AKAI MPK mini Mk3 を買いました。レビューを書いています。
アップデート記事【まとめ・20年夏版】モバイル DTM に最適なコンパクト MIDI キーボードはここから選べ!を公開しました。
ノートタイプの Mac や iPad(iPhone)を使ったモバイル DTM に最適なコンパクトな MIDI キーボード を検討した。その際の情報をまとめておく。基本的なスタンス・重点ポイントは以下の通り。下記の条件から鍵盤数は 25程度(2オクターブ)とした。
- 操作性(入力性能)
- コンパクト( MacBook や iPad の横幅が目安)
- デザイン(満足度)
操作性(入力性能)を重視しているので、KORG nanoKEY 系など、スーパーミニ鍵盤タイプは除外している。KORG nanoKEY Studio を持っているが、Bluetooth MIDI のレイテンシーがひどく、鍵盤も弾いている感がないので、素直に鍵盤タイプを探索している。これらはステップ入力にはいいんだろうけど。
また、リストは「自分が買ってもいいな」と思っているものをピックアップしている。例えば M-Audio のなんとかや IK Mulitimedia iRig Keys Mini はスイッチかと驚く鍵盤品質から、KORG microKEY 25 / microKEY 25 Air は物欲をそそらないデザインを理由に除外している。Alesis と Nektar は実機を触っていないので評価外とした。
Novation Launchkey mini Mk2
ベロシティ対応ミニ鍵盤 25鍵だが、このキーボードが弾きやすい。カチャカチャいう感じではなく、打鍵感が安っぽっくなくていい。パッド感触もよし。丁寧に作っている。Ableton Live との相性はよく(Sceneキーがある)、他の DAW でも使える。
給電は USB 経由だが、iPad での動作も保証している。サイズ感もかわいくて、実際にさわってみて「これは案外いいかも」と思った機種である。HOLD キーがあるが、マニュアルを読む限りこれがサスティンボタンのように動くのか不明である。まあ、パッド付機種は CC を設定しちゃえばいいのだが。
サイズは 325mm width x 175mm depth x 43mm height である。プロモーションビデオはめっちゃカッコいいが、かなり作りこんでる感はありますね。
プロ
・しっかりとした作り、鍵盤も弾きやすい
・コンパクト、持ち運びに便利
コン
・専用エディターが見当たらない
— update
新モデルが発表されており、これがなかなかいい。
AKAI professional MPK mini MK2 & MPK mini Play
ベロシティ対応ミニ鍵盤25鍵。限定カラーのブラックモデル、ホワイトモデルがとにかくかっこいい。サイズも小さくばっちりだ。パッド、ノブに加えてジョイスティックもあり、楽しいいこと請けあい。
MPK mini MIDI Editor が用意されているのでボタンやノブの CC アサインが柔軟でよい。サイズは 318mm W × 181mm D × 44mm H、750g。あるページエータもある完璧なスペック。価格も安く買って損はないモデルだ。
だが、サイズの割に給電が USB バスパワーのみ。iPad の電力供給での動作は保証していない。セルフパワーの USB ハブが必要だ。iPad 利用的にはこれが痛い。同社の LPK25 は iPad 対応なのに(涙)。が、かっこよくて物欲を刺激するモデルである。
プロ
・購入意欲を刺激しまくるデザインと価格
・専用エディターあり(64bit で動く?)
・アルペジエーターあり
コン
・iOS デバイスで使うには USBハブ+モバイルバッテリーが必要
また、MPK mini Play は音源を内蔵したバージョン。スピーカーを内蔵し、単3電池でもスタンドアロンで稼働する。値段も安い。スタイリッシュなカラーリングを求めないなら、こっちでもいいかも。
Update: MPK mini Mk3 が発売されます
AKAI professional LPK25 / LP25 WIRELESS
で、同じく Akai professional のコンパクトキーボード。ベロシティ対応ミニ鍵盤25鍵だが、打鍵感は安っぽい。とにかく小さいのが取り柄だが、サスティンボタンを搭載している抜け目ないヤツ。デザインは凡庸だが iPad や iPhone での動作を保証している。価格は安くてよい。
電池駆動の WIRELESS バージョンが存在するんだけど、日本国内では全然流通してないね。
プロ
・スーパーコンパクト
・5,000円台の価格設定
・専用エディターあり(64bit で動く?)
・アルペジエーターあり、サスティンボタンあり
コン
・鍵盤は安っぽい
Arturia MiniLab MK2
Arturia で紹介したい MIDI キーボードは2つある。まずシンプルバージョンの MiniLab Mk2 。ベロシティ対応スリム鍵盤25鍵。ミニ鍵盤に比べ鍵盤は大きめ。かつパッドとノブ付き。パッドは8つだが切替えにより16パッドの環境を実現している。タッチセンサー式のピッチベンド、モジュレーションをしっかり搭載。
ホワイトとブラックモデルの2つがある。どっちもデザインは秀逸。かっこいい。給電は USBバスパワー。iPad では問題なく動作するようだ。355 (W) x 220 (D) x 50 (H) mm、1.5kg 。Arturia の製品はサイズの割に重いのが難かな。
プロ
・物欲をそそるデザイン、高級感が素晴らしい
・10,000円を切る価格設定
・しっかりとした作り、弾きやすい鍵盤
・操作性抜群
・付属の音源がいい
コン
・アルペジエーターすらついていない
・すごく重い
Arturia KeyStep
2つ目は KeyStep。冴えないデザインを遥かに上回る機能性で世界的に有名なコンパクトマスターキーボード。これを使っている人は「分かってるな」と思う。とにかく機能が強烈にいい。
ダイナミックに操作が可能なアルペジエーター、往年のシンセサイザーにあったコードプレイ(ボイシングを記憶させて、1キーでコードを弾ける)モード、アナログシンセサイザーをコントロールする CV/Gate 端子、8ボイス/64ステップのポリフォニックシーケンサー搭載。とにかく他社にない付加価値が KeyStep には満載。
実際、BeatStep を使っているけど、BeatStep のシーケンサーはモノフォニック。正直、デスクトップ用に買おうかと思っている機種。鍵盤もスリムキー鍵盤を 32鍵搭載しており、しっかり弾ける。サスティンボタンもある。iPad での動作も保証。また、今回紹介している機器の中で唯一、MIDI 端子を装備している。コンピュータ以外も接続が可能だ。
満点スペックの Arturia KeyStep。ただ、やはり重い。485 x 145 x 36mm で 1.4kg 。MiniLab Mk2 もそうだけど、確かに置いた時にしっかり設置できる。けど、1kg を越えると持ち運びが辛い(MacBook Air より重い)。正直、デスクトップ用途、モバイルといっても移動先のホテルとかを想定している感じがする。
プロ
・アルペジエータ、コードプレイ、シーケンサー、プロも納得する搭載機能の数々
・アナログシンセをコントロール
・しっかりとした鍵盤
・即興プレイを実現するコントローラー性能
コン
・重い
・持ち運ぶにはサイズも大きめ(32鍵盤)
CME Xkey Air 25
最後に出ました CME Xkey Air 25 です。超薄型キーボードを搭載した超軽量キーボードです。現在のところ、これが本命。
特長はずばり「薄い」「軽い」。これ以上、薄いキーボードは存在しないんでしょう。鍵盤の打鍵感覚は「鍵盤というよりパソコンのキーボード」という感じで、「マトモに弾けるのかよ!」という印象だが、Jordan Rudess がバリバリに弾いてる。実際、37鍵盤バージョンは普通に弾けました。
この「弾ける感」を演出しているのが、非常に高機能なベロシティタッチ判定だと思う。ピアノ弾きらしくアタックを強めにしたりしても、ちゃんとその時だけアタックが強くなる。これで弾けないは許されないんだろうと思う。
また、ポリフォニックアフタータッチに対応している。マニアックだけど、これ付いているコンパクトキーボードはなかった。シンセの和音で個別にアフタータッチで動きをだしたりできる。
Bluettoh MIDI も非常に低レイテンシー。iPad にも対応。鍵盤しかないように見えるが、オクターブトランスポートキーに加え、ピッチベンド、モジュレーション、そしてサスティンスイッチを搭載している。ピッチベンドとモジュレーションがキーボタンなのははじめて見たけど。
388 x 135 x 16 mm で 610g。文句なし。けど、他製品に比べて倍くらいの価格設定。これが残念といえば残念。でも、安い超ミニ鍵盤がダメでチョイスしているんだから、まぁ、価格の価値はあるんだと思う。ノブくらい欲しいかな。
プロ
・とにかく薄い
・ちゃんと弾ける鍵盤、サスティンボタン搭載
・低レイテンシーの Bluetooth MIDI
コン
・アルペジエーター、パッド・ノブなど一切なし
・その割に高い
参考)サイズ比較(横幅順)
AKAI professional MPK mini MK2
318mm × 181mm × 44mm 750g
Novation Launchkey mini Mk2
325mm x 175mm x 43mm 700g
AKAI professional LPK25
340mm x 96mm x 28mm 450g
Arturia MiniLab MK2
355mm x 220mm x 50mm 1.5kg
CME Xkey Air 25
388mm x 135mm x 16mm 610g
Arturia KeyStep
485mm x 145mm x 36mm 1.4kg
参考)iPad Air 3 10.5インチ
250mm x 174mm x 6mm 456g
総括:このリストのキーボードなら何を買っても後悔はしない
モバイル用のコンパクト MIDI キーボードのリストとしては悪くないと思う。MIDI キーボードは重要な入力機器だ。重いピアノ鍵盤が素晴らしい YAMAHA KX88、リモートキーボードの KORG RK-100、YAMAHA KX5、デスクトップ入力用の Native Instruments KOMPLETE S61、モバイル用の KORG nanoKEY Studio や microKEY、ほかにもたくさんの MIDI 入力デバイスを使っている。それぞれ個性があり、代替ができないものだ。
またこのリストにあげた MIDIキーボードは比較的リーズナブルだ。どれを買っても後悔はなかろう。ただ、やっぱりモチベーションが上がるのは「鍵盤入力にストレスがない」「デザインがカッコいい」の2点だと思う。1.5kg の Arturia MiniLab Mk2 であっても、毎日持ち歩くのは勘弁だが、休日に喫茶店にというレベルなら運べない重さではない。
結論としては、カッコいい!と思ったのを買うので間違いはないと思う。
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