新しいエフェクトやクロマティックモードでの和音演奏に対応! – Roland SP-404mk2 – システム・プログラム Ver.2.00 リリース

RECORDING

SP-404MKII のシステム・プログラム ( Ver.2.00 2022/7 )

Roland が SP-404MKII の Version 2.0 システムアップデータを公開した。前から噂されていたパターン・シーケンサーやクロマチック・モード、DJ モードの強化が実現、また新しいエフェクトが追加されている。

SP-404MKII のシステム・プログラム ( Ver.2.00 2022/7 )

Ver 2.00 で TR系ドラムマシンタイプのシーケンサーが追加された。サウンドを選んで 16のパッドを指定すれば簡単にリズムパターンを作っていくことができる。SP-404 のパッドが 16になった時から噂されていた機能で、TR 系の入力に慣れた人には朗報だと思う。

驚いたのは クロマティックモードで、和音を演奏できるようになったこと。これ、かなり便利だ。これまでは和音を表現できないので、和音のサンプルを作って送ったりしていたが、これからはリアルタイムに演奏できる。

またポリフォニックだけでなく、レガート(サンプルのピッチ演奏)も可能だ。レガートはサンプルの流れを維持したままピッチを変更する。例えばドラムループサンプルをレガートモードでピッチ変更した場合、ちゃんとテンポが狂うことなくピッチチェンジすることができる(VINYLモードだとピッチに合わせてテンポも変化する)。リアルタイムパフォーマンスでクロマティックを使うシーンが増えるだろう。

また、あまり品質がよくなかったサンプルのピッチシフト(タイムストレッチ)だが、BACKING(リズム系のサンプル)と ENSEMBLE(持続系のサンプル)でそれぞれ特化したタイムストレッチアルゴリズムを選択できるようになった。SP-404 Mk2 に送る前にテンポを遅めにしていたんだけど(遅いのを速くする方が劣化が目立たない)、高音質になるのはありがたい。ちょっと試してみようと思う。

エフェクトは Cloud Delay, SX Delay, SX Reverb, BackSpin の 4つが追加された。MFX + ISOLATOR + PAD というコンビネーションで呼び出す。BackSpin はなかなかイイ。ダイレクトに好きなエフェクトにジャンプできるメニュー(ショートカット)があるといいんだけど。

あと細かいことだが、USB オーディオ入力を INPUT FX や BUS FX を経由せずに、LINE OUT に直接送ることができるようになった。いろんな機器の最後に SP-404 Mk2 がくるので、エフェクトのバイパス・オプションはありがたい。

システムプログラムのアップデートは従来通り、SDカード経由で行う。ダウンロードは SP-404MKII System Program ( Ver.2.00 ) からどうぞ。

Version 2.00 の内容を反映した マニュアル(PDF版) もリリースされている。参考に。

まさに痒いところに手が届くアップデート、最高です。SP-404sx は 10年戦った。Mk2 まだまだ期待してます!


機能追加/機能改善

< パターン・シーケンサー >

  • クロマチック・モードをパターンに録音できるようにしました。
    (パターン記録中に、[SHIFT] を押しながら [PAD4] を押す。)
  • TR-REC (ステップ録音) 機能を追加しました。
    (パターン記録する際に、 PATTERN SETTING 画面において [REMAIN] を押す。または、パターン再生中に [SHIFT] を押しながら [REC] を押す。)
  • パターンを記録する際の Undo ステップ数を 8 から 16 に拡張しました。
    (パターン記録中に、[SHIFT] を押しながら [PATTERN SELECT] を押す。)
  • パターンの小節数を 1 から 64 まで選択できるようにしました。
    (PATTERN SETTING 画面において、[C2] つまみを回す。)
  • 拍子設定を 1/4 – 7/4 に拡張しました。
    (PATTERN SETTING 画面において、[SHIFT] を押しながら [C2] つまみを回す。)
  • パターン再生時にプログレス・バーを追加しました。
  • パターン再生中にパターンをコピーすることができるようにしました。
  • パターンの記録が終わった後に、パターン再生が停止しないようにしました。
  • パターンを再生せずに選択できるようにしました。
    (パターン・セレクト画面で、[VALUE] つまみを押しながら、[PAD1] – [PAD16] を押す。)
  • MIDI プログラムチェンジ (PC) でパターンを選択できるようにしました。

< クロマチック・モード >

  • Chromatic Mode で、Polyphony/Legato 再生を可能にしました。
    ( [REMAIN] を押す。Polyphony:短い点滅周期、Legato : 長い点滅周期。)
  • Chromatic Mode で、スケール入力を可能にしました。
    (スケールの選択:[VALUE] つまみを押す。ノート・スケールの選択:[ROLL] を押しながら [VALUE] つまみを回す。)

< ピッチ/スピード >

  • VINYL MODE が「 No 」の時、サンプルに応じて以下の VARI-ENCODE タイプを選択すると、PITCH/SPEED を変更した時の音質劣化を最小限に抑える(より高音質にする)ことができます。
    BACKING

    減衰系の楽器の場合に適しています。特にアタックがはっきりしている楽器(ドラム、パーカッション、ギターのカッティングなど)を含むフレーズの場合に適しています。

    ENSEMBLE

    持続系の楽器の場合に適しています。特に滑らかな音色変化を伴う楽器(ベースやストリングスなど)に適しています。

< DJ モード >

  • DJ Mode に Quick Loop (ROLL) 機能を追加しました。
    ROLL 再生の開始:[ROLL] を押しながら [PAD13(CH1)] / [PAD15(CH2)] を押す。
    ROLL 間隔の変更:[SHIFT] を押しながら [ROLL] を押す。
    ROLL 再生中に間隔を変更:[ROLL] を押しながら [PAD1] – [PAD4] を押す。)
  • DJ Mode にクロスフェーダーを追加しました。
    ( [START/END] を押して、CUE フェーダーと切り替えます。)
  • DJ Mode で、パターンを再生できるようにしました。
    パターンの選択:[PATTERN SELECT] を押す。
    パターン用 CH への切替:[PATTERN EDIT] を押す。

< エフェクト >

  • MFX に、”Cloud Delay”, “SX Delay”, “SX Reverb”, “BackSpin” を追加しました。
    [MFX] と [ISOLATOR] を押しながら [PAD1] – [PAD4] を押す。または、[MFX] を押しながら [VALUE] or [C3] つまみを回す。
  • INPUT FX に、”Harmony” を追加しました。
    ( [INPUT SETTING] > [INPUT FX] )
  • エフェクト・パラメーターを MIDI コントロール・チェンジ(CC)で変更できるようにしました。
  • BUS1 と BUS2 に送らないサンプル (DRY) を、BUS3 に送ることができるようにしました。
    ( [UTILITY] > [EFX SET] > [OTHER] > [DRY Routing] > [BUS 3] )
  • BUS 3 と BUS4 を一時的に BYPASS するショートカットを追加しました。
    ( [VALUE] つまみを押しながら [BUS FX] を押す。)

< その他 >

  • SP-303 と同様のリバース再生機能を追加しました。
    ( [UTILITY] > [SYSTEM] > [GENERAL] > [Reverse Type] > [303] )
  • Skip Back Sampling Time を 40 秒まで拡張できるようにしました。
    ( [UTILITY] > [SYSTEM] > [GENERAL] > [SBS Time] > [Long] )
  • USB オーディオ入力を INPUT FX や BUS FX を経由せずに、LINE OUT に直接送ることができるようにしました。
    ( [UTILITY] > [SYSTEM] > [GENERAL] > [USB IN] > [LINE IN, MIX OUT] )
  • START/END ポイントを設定する際に、[RESAMPLE] を押すとゼロ・クロスポイントに設定できるようにしました(SNAP to Zero-Cross)。
  • LOOP ポイントを設定する際に、LOOP ポイントからプレビュー再生が開始されるようにしました。
  • Cue モード時にサンプル・ファイル名を表示できるようにしました。
  • [SHIFT] を押しながら [EXIT] を押すと、全てのサンプルの再生を停止するようにしました。
  • Pad Mute するサンプルを選択する際に、再生中のパッドを確認しやすいよう LED の色を改善しました。
  • START/END や ENVELOPE 画面の時に、パッドの LED がカスタマイズした色になるように変更しました。
  • PITCH/SPEED 画面において、Mute Group 内の複数のサンプルに対して同時に変更できるパラメーターを拡張しました。[ BPM, BPM SYNC, GATE, LOOP, REVERSE ]
    ( PITCH/SPEED 画面で、[COPY] を押しながらパラメーターを変更する。)
  • Mute Group 内の複数サンプルの ENVELOPE パラメーターを同時に変更できるようにしました。
    ( ENVELOPE 画面で、[COPY] を押しながらパラメーターを変更する。)

不具合修正
以下の不具合を修正しました。

  • CHOP モードにおいて、特定の条件下でオリジナル・サンプルのあるパッドにアサインすると、アサインしたサンプルが消えてしまう。
  • その他、軽微な不具合。




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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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