KORG の新製品の話を。ハードウェアシンセサイザーではガジェットサイズの Volca シリーズから Volca modular と Volca drum、アナログシンセサイザー minilogue をパワーアップした minilogue xd、新たにItalian Grand Pianoを追加した KRONOS Special Edition、音色を大幅に追加しディスプレイなど刷新した KROME EX(あの RYPPHYPE 某ヤマキ氏がプリセットを一部提供している)など。
正直、全部気になるんだけど、最も期待している Volca drum から。
演奏するドラムマシンガジェット Volca drum
Volca drum はミニサイズのシンセサイザーガジェット Volca シリーズの3番目のドラムマシーン。KORG では「デジタル・パーカッション・シンセサイザー」と紹介している。
シンプルなトリガー波形をベースに、ウェーブ・フォルダーやオーバードライブによる倍音や歪みを加え、ウェーブガイド・レゾネーター・エフェクトによってリアルな響きを与える。6パート構成のDSPシンセ・エンジンは通常のドラム・マシンとは全く違った発想で作られたもので、想像を超える多彩なサウンドを生み出します。そしてもちろん、このサウンドをvolcaスタイルのシーケンサーで演奏可能。
あなたのリズムにこの個性的なサウンドを加えれば、パフォーマンスや制作に革新的な変化をもたらすことでしょう。
実際、同時発売の KORG Volca modular を差し置いてこの Volca drum が気になっているのは その複雑でバリエーションの高いサウンド。打ち込みではなく、リアルタイムにノブをいじることで「演奏するドラムマシン」に仕上がっている。
基本構成は、デジタルタイプのシンセ音源を6パート搭載している。同時に発音できるサウンドは6音。シーケンサーは6パート+16ステップというシンプルなもの。116のパターンを記録し、パターン・チェインも可能だ。
アナログモデリング+倍音合成系フィルターという個性的回路
デジタルシンセ音源ではあるが、サンプリングではなく DSP によるアナログモデリング。なのでアナログ的な音作りが基本となる。このサイズでアナログモデリングが可能なのかと驚くけど。
6パートの 各 2レイヤー構成。オシレーターが発する波形は 2つのピッチ・アンプEG レイヤーに送られる。それをビットリダクションやウェーブフォルダ、オーバードライブなど主に倍音合成的なフィルタで音色を加工する。
エフェクトもウェーブガイド・レゾネーターという響き系のエフェクトを搭載。
ここが Volca drum を個性的にしているポイントで、「楽器観ありきのサウンドエンジン設計」ともいえる回路の構成力がコルグの真骨頂かと思ってる。
スライスやアクティブステップを搭載、「演奏」を意識したシーケンサー部
ツマミの動きを再現するモーション・シーケンス対応の 16ステップシーケンサーはドラムのリアルタイム操作に特化した機能が搭載されている。
ステップの再生ポイントをボタン操作できるアクティブステップ、最近のグルーブに欠かせないスライス(ハイハットの極端に細かいロールのアレ)、チョーク(発音制御、ハイハットのオープン・クローズを相互に排他する時に使うものだが、これを使えばサンプルを細かく刻んだ感じのグルーブも作れる)、アクセントは16段階(多い)設定が可能。。
また、Volca シリーズとしては初の カスタム LCD がレトロな感じでよい。2019年2月中旬発売予定で 20,000円で発売予定とのこと。
KORG modular は ICON さんの開発者インタビューを読んでみて。ICON さんの独自取材でクオリティ高い記事は最高だよ。
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