Native Instruments の MASCHINE が発売から 10周年を迎え、MASCHINE の10年を振り返る 10 YEARS OF MASCHINE を公開している。
10周年を迎えた MASCHINE
MASCHINE は 2009年4月1日に発売されたグループプロダクションスタジオ。Jeremy Ellis のパフォーマンスビデオでフィンガードラミングに興味を持った人は多いと思うんだけど、あれ、2010年の映像だったんだね。今見てもかっこいい。
MASCHINE は、AKAI MPC をルーツに持つパッド型 DAW なんだけど、AKAI MPC と異なり、前提としてコンピュータと専用ハードウェアのセットとして運用する形で登場した。コンピュータベースとしたことで、新しい機能を段階的かつ継続的に投入することができた。
現在、MASCHINE のアプリケーションバージョンは V.2.8.3 だけど、V.1.5 でサンプリング機能、V.1.6 で VST互換、音源を強化し UI を見直した V.2 と着実に進化。機能改善や最近では Sound.com インテグレーションなど、アップデートは頻繁におこなっている。また、この 10年間でハードウェアは3世代のバージョンアップがあった。一方で、ソフトウェアの有償アップグレードは V.2 の時の1回のみ。ありがたい。
MASCHINE を使っていて感じること
MASCHINE を使っていて感じるのは、MASCHINE のサウンド・サンプルの良さ と 直観的なワークフロー だ。
MASCHINE は拡張音源(Expansion)が充実しているだけあって、KOMPLETE とか買うと、とにかく大量の音源・サンプルが付いてくる。しかし、巷のサンプラー用のドラム音源ライブラリと違って、使える音が揃っている。808/909 系を選択しても、808/909 のソリッドな音源から脚色が強い音源まで一気に比較・選択できる。また、サンプルだけでなく、Drumsynth も使えるヤツだ。ビートメイキング系は MASCHINE でお腹一杯、という感じ。こいつさえあればいい。
また、ワークフローというか、DAW としてのシンプルさもいい。MASCHINE は固有のライブラリやシンセサイザー音源、NIのソフトウェア音源、VST系音源まで統合しているので、MASCHINE だけですべてのパートを完結できる。楽曲として仕上げるにはパートをまたいだレコーディングやオートメーションが出来ないので Digital Performer を使うが、曲のモチーフ検討は圧倒的に MASCHINE だ。
ドラムのビートを音色の選択やその配置について慎重吟味しながら構築し、次にベース、パッドでコードを付けて、キーとなるオブリガードや SE を選択する。これを専用のハードウェアと Mac のソフトウェアでガンガン、ストレスなく作り上げる。サウンドやパートデータを MASCHINE で作った後に、DP にドラッグ&ドロップで移植してまとめあげるのが一番早い。
また、MASCHINE Mk3 ハードウェアにはオーディオインターフェイスが内蔵されたので、アナログシンセのインプットやモニタリングも MASCHINE が中心になっている。本当にいいヤツです。
そろそろ MASCHINE の弱点でもあるソングモードを改善した MASCHINE 3 に登場いただきたいところ。今年の秋くらいにはお願いしたい。
世界限定 100ユニットだけのオレンジモデル発売
最後に物欲を刺激するニュース。10周年を記念して、世界限定100ユニットだけの限定モデル、MASCHINE MK3 FLAME ORANGE バージョンが登場(75,800円)。オレンジ好きとしてはたまらないんだけど、MK3 持ってるからなぁ。ホント、どうしよう。
— update
限定オレンジモデルは 9月3日に NIショップでオーダー開始だそうです。
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