1983年にショルダースタイルで演奏可能なコンパクトシンセサイザー Poly-800 を発売した翌年の1984年、KORG から衝撃的なキーボードが発売された。「リモートキーボード」というジャンルを作ることになる RK-100 だ。音源を搭載しない 41鍵リモート・キーボードで、キーボードはベロシティタッチ機能すら搭載していない。「もうカッコいいだけ」「ギタリストにはれるだけ」のキーボードだ。単3電池6個で稼働し、重量はベースギター並みの 5.0kg 。
同年、YAMAHA は前年発売の KX-1 に続く、KX-5 という小型のショルダーキーボードを発売。こちらは小型鍵盤ながらにベロシティ+アフタータッチ+リボンコントローラーという無敵のスペック。KX-5 は Chick Corea や向谷実、小室哲哉らが愛用し、ロングセラーになった。
ちなみに私は両方とも持ってる(笑)。ギタリストに負けたくないキーボーディストだったから。
個人的には KX-5 の方が使っていると思う。キーボードでライブをやれば現役に使えるモデルだ。ボディの形は RK-100 の方が攻撃的だが弾きやすい形状ではない。なんせ、KX-5 は3.7kg と軽いし、ベロシティ付き鍵盤だから表現力が違う。リボンコントローラーはねちっこいベンディングが可能だし、左手部分にサスティンボタンがあり、「コードを弾いた右手をあげてイェーイ」とギターライクなプレイが可能だ。
RK-100 はやっぱり重かった。けど高校生の時はしっかり使っていたと思う。まだ実家にあるはずだ。
で、本題。KORG が RK-100 の現代復刻版、RK-100S を発表した。デザインは初代を意識した形状ながらに、ずいぶんコンパクトに。音源を搭載するだけでなくボコーダーも搭載、単3アルカリ乾電池6本で動作する。重量は KX-5 より若干軽い 3.4kg。割り切りの8ボイスは今時「?」のスペックだが、確かにポリより厚みが重要だな、とも思う。
面白いのは、リボンコントローラーを左手ベンディング用に加えて、鍵盤手前に長めのリボンコントローラーを搭載しているところ。アルペジエーターと組み合わせて派手なアクションが可能そうだ。
RK-100S は2014年4月下旬発売予定。若いキーボーディストはホント幸せだよなぁ、とか思います。
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