AIRA TR-8:TR-808 / TR-909 はこれでキマリか

RECORDING

AIRA TR-8

“Authentic TR-808 and TR-909 experience in a modern, performance-ready instrument” というキャッチ。テクノ・ハウスでは欠かせない TR-808 / TR-909 サウンドを実現するクローンやサンプルプレーヤーは星の数ほどありますが、本家が「 Authetic 」と呼ぶリズムマシン、AIRA TR-8 です。

KORG の CMT(Component Modeling Technology:アナログ回路シミュレーション)のように Roland もアナログ回路をシミュレートする手法を採用している模様。ACB(Analog Circuit Behavior)と呼ばれる技術開発にあたり、ビデオで紹介されている通り、当時の開発者へのヒアリングを元に相当こだわって再現されているそうです。ここら辺の話は、ICON さんの 96kHzで音を生成して出力する“ハイレゾ電子楽器”、ローランド「AIRA」…… 実際にそのサウンドを聴き、触れてきました をチェック下さい。

スペックを確認します。TR-8 は 1980年に登場した TR-808、83年に登場した TR-909 を電子回路を再現しているマシンなので、数あるサウンドライブラリーから音色を選択するタイプのリズムマシンではありません。バスドラ、スネア、タム(H/M/L)、リムショット、判読ラップ、ハイハット(OH/CH)、シンバル(CRASH/RIDE)の11種類が基本。DRUM KIT は16種類。基本に忠実、分かりやすくもシンプルで使いやすい構成です。

AIRA TR-8

インパネもこれ以上ないくらい分かりやすい配置。各インストゥルメントごとにボリュームスライダーがあるのが直感的で便利です。アクセントやシャッフルなどお馴染みの機能に加え、スライサーを手軽に実現する SCATTER も搭載、実戦で使えそう。

YouTube をみると、インストゥルメントごとにエフェクトに送れるようですね。ディレイもアナログシミュレートだからか、ディレイタイムを変えると音程が上下するので、SCATTER とおりまぜて攻撃的なフィルを繰り出せそう。

背面は実にシンプル(808 のようにパラアウトはありません)。

HONES jack: 1/4-inch stereo phone type
MIX OUT (L/MONO, R) jacks: 1/4-inch phone type
ASSIGNABLE OUT (A, B) jacks: 1/4-inch phone type
EXTERNAL IN (L, R) jacks: 1/4-inch phone type
USB port: USB type B (Audio, MIDI)
DC IN jack

という構成。4音ポリシンセである AIRA SYSTEM-1、TR-808/909 を再現した TR-8、単体ではベースサウンドしか出せない TB-303 クローンの AIRA TB-3 と、最近の「何でも入り」ソリューションとは一線を画す作り。

例えば、TR-8 と TB-3 の2台構成でどこまで出来るか、楽器好きなら、ミュージシャンなら突き詰めてみたい楽器といえます。TR-8 は 499ドル、TB-3 は 299ドル、3月発売とのこと。いやいや楽しみです。


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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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