KORG の折り畳み式のミニ・MIDI キーボード、KORG nanoKEY Fold をゲットしたので感想。これ以上ないくらいのコンパクトさで、まさに「いつでも持ち歩ける MIDI キーボード」だ。
究極のポータブル・ミュージック・パートナー nanoKEY Fold
KORG nanoKEY Fold はガラケーのような折り畳み MIDI キーボード。スマートフォン、タブレット、PC、シンセサイザーやドラムマシンなどの MIDI デバイスで使うことができる。2024年 11月 28日に発売されおり価格は14,850円(税込)と手軽に買える価格だ。
薄型のタッチボタン式 25鍵(2オクターブ)キーボードを搭載。アルペジエータ、キースプリット、CC/PC モード、スケールモードと、シーケンサーはないものの、コンパクト MIDI キーボードの基本機能はカバーされている。KORG KONTROL EDITOR を使えばカンタンに個別の設定をシーンとして編集できるので、後述のスプリットモードでは左側キーに CC を割り当てられたりと、ちょっと複雑なライブ用セッティングを組むこともできると思う。
外形は、「折りたためばコンパクトなスマホサイズ」というキャッチコピーがあるが、質感など感覚的には大き目のガラケー。126g と非常に軽く、ポケットに入れても気にならない重さ。折りたたんだ状態で握ってみた感じ、「プラスチックの強度は大丈夫かな」という感じがするが、ボディの黒い部分がゴム状になっており、開くと両サイドで固定され、しっかり打鍵(スイッチ操作)できる。
接続は USB-C と TRS-MIDI に対応。ガラケーみたいだがバッテリーは非搭載、USB-C で給電することで動作する。
ボタン配置はシンプルで分かりやすい。アルペジエータと左側にコードを割り当てられるキースプリットと機能を絞り込んだことで、一度、取扱説明書を読めば覚えられるくらいの情報量に抑えられている。これは MIDI キーボードとして非常に重要なんだ。外出先で「どうやって使うんだっけ」なんて目も当てられない。
あと、地味に KORG Software Bundle が付いてくる。iOS 版の音源でも貰えるのかな(コードを引き換えてない)。
使ってみた感想
「MIDI キーボードを折りたたんでポケットサイズに」というのはありそうでなかった発想。外出先とはいえ鍵盤が1オクターブちょっとしかない、というのは使いづらい。2オクターブを確保しようとすると同じく KORG nanoKEY 2 で横幅が 30cm を超えてしまう。iPhone とほぼ同サイズというのは持ち歩くのには最適だ。また軽量プラスチックボディというのも扱いを過度に慎重にする必要がなく、手軽に持ち歩けるのがいい。
キーボードはガラケー携帯のキーのようなタッチボタン式。ベロシティはあらかじめ設定した固定値で動作する。ここは薄さを優先したのでオッケーなのだが、可能であればキーボードをスライダーにして奥行でベロシティ表現やアフタータッチ表現ができるような仕組みであれば良かった。まぁ、このサイズの鍵盤でまともなベロシティ入力は難しいので、外出先での入力としては問題ない。
ちょっと残念なのが、サスティンボタンが「押している間だけダンパーされる」仕様になっていること。ホールドボタン用に1本指を使ってしまう。アップデートで 1回ボタンをおせばホールドしてくれるモードを追加できないかなぁ、と思います。
ピッチベンド・モジュレーションがスライダ方式になっているのはグッド。このスライダをアルペジオ速度に割り当てられると最高なんだけどな。
鍵盤を右側と左側に分けて使える スプリットモード、左側をコードやスケール・CC を割り当てられるのはいいんだけど、単純に左側と右側のオクターブを個別に設定できるモード はないのかな。6つのスプリットモードに単純にキーオクターブを変えるモードはないみたい。これがあれば左側でルートを弾く、ということができる。
値段がはねあがっちゃうけど、バッテリーを内蔵していても良かったかも。バッテリー搭載の上位モデルがあってもいい。
とにかくコンパクトで軽い。持ち歩ける超コンパクト MIDI キーボードとしては満点。今年は20回ほど遠地出張があったんだけど、AIRA Compact を持っていくことはあっても、MIDI キーボードはさすがに持っていけない(笑)。MacBook Pro のキーボードを MIDI Key として使うとしても和音など難しい。これからは KOR nanoKEY Fold を鞄に入れておけば旅先の音楽性も大丈夫だ。
全 DTMer が 1台持っておく MIDI キーボードガジェットだと思う。オススメします。
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