KORG wavestate – Wavestation のウェーブシーケンスが劇的に進化、新世代のウェーブシーケンシング・シンセサイザー

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KORG wavesate

KORG がシンセサイザーの新製品 wavestate – WAVE SEQUENCING SYNTHESIZER を発表した。KORG Wavestation のウェーブ・シーケンスを発展させたデジタル・シンセサイザー。音源システムに Wave Sequencing 2.0 を搭載、37鍵盤 64ポリ、販売価格はメーカー希望小売価格 79,800円 (税込 ¥87,780円)、2020年2月下旬発売予定。

ウェーブ・シーケンスとは

KORG wavesate

デジタルシンセサイザーはアナログシンセサイザーのモデリングや FM音源のようなサイン波変調系など、ある一定の波形をモジュレーションで変調させて音色を作成する方法と、PCM 等のあらかじめサンプリングさせたウェーブサンプルをベースにしたものに分けられる。

KORG Wavestation はサンプル系のシンセサイザーだが、M1 などのサンプリング再生型シンセサイザーと決定的に違っていたのが、サンプルを頭から再生するのではなく、サンプルのピッチや再生区間、再生時間を自在に設定し、異なるサンプルとのモーフィングも実現していたことだ。

これにより、変化に富んだ音色を作ることが出来た。当時は1つの音色にアタック部、サスティン部、変調が激しい音色など何台ものシンセサイザーを重ねる手法がとられていたが、KORG Wavestation は1台で正体不明な音色を次々に生成することができた。

Wave Sequencing 2.0

KORG wavesate

KORG wavestate はこのウェーブシーケンスをより進化させた Wave Sequencing 2.0 音源を搭載する。

ウェーブ・シーケンシング 2.0
Wavestationでは、ウェーブ・シーケンスの各ステップにデュレーション(長さ)、サンプル、ピッチを割り当てることができました。これによりキャッチーなパターンが作れましたが、パターンは延々と繰り返すだけの再生方法でした。単に繰り返すだけではなく、再生方法をもっとオーガニックに、予想外の方法で変化させられるとしたら…?

ウェーブ・シーケンシング2.0では、タイミングとサンプル、そしてメロディ(ピッチ)を別々のトラックに分離しましたので、それぞれを個別にコントロールできます。また、シェイプやゲート・タイム、ステップ・シーケンサー・バリューといった新たな要素も追加しました。このそれぞれを「レーン」と呼び、各レーンは別々のステップ数をはじめ、スタートやエンド・ポイント、ループ・ポイントを設定できます。

ノート・オンでシーケンスがスタートし、各レーンからの情報でサウンドが構成されます。サンプルは別々のデュレーション、ピッチ、シェイプ、ゲート・タイム、ステップ・シーケンサー・バリューで発音する場合もあります。また、各レーンのスタートやエンド、ループ・ポイントをベロシティやLFO、エンベロープ、Modノブなどのコントローラーで個別にモジュレーションさせることもできます。これにより、コードの各音が別々に変化していくサウンドも作り出せます。

また、リアルタイム・コントロールで各レーンのステップの順序をランダム化させることも可能です。さらに、0〜100%のプロバビリティをモジュレーションすることにより、ステップをランダムにスキップさせることもできます。こうして得られるサウンドは、リアルタイム・コントロールで刻々と変化するオーガニックなものになります。また、4系統のアルペジエイターでウェーブ・シーケンスを変化させることもできます。

コンパクトまとめると、様々なウェーブサンプルについて、タイミング、ピッチ、シェイプ、ゲートを設定できるようになった。これらを音源ソースとして、各種モジュレーションやエンベロープを設定できる。搭載されているサンプルは数ギガバイトにも及ぶ。値段もサンプルの長さも全然異なるが、Electribe Wave が近いと思う。

KORG 名機のフィルターも

KORG wavesate は KORG のフィルターとして人気の高い、POLYSIX / MS-20 等のフィルターを搭載している。これらにエンベロープ・エフェクト(リバーブを除く)を加えたものを1レイヤーとして、4つまでレイヤーを重ねることができる。近年、アナログシンセサイザーが流行しているが、デジタルならではの 64音ポリ。発音数を心配することなく和音を弾くことができる。

音源部は少しややこしいが、それ以降の流れを非常にシンプルに構成した、初心者にも扱えるシンセサイザーとなっている。搭載するすべてのサンプルを把握して音色を作るのは困難。サイコロボタンでランダムに音色を合成することも可能だ。ランダマイズする個所は個別に指定できるし、サイコロボタン連打で面白い音色に出会って、それをエディットする、なんて使い方も面白いだろう。

このシンセを理解するにはとにかく聴くしかない

KORG wavesate

KORG wavesate がどのようなシンセサイザーなのかは出音を聴くしかない。ぜひサウンドデモを聴いて欲しい。

価格は 8万円越えで気軽に買える価格帯ではないが、Roland JUPITER や YAMAHA のシンセサイザーに比べて高くはない(昔、シンセサイザーといえば 20万は越えるものだったんだよ)。デジタルサンプルをただ再生するだけの中堅機種に対し、一石を投じるシンセサイザーだと思う。

KORG コルグ シンセサイザー wavestate ウェーブ シーケンス
KORG(コルグ)
¥75,042(2024/11/09 07:52時点)
タイミングとサンプル、メロディ(ピッチ)それぞれを個別にコントロールでき、偶発的な音の変化が楽しめるウェーブ・シーケンシング2.0を採用。
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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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