Apple WWDC 2011:振り返り(iCloud 編)

投稿日: カテゴリー: COMPUTER, PDA / iPhone / iPad / Apple Watch

あー、疲れてきた。でもこのネタに一番興味があったのだ。さー、 iCloud 編をはじめよう。

    WWDC

  • 1:09:05 10年前(そう、2001年は10年も前の話だ)、いろんな情報家電や高性能ゲーム機が出現し、なんでも出来る割に何にも特化していない PC(というより Mac )は廃れていくのでは、という予感があった。当時、Apple は「PC はデジタルライフにおけるデジタルハブになる、PC はなくならない」と宣言した。デジタルライフではデジタルカメラ、ビデオカメラ、iPod など、多様なデジタルデータを扱うが、これら多様なマルチメディアデータの編集/管理に PC は最適だ、というのが背景にあった。

    しかし現在ではスマートなデバイスが複数出現し、PC をとりまくデバイスが変わってしまった。スマートなデバイスはそれぞれにフォトデータ、ビデオデータ、音楽データなどをデバイス内に持つので、それをパソコンや各デバイスで必死になって同期したり管理したりする、そんな馬鹿げたことになってしまった。中心にあった PC はデバイスの1つとなり、中心となるのはデータ、それはクラウドで管理することになる、というのが iCloud の基本的な考え方だ。

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  • 1:23:05 iCloud はデータホスティングサービスではない。「 Mobile Me は良くはなかった」と Jobs は言うが、僕は気に入って使っている。カレンダーやアドレス、メールのマスターデータは実際、クラウドにあり、iPhone、iPad、複数の Mac の情報は自動的に同期される。感動的に便利だ。 Mobile Me がなければ iPhone のアドレスなんて管理する気になれるはずがない。しかし、iPhone ユーザは多くても、Mobile Me を契約するユーザは少ない。「もったいないなぁ」と思っていたが、この点で、Mobile Me は良くなかったのかもしれない。
  • 1:25:00 実際、これらのアプリの iCloud での機能は Mobile Me と大差ない。カレンダーの共有プッシュが出来るくらいだ。となると Mobile Me の最大の課題は「有料オプションである」ことで、それが iCloud の「無料」に反映されている。普通の企業は自信があるものを有料にし、自信がないものを無料で提供するが、Apple はその逆をいくことが多い。自信のある製品やサービスほど低価格で提供する。それだけとんがってないと、存在感が出なかった頃の DNA といってもいい。

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  • 1:26:50 かといって、iCloud は無料の Mobile Me ではない。AppStore / iBooks / Backup も追加されている。AppStore で購入したアプリが追加料金を払うことなくダウンロードできるのは実は現在もそうなっている。iBooks の共有はもう少しインテリジェントだ。購入したデータを複数のデバイスで使えるだけでなく、付箋などのデータも同期さえる。まさに「読んでいる/使っている目の前のデータ」が各デバイスで再現される。そして、iOS デバイスのデータは自動的にバックアップされる。データのバックアップは Wi-Fi を使用している時に限られる。Post PC 時代に必要なのは PC ではなく、Wi-Fi ルータだったよ!

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  • 1:30:50 iCloud の機能はまだある。ドキュメントも同期される。iPhone 用の iWork が登場したけど、WWDC のデモにあわせたか。常に最新の状態にドキュメントが同期されればデグレの心配もない(問題が起こるのはドキュメントの編集者が複数いる場合、ドキュメントを共有している時だ)。 Documents in the Cloud を実現する iCloud Storage APIs は iOS だけでなく、 Mac / PC もサポートされるので Windows でも同様の環境を実現できるアプリが出てくるかもしれない。
  • 1:37:00 Photo Stream は各デバイスで撮影した写真をクラウドで提供する。これは Eye-Fi に似たサービスが付いていたな。同期を意識しなくても撮影した写真が自動的に Photo Stream に提供され、Apple TV を含む各デバイスで見れるものだが、これ、微妙な機能だな。iCloud の輪が完全にパーソナルなデバイスだけに限定されるのならいいんだけど。
  • 1:43:00 Steve Jobs がデモをやらないから「ブーン!」が出ないな。

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  • 1:43:00 これまで iTunes は AppStore と違って購入データを亡くすと買い直さなければならなかった。けど、iCloud を期に、購入データを追加購入する必要はなくなったみたい。ま、現在でも iTunes ではホームシェアリング機能があり、「この PC にないデータを共有データからダウンロードする」機能はあったけどね。
  • 1:49:00 デモでは iOS デバイスや Mac でデータが同期されるデモばかりだけど、Mobile Me は Web ブラウザで使える Webアプリもあるんだけどな。iCloud でも提供されるんだろうか。そうでないと困りますよ。

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  • 1:52:00 iTunes Music Match は日本では無理だろうね。これ 256kbps DRM フリーのデータをクラウド提供してくれるんだけど、もっとハイクオリティな CD という形でデータは自分で持っている訳で、データの格納場所という意味合いが強いのかな。これで年間 $24.99 というのは高いのか、安いのか。

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  • 1:56:00 iCloud データセンター。はい。センターのラックの中まで美しいですが、サーバは何を使ってるんでしょうか。分かる人いますか? XServe ではないような。
    Apple Data Center はここにあります。


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という感じに想定したより力が入った WWDC 振り返りとなってしまいました(時間がかかった)。

iCloud は成功するのか、あれをクラウドと呼んでいいのかなど、賛否両論あるものの、コンシューマをターゲットとした最初の本格的なクラウドサービスであることは間違いないと思う。 Evernote や Google App など特化型のクラウドサービスはあっても、デバイスまで含めたまさに統合的なクラウドコンピューティングを提供したはじめての企業だ。

また、クラウドコンピューティングは実は突き詰めるとデータセントリックというのも Apple らしい回答かもしれない。戦略上、データとアプリケーションの役割分担と配置がすっきりしているが、あそこまでこなれるには時間もかかったろう。

儲かってキャッシュがあるうちにデータセンターを作るなんざ、スマートフォンを作る他メーカーに対する強烈な差別化だ。 Android / WindowsPhone と OS を外部に頼るとデバイスが似たりよったりになり、差別化に苦労する。パソコンに比べ、スマートフォンやタブレットは低価格なので、そんなに強烈な差別化機能を盛り込みにくいし、大規模な投資もしにくい。

「最後には水平連携が勝つ」と言われているが、たかがスマートフォンにこれが当てはまるか。興味が尽きないです。


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