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Arturia SQ80 V – エンソニック(ENSONIQ)のレガシーシンセサイザー爆誕、膨大なウェーブテーブルと独自エフェクトを追加

RECORDING

Arturia SQ80V

Arturia が 80年代シンセサイザー、エンソニックの SQQ-80 を再現した SQ80 V を発表・販売を開始した。個人的に「これは買いだ」と思っている。エンソニックのシンセサイザーの話はしたことがなかったと思うので、ちょっと深めに紹介する。

Ensoni SQ-80

ENSONIQ Mirage

エンソニック(ENSONIQ)は 80年代にデジタルシンセサイザー・サンプラーを発売していた米国のデジタルシンセサイザーメーカー。 NSONIQ Mirage というサンプラーで市場に参入、当時、サンプラーといえば E-mu Emulator や AKAI S シリーズなど高級専用機というイメージが強く、一般にはなかなか手が届かないものであった。 ENSONIQ Mirage はキーボードが搭載された「見た目、普通のシンセサイザー」として登場し、低価格設定により爆発的にヒットした。

ENSONIQ ESQ1

ENSONIQ はサンプラー方式から主要なウェーブテーブルを実装した Ensoniq ESQ-1 をリリース、ESQ-1 や SQ-80 の「エンソニックサウンド」で特に海外市場では高いシェアをあげていた。国内大手シンセサイザーメーカーが PCM 音源(Roland D-50 や KORG M1など)を採用する数年前の話だ。

80年代の半ば当時、シンセサイザーを使う人の多くはピアノやブラス・ストリングスなど実在する楽器をシミュレートしたリアルな音を求めていた。そこでサンプラーシステムの登場となった訳だが、ENSONIQ はウェーブテーブル方式でこれに対応した。

ENSONIQ のシンセサイザーは日本に支社があったからか、多くの楽器店で展示され、自由に弾くこともできた。画面は計算機でアルファベット表示したようなディスプレイが搭載されており、「なんだこの未來感あふれる海外シンセは!」と謎のオーラを放っていたのを覚えている。

ENSONIQ のサウンドは「鋭くシャリシャリしたブラス」「ガツーンとくるベルサウンド」「変化に富んだパッドサウンド」が思い出される。シャリシャリしていても音は薄くなく図太く、パワーのある唯一無二のサウンドだった。ナルチョが加入してリズムラインが一新した CASIOPEA の THE PARTY でも切れのあるシンセブラスはエンソニックですよ。

ENSONIQ SQ80

普及価格帯の ENSONIQ SQ-80 は ENSONIQ のラインナップでは最も売れた機種とされている。ENSONIQ は非常に多くのシンセサイザーをリリースした。80年代は DSP チップやオリジナル音源チップを生かし、90年代には PCM によるリアル音源を追及、90年代後半には ENSONIQ Fizmo というモーションウェーブシンセス音源による新しい境地も開拓した。

我が家の MR-Rack

我が家の MR-Rack

個人的には Enosniq は海外製品では一番使ったメーカーだ。MR-Rack に搭載された Fender Rhodes サウンドのリアリティは群を抜いていて、これを目当てに MR-Rack を買ったキーボーディストも多かったと思う。しばらく MR-Rack はメイン音源だった。その後、76鍵盤のピアノ鍵盤を搭載したモデルがとにかく弾きやすく持ち運びも可能ということで、KT-76 がメインキーボードに。その後、KT-78 が壊れたため、ZR-76 だっけかな、これもピアノ鍵盤のメインキーボードとして使っていた。現在手元にあるのは MR-Rack だけだが、現在でも十分通用するサウンドは、ライブ等で現役で活躍している。

Arturia SQ80 V

Arturia SQ80 V

思い入れが大きくて前段が長くなったが、Arturia SQ80 V についてオシレータ部から解説する。

オリジナルの SQ-80 は 8ビットデジタルチップで発音・8音ポリだった。SQ80 V のウェーブテーブルは SQ-80 のものに加えて、ESQ-1 や VFX 搭載の波形なども追加しており、トータルで 400を超える波形が搭載されている。このウェーブテーブルオシレータを 3機搭載している。3つのウェーブテーブルをレイヤーすることでデジタルならではの多彩なサウンドを発信する。マニュアルには 16音ポリフォニックとなっている。

実機のフィルターとアンプは Curtis CEM 3379 によるアナログフィルターだ。多くのシンセサイザーで採用されているチップによるフィルターを再現しており、ウェーブテーブルオシレータで発信した多彩なサウンドを暖かく処理してくれる。

Arturia は多くの実在するシンセサイザーを再現している。TAE® という Arturia が開発したアナログエミュレーション技術を使っている。単なるサンプリングではなく、オシレーター、フィルター、ソフトクリッピングを再現する物理モデルをベースにサウンドをリアルタイムでレンダリングする。機器のパーツ構成を再現して発音している訳ではないが、よく特徴をとらえている。

エフェクト自体は Arturia が多くのエフェクトを追加している。列挙する。これだけあれば音源内でシンセとしての音作りは完結するだろう。当時の感覚かはら夢のような話だ。

Stereo Pan
Delay
Param EQ
Multi Filter
Bitcrusher
Compressor
Multiband Compressor
Overdrive
Phaser
Flanger
Juno Chorus
Chorus
Pitch Shift Delay
Tape Delay
Reverb

エフェクト以外にも7モードアルペジエータやユニゾンモード、Modミキサーが追加されている。DAW でプラグインとして読み込めば LFO やエンベロープなどをマスターテンポにシンクすることも可能。

MPE(MIDI Polyphonic Expression)にも対応している。個人的に機器を所有していないんだけど、そんなに便利なの?

SQ80V-Presets

スタンドアロン、VST、AAX、AudioUnits で動作する。200以上のファクトリープリセットが用意されている。Arturia のソフトはプリセットブラウザーがしっかりしていて、Favorite などのお気に入り保存機能もあるから便利だよね。

レガシーシンセサイザーの再現音源としてはこれで最後かな

ここのところ、レガシーシンセサイザーの再現がトレンドになっている。ベリンガーみたいにハードウェアでリイシューするケースもあれば、往年のシンセサイザーを再現するソフトウェアも多い。個人的にはアナログシンセサイザーのソフト音源は既に十分だし、デジタルシンセ含め KORG Gadget 2 で結構な数のシンセサイザーが使える環境にある(Roland のシンセも使えるといいんだけど)。

個人的には「もうこれで十分かな」とも思う。唯一ライブラリに加えるとしては、エンソニックのシンセくらいかな、なんて思う。レガシーシンセ音源は「音の個性として必要だから買う」というのに加えて、「楽器屋で憧れていたあのシンセをゲットできる」という側面もあると思う。そういう意味でも、この SQ-80 V は買おうと思っている。

あの緑色のエンソニックマシンに触ったことがある人、エンソニックの実機を触ったことがない人にも一度は試してほしいシンセ音源だと思う。

RECORDING
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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした [email protected] を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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