Moog Mavis – Moog 初のウェーブフォルダーを搭載した組み立て型アナログ・セミモジュラーシンセサイザー、ユーロラックにも最適

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Moog Mavis

Moog のネタなのでカバーしておこう。Moog がユーロラックに対応した組立て式のアナログシンセサイザー Moog Mavis(日本語ページ)を発表した。

Mavis(メイビス)はウタツグミ。さえずりが美声が名前の由来という小鳥。Moog は小型のシンセサイザーに鳥のイメージを使うよね。

MAVIS の構成

Moog Mavis

Mavis は組み立て式のアナログ・シンセサイザー・キット。キットといっても部品を組み立てるだけの 15分程度の作業で完成する。Mavisは、ボタン型のキーボードとパッチベイを備えたモジュラーアナログシンセサイザーで発音数はモノフォニックだ。

シンセサイザー部は VCO + VCF + LFO + ENVELOPE + VCA 。オシレーターはパルス幅変調が可能。8 Hz–16 kHz と低音から高音までワイドに発音する。フィルターはお馴染みの -24db Moog Low Pass Ladder Filter 。エンベロープは ADSR というのが豪勢だ(Mother 32 や Subharmonicon は AD だぞ)。ピッチコントロールについては、ボタン式のキーボードでコントロールが可能。Glide や Scaling も付いている。

Moog Mavis

オーソドックスな Moog のアナログシンセのようなんだけど、ウェーブシェーピングも登載している。これ、Moog で初らしい。ユーティリティにウェーブフォルダーが用意されていて、パッチしてあげるとウェーブシェーピングシンセにもなる。FOLD を VCO にパッチし、FOLD ノブを弄れば歪んだ倍音ような音の変化を楽しめる、と。

おいおいこれ、なかなかエグい仕様じゃないか。「モジュラーでウェーブフォルダー足して音をワイドに」なんて必要はない。Mother 32 とも方向性が違うシンセなんだね。

サイズを小さくした分、ダイヤルがミニサイズなのがアレだけど、みんな早速いろいろ付け替えてるようで。ノブを大きいパーツにするだけでも高級感が(笑)。

Eurorack にもマウント可能、サイズも 44HP とヨサげ

Moog Mavis

Mavis は単体のシンセサイザーとして使えるほか、筐体から外すと 44HP のユーロラックモジュールになる。これまでも Moog Mother 32 や DFAM 、Subharmonicon などエンクロージャを外すことで Eurorack にマウントできたが、フル機能のシンセサイザーながらサイズが 60HP とちょっと大きかった。MAVIS は 44HP と割と小型なので、ユーロラックモジュラーの候補としえも悪くない。

Sweetwater の Daniel Fisher が YouTube の Mavis のデモ動画でキーボード型ユーロラック・ケースの NiftyKEYZ にマウントして使っているが、これはこれで便利そうだよね。

Moog のモジュラーシンセサイザーはユーロラックにマウントできるんだけど、コントロール電圧幅が -5V~+5V 。一般的には 0V~+10V だからスケーラーが必要なんだけど、マニュアルをみたところ MAVIS も同じ仕様のよう。

Moog の音がいいのはなんでなのか

Moog Mavis

個人的にアナログシンセサイザーといえば、Moog Subharmonicon / Moog Minitaur/ KORG monologue(2台)/ REON driftbox R Limited / BEHRINGER Crave を所有しており、お腹一杯(BEHRINGER Model D は売却した)。

Mavis はシンプルな構成で、例えば音源スペック的には BEHRINGER Crave も遜色ないんだけど、Crave はイマイチ音が悪い。悪いというのはあくまで主観だから、オーナーさんも気を悪くして欲しくないんだけど、Moog の出音と比べるとこれが相当に違う。使っている部品や素材的な違いなんだろうな。

BEHRINGER Crave は小型なボディに MIDI 端子やキーボード、シーケンサーまでパッケージした「グッドライフ・アナログシンセサイザー」であり、好きなんだけど(だから売却していない)、「ひゅー!アナログないい音!」という印象はあまりない。電子部品をいじっているようで、Moog や KORG のような「痺れるような感覚」がない。

Moog の音がいいのは部品や部材、回路がいいのか。MAVIS が安かったら購入して Crave と比較してみようかな、なんて思うのだが…

価格は安い、が円安が僕らの夢をぶち壊すかも

Moog Mavis

米国での販売価格は 349ドル。岸田内閣発足時では 111.86円だったが今や 135円台。年末には 150円も視野という状況。

4万円切って買えそうな DIY シンセキットがが 5万円くらいになる計算だ。海外では「子供のクリスマスプレゼントに本格的なシンセキットを」なんて価格だが、日本ではモノフォニックシンセに 5万円以上出せるオジさんが対象に。どんどん日本はダメになる。

停滞した経済の原因がすべて政治のせいだとは思わないが、「アベノミクスの成果がこれ」ではある。自民党が悪いのか、自民党に国民の声が届いていないのか。どちらにせよ、うん、選挙に行こう。


Moog Mavis 組み立て式アナログシンセサイザーキット
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セミ・モジュラー・アナログ・シンセサイザー:スタンド・アローンまたは44HPユーロラック・モジュールとして動作

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MoogMother-32はMoog初のテーブルトップ型セミモジュラー・シンセサイザー。
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4つのサブ・オシレーターと2つの4ステップ・シーケンサーを実装。

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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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