。事実はすべて目の前にありました。
そして彼が去った時、本当に去った時、私は準備することと準備が出来ていてることの本質的な違いを学ぶことになりました。
それは私の人生で今までに感じた中で最も寂しい、桁違いに寂しい出来事でした。人々に囲まれながらも、見ることも聞くことも、彼らを感じることもできないでいました。しかし、やがて私は彼らの期待を感じることができるようになりました。
しばらくして落ち着くと、私は自分自身がなれるものの中で最高のバージョンにならなければならないということだけが分かりました。
毎朝ベッドから起きて、他の人の期待や要求に合わせて時計をセットすると自分が夢中になることがわかってきました。
他人の生活に時間を無駄にしてはならない。それはかつて、そして今も本当にその通りです。あなたの前に来た人を、他のすべてのものを排除して、合わない形に押し付けるようにしようとしてはなりません。
それはあまりにも多くの精神的な努力、創造と構築に捧げられるべき努力を必要とします。あなたは自分の考えをすべて考え直そうとするために、貴重な時間を無駄にするでしょうが、でもその間、誰かをだますようなことにはならないでしょう。
卒業生のみなさん、実際にあなたにその時が来るとき、それは必ず来るのですが、あなたは決して準備ができていないことでしょう。
しかし、あなたはそうなってはいけない。想像もしていない中からあなたの希望を見つけてください。挑戦することで勇気を見つけてください。孤独な道上であなたのビジョンを見つけてください。
気をそらさないように。
責任もないのに信用を求める人が多すぎます。
価値あるものも作らずに、リボンカットに出ようとする人が多すぎる。
違った存在になりなさい。ふさわしい何かを残しなさい。
そして、あなたはそれを持って行くことができないことを常に覚えておいてください。あなたはそれを伝えなければならないのでしょう。
どうもありがとうございました。そして2019年のクラスのみなさん、おめでとうございます!
You won’t be ready
That brings me to my last bit of advice.Fourteen years ago, Steve stood on this stage and told your predecessors: “Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.”
Here’s my corollary: “Your mentors may leave you prepared, but they can’t leave you ready.”
When Steve got sick, I had hardwired my thinking to the belief that he would get better. I not only thought he would hold on, I was convinced, down to my core, that he’d still be guiding Apple long after I, myself, was gone.
Then, one day, he called me over to his house and told me that it wasn’t going to be that way.
Even then, I was convinced he would stay on as chairman. That he’d step back from the day to day but always be there as a sounding board.
But there was no reason to believe that. I never should have thought it. The facts were all there.
And when he was gone, truly gone, I learned the real, visceral difference between preparation and readiness.
It was the loneliest I’ve ever felt in my life. By an order of magnitude. It was one of those moments where you can be surrounded by people, yet you don’t really see, hear or even feel them. But I could sense their expectations.
When the dust settled, all I knew was that I was going to have to be the best version of myself that I could be.
I knew that if you got out of bed every morning and set your watch by what other people expect or demand, it’ll drive you crazy.
So what was true then is true now. Don’t waste your time living someone else’s life. Don’t try to emulate the people who came before you to the exclusion of everything else, contorting into a shape that doesn’t fit.
It takes too much mental effort – effort that should be dedicated to creating and building. You’ll waste precious time trying to rewire your every thought, and, in the mean time, you won’t be fooling anybody.
Graduates, the fact is, when your time comes, and it will, you’ll never be ready.
But you’re not supposed to be. Find the hope in the unexpected. Find the courage in the challenge. Find your vision on the solitary road.
Don’t get distracted.
There are too many people who want credit without responsibility.
Too many who show up for the ribbon cutting without building anything worth a damn.
Be different. Leave something worthy.
And always remember that you can’t take it with you. You’re going to have to pass it on.
Thank you very much. And Congratulations to the Class of 2019!
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